一昨日の2時ごろ目が覚めた。
しばらくベッドで暗闇と格闘していたがなかなか次の眠りに入れない。
仕方がない、思い切って起きて台所を片付けたり、温かい白湯を飲んだりしているうちにニュースを見ようとテレビをつけた。
やっていたのはニュースではなく
「震災短歌 31文字に託した思い」(正確ではないが)という番組。
高校生から100歳まで5人の9年間の思いを短歌にしたもので紹介されたのは以下のとおり。
仮設住宅に5年住んでようやく新居にもどった100歳の方、
「91のわれ
三度めの大津波
ながらえて見しこの世の無残」
高校生の短歌
「我が街の
幼き記憶薄れゆく
復興ではなく上書き保存」
夫をなくした女性の短歌
「あの店も
あの道さえも無き跡に
街は造られ復興つづく」
創業80年の老舗鮮魚店のお女将さん
「大津波
魚市場も家も呑み込みぬ
助けて!の声耳より去らず」
ようやく念願の魚屋の再開に
「若葉露
散らし吹く風伝えてよ
気仙沼は今立ち上がるぞと」
みな 女性!
みな 品格香り高い方々!
この表情は震災にあった方々だろうかと一瞬混乱するほど圧倒された。
その表情には苦労や悲しみが清々しく昇華された気高さがあった。
語りでは声高に主張しないからこそ一層31文字に込めた叫びや苦しみが強く伝わる。
胸が熱くなった。
まだ夜は明けない。