このゲームでは地図上の2.5cmを5分で移動することを前提としている。ノーラン邸(46WC)からハリデイ特約ホテル(19SW)までは、徒歩で1時間ほどだろう。ハリデイ特約ホテルで聞き込みをした。
その日のフロント係は冷静な男だったので、われわれの質問にていねいに答えてくれた。
「その紳士がお見えになったのは5月29日で、宿帳のお名前はクラレンス・ガイとなっています。建物の正面にあたる4階の部屋にご案内しましたが、2日後に、裏手の2階の続き部屋205号に移りたいとおっしゃられて、そちらに替わられました。その方の滞在中にお部屋を訪ねられたのは、私の存じあげるかぎり、お2人だけです。ひとりは実に感じの悪い男でしたね。がっちりとした体つきで濃いあしかひげをはやしていました。たしか頬に大きな傷がありました。その男が来たのは6月1日、ちょうどガイ様、つまりクラレンドンさんが部屋を移られた日でし た。男はふらっとロビーに入ってきて腰かけ、誰か人を待っているようすでした。私は男から目を離さないよう気をつけていましたが、とても用件をたずねられるような雰囲気ではありませんでした。
20分ほどしてからクラレンドンさんが降りていらっしゃいまして、その大男のそばを通ろうとしますと、男は彼の腕をぐいとつかんで引き寄せたのです。そのときクラレンドさんがひどく脅えているように見えたものですから、私はボーイに警官を呼びにいかせようとしました。ところが、クラレンドンさんがなにも心配することはないというしぐさをみせたので、そのままにしたようなわけです。
ロビーで2、3分話したあと、お2人はそろって出ていかれました。それ以来、男の姿は一度も見かけておりません。
もうひとりの方というのは、とても印象的な女性でした。この方はたびたびお見えになりました。いつも流行の服をお召しで、笑い方にちょっと特徴がありました。実に楽しそうに高らかに笑われるんです。どなただかは存じあげま せんが...」
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