わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

愛媛県松山市和気町「大声大会2018」【わけししょうロケ】

2018年07月17日 | 和気エリア

まずは本編と関係ないshotから。6月9日の和気海岸ではコサック兵がビデオカメラをまわしていました。なんで?

 

しばらくすると手旗を振る和服姿の子どもたち。何に向かって歓声を上げているのか? まさにタイムスリップ。

えらく大掛かりなロケが日中通して行われておりました。まさに「和気ロケ」ですな。日露戦争を題材とした映画の撮影でしょう。現代が映り込まないよう、アングルをうまく調整してたんでしょうね。CG(コンピュータグラッフィック)も駆使するのかもしれません。

梅雨の晴れ間に敢行されたのですが、たまたま天気がよかったのではあります。雨天でもやったのでしょうか。総勢100人くらいはいらっしゃったと思います。まあ、運が良かったのでしょうか。存じ上げていない有名な俳優さんもいらっしゃってたようです。

かろうじて、といえるかもしれませんが、昔ながらの光景が和気海岸にはあるのでしょうかね。のんびりというか悠久というか。それも一つの価値なんでしょう。和気海岸って、そんな場なんですねよ。飾らない、気取らない、一見何もないのですが、独特の空気というか。愛媛松山を代表できる場所なんですねよ。

 

 

それでは本編とまいりましょう。「海の日」恒例の「大声大会」in和気浜であります。地元和気公民館が主催する防災イベントなのです。チーム分けは町内会ごとになっています。ご近所意識育成という、横軸での連帯効果が期待できそうです。ここ、地方都市の片隅でも少子高齢化は進んでいます。そんな中での世代を超えた縦軸の交流の場ともいえます。


計測マイクの前で防災的なフレーズを絶叫し、音量を計測するというゲーム形式で行われます。いざという緊急事態で大声を発するのは意外と難しいのです。年に1度の雄叫びで訓練になるかは微妙ですが、やらないよりはマシでしょうね。

自治会対抗戦となっており、栄冠を勝ち取ると豪華トルフィーが贈られるのであります。ある意味、すごい。和気入道自身は参加したことがないので、なんとも言えませんが、団結力が養成されるのでありましょうか。イベント自体はお気楽ごく楽ですけど、今後予想される南海トラフ地震等への対応力となりえるのでしょうか。

 

 




こちらは町別競技の前におこなわれた地元中学校の運動部によるデモンストレーション、というかオープン参加の様子でありまして。集団だからといって音量が大きいとはならないようでした。

 

 

大声コンテストよりも、こちらのほうが絶大なる人気を持っているかも…………………的な、美味しいコーナー。これも訓練の一環ですよ。





これまでは消防団風はっぴをまとっていたのですが、今回からはピンクのポロシャツ隊となりました、無料で食べ放題のカレーライス。その名も「女防カレー」。ホントに具だくさんの日本が誇るJapanese food。おもてなしだけではない、防災訓練のれっきとした一環なのであります。ひねりの効いていないネーミングですが、その意義は判りやすい。実際の被災時に効果を発揮できるか、真価が問われることがないことを祈るばかりです。

 



公民館が所有する巨大鍋で作りますよ。オタマではなく、柄杓でつぎます、かき混ぜます。

そもそもアウトドアや野外活動で、なんでカレーが作られるのか。実は日本式カレーライスは、元々は日本軍のミリタリー飯です。残念ながらおふくろの味ではなく、いわば「父の味」なのです。外地で米と根菜という保存が利く食材を用いること、やや強引ですが味付けを変えるバリエーション(カレー粉の代わりに醤油で肉じゃが、味噌は豚汁、牛乳はシチュー)があること、比較的簡単に調理できること、などから野外でのメニューでは王道となっているのであります。戦地からの帰還兵父ちゃんが家族に振る舞った「生還の味」でもあるのです。

 

 

さらには夏らしくカキ氷。タイトルは「体協氷」とな。体育協会? なのかしら。

コンロ用のカセットボンベで発電して氷カキ機を動かします。非常時には有効な電源といえましょう。一家に一台とはいかないかもしれませんが、安くならないかな。和気一家のキャンプでも使いたいぞ。





涼をとるというより熱中症対策、でしょうか。災害時には氷が入手できるとは言い難いですがね。まあ、これはこれで是としましょう。

 

誰もいない展示がありました。我が家でも不十分といえる装備と備蓄。

 

これまた誰もいない救護用の縁台。何もないのがなによりです。相当な暑さです。

 

こんな感じで展開された和気浜でのイベントでありました。毎年恒例となっているため、お馴染み感はあるのですが、本来の目的はきわめての非日常に対応することにあるはずです。

開催のほぼ1週間前に「西日本豪雨」が愛媛にも大きな被害をもたらしました。このタイミングでは、おのずと自助・共助・協働の重要性がイメージできたかも。つまり、他人事ではないということ。

災害対応はあまりにも範囲が広く項目が多く、想定するのが至難の業であることを我々は思い知らされることになりました。海には海の、山には山の、川には川の災害があり、人知を超えてしまった状態で被害が発生してしまいます。もはや、想定という概念が被害を生んでしまうのかもしれません。

 和気海岸での、やや暢気な訓練で培われるか………………本番での空振りを恐れず、無駄な避難で構わないという割り切りと迅速な行動。備えとはまさに「心の構え」なんでしょうかねえ。