わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

愛媛県松山市道後一万「和食たかなし」【わけししょうロケ】夏の宵編

2018年08月14日 | 食い呑み

「おはよう」とか「こんにちは」などから「暑いですね」があいさつになり替わってしまっております2018年の夏であります。

どうやら天をつかさどる雷神や龍の類が新米なのか、雨の量や暑さの調整が慣れてないようですね。天災により死者を続出させるのは死神の仕業でありましょうか。しかも日本愛媛どころかアジア各地、世界各国でもそんな天候のようです。

毎年のことではありますが、和気入道一家の夏は「海」が基本となります。適度な日焼け、海水に浸かる、海気を受ける、海での食事、海の幸を喰らう、などの行為によって夏を乗り切るのであります。地元の和気浜は徒歩で攻略します。それだけでは飽き足らず、愛南などにも足を延ばします。

さらには、食にその年々のトレンドがありまして、頻繁に食卓に供されるメニューがあったりします。豚汁だったりゴーヤだったり甘唐辛子の年もありましたねえ。それらを積極的に摂っていると信じることで、夏バテに備えるのであります。今年は強いて言えば「握り飯」でしょうか。ワカメを混ぜたり、海苔を巻いたり。お茶碗ご飯では食が進みにくくても、rice cakeにすれば食べやすいですからね。海にも持っていくこともあります。

とはいえ、数年ぶりのこの酷暑。立秋過ぎても立ちくらみがしそうな熱気には、さらなる対策を……………………

身体の内側から涼をとるのがよろしいかと。お盆の仕事場は閑散としておりまして、上司に早退を願い出て受理されました。早めの店仕舞いし、着物を身に纏って家人と「電車 de go」と致しました。向かうは道後一万「和食 たかなし」であります。かなり久しぶりとなります。 

 

JR予讃線から伊予鉄道環状線に乗り換えます。おやまあ、子どもの頃に乗ってた車両がまだ現役です。内装がウッド製ですから、よく考えたらこちらのほうが高級なのかしら。重厚な仕様となっております。

 

 愛媛道後の端っこに位置する「たかなし」に到着です。

道後のまちは夜の帳が降り、ガラスに映る店内は涼を摂りながら各々話が弾んでいるようです。なかなかの盛況ぶりです。

 

2人連れなのですが、テーブルではなくカウンターに陣取ります。家人ともども、この一枚板がお気に入りなのです。

どうですか? まさに「竜の眼」の如し。

 

 

本日のおすすめはこちらです。さあさあ、なにをいただきましょうか。迷ってしまいますねえ。

 地元食材押しです。豊富な魚介、夏野菜に目が行きますねえ。

 

まずはビールです。でも1杯だけです。腹が膨れるのと、和気入道的にはビールは魚介には合わないのです。

 

 

お通しにも涼が盛られてます。ゼリー状に冷やされた出汁にオクラとエビ、梅肉ソースをちょいと載せて。

 

 葉脈が際立つ大葉が帆の如く。するめいかの刺身です。

歯ごたえはスルメまんまなのですが、すご~くねっとりしてまして。なんかコウイカ系みたいです。和気が知ってるのとは全然ちがうぞ。もちろんたいへん美味しいのですが。

大将に訊いてみると「するめいかでも大きいのは~」とのこと。

 

夏といえば、これは外せない、「鱧」。

 

添えられているのは、左からソーメン瓜、イモの茎、トマト。いいアクセントとなってます。

 

梅肉でいただきます。細かく引かれた骨、程よく締まった身とゼラチン質の皮、大将の腕の良さがモノをいいます。観光で来られたみなさん、ぜひどうぞ。

愛媛は鱧の一大産地でありまして。関西方面に供給されているとのことです。でも地元ではそれほどメジャーではありませんでした。おそらくですが、いかつい見た目、骨切り処理がめんどくさいことや旨味があんまりないことからか、家庭の食卓向けではなかったのでしょう。和気は子どものころからよく食べていて、なんでかなと思ってましたが。今では伊予双海などが特産品としてアピールしています。ポン酢や辛子みそでいただくのも良し。かば焼きや揚げ物も美味いんですよね。

 

 続いてもご当地系、夏野菜の代表格であります茄子です。愛媛西条の絹皮茄子を揚出し、とろろをぶっかけております。鮮やかな彩りがいい感じ。

愛媛では「松山長茄子」と米茄子系の「西条絹皮茄子」などが特産でございまして。茄子好きにはたまらない逸品です。季節的にこれからどんどん美味くなっていくのです。和気宅では嫁がドンドン食ってますが。

 

 ちょっとコッテリ系もいきたいところです。

こちらは「新じゃがの明太子のチーズ焼」。

 さらにグランドメニューから「だし巻き卵」も。

 

さらに青ネギの白身巻とアスパラの揚げ物、塩でいただきます。

いやあ、なかなかのガッツリ感。なんか涼を摂りにきたというより、スタミナをつけにきた、という様相を呈してまいりました。

 

口直しに「モズク酢」なぞ。

ほぼ満腹とともにオーダーストップ。 なんか成り行きまかせのメニュー構成でしたが、それもまた是。

このお店の特徴は、地元素材・季節感満載の本格的な和食を肩ひじ張らずに居酒屋感覚で楽しめるところにあります。このblogの影響力ではどうにもならないでしょうが(笑)、愛媛観光の隠れスポットになり得るポテンシャルを持っていることを世界で初めて指摘しておきます。

そういやここんとこ、和気入道の交友関係はえらく希薄でありまして。県外の人間を連れていきたいなあ、と思っても、お連れできる方が見当たりません。誰かご一緒しませんか。お勘定もお願いできれば、と思います。