この度は和気入道のお知り合いからお誘いを受けまして、というか、こちらからお願いしまして、「かまどねこ」なるお店を訪れることにしました。実はちょっと前に地元テレビ局の看板番組「もぎ✖✖てれび」において「和食たかなし」とともに登場したのを視たこともあり、気になっておったのです。
銀杏並木はまだ色づいてません平和通りの東。清水小学校・勝山中学校出身の和気入道としてはまさに、かつての庭であります。建物やお店は変わってしまったところばかりですが、雰囲気は変わっておりません。道後エリアに近づきつつ、目に入るのは、このような看板。
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A型看板にはお食事メニュー。「物語カフェ」とな。
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古民家的な佇まいというべきか、昭和レトロというべきか。城下町にふさわしい店構えですねえ。間違いなく、和気がガキの頃からあった建物なんでしょうが、その頃に知る由もなかったお家なのであります。
ではお邪魔しますよ。
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玄関戸をくぐって、履き物を脱いで店内に上がります。昔はどの家もこんな下駄箱でしたよね。
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店内をざっと見渡しますと、カフェスペースは3つあるようです。畳に絨毯敷いてのテーブル席、畳にちゃぶ台の座敷、画像にはありませんが、裏庭を臨める廊下のカウンター席。
さらには、本棚に囲まれた図書室があります。
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蔵書の背表紙をざっと見た感じでは、演劇関連などが目につきました。正しいのかは判りませんが、和気入道的には、ちょこっと昭和の「前衛」的なモノを感じましたね。今の伊予の田舎町ではほとんど存在しない、和気が東京で過ごした時代にはまだあった、すごい久しぶりの感覚です。ガロとか並んでないかな、と探してしまいました。
店内の内装・装飾はいたってシンプル。
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コーヒーをいただきながら、スタッフの皆さんとお話ししまして。時間が流れてお昼時となりました。和気殿はハヤシライス、お連れ様はカレーライスを注文。
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ハヤシライスは酸味が効いており、タマネギが際立つ感じ。
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カレーは雑穀米仕様となっております。なかなかの辛さとのこと。
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サイドのサラダは作り込まれておりまして。ピクルスとか小技が効いてます。お値打ちあります。
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こちらのメニューはお持ち帰りもございます。ご利用されてたお客様もありました。
店内奥の廊下カウンターから見えるお庭はこんな感じ。
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ところで「かまどねこ」と称するからには、灰だらけの猫がいるのかと思いきや、どこにもおりません。ネコの置物はおりましたが。
お話しによると3匹の猫が庭に現れるとのことでして。飼っているのではなく、地域に住んでて居流れてくるようです。けっこうな時間が経ったのですが、なかなかお目見えがありません。それからしばらく時間が流れて………………………
音もなく、鳴き声もなく、来ました来ました。なかなかの太々しさをまとってます。
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もう1匹来てくれたのですが、すぐに立ち去ってしまいましたので、カメラに収めるに至りませんでした。
猫カフェとは違って触れ合うことはできませんが、これはこれでありでしょう。このカフェの戦略なのか、長時間滞在を可能とする仕掛けが出来上がっているような。知人との語らいもいいですが、単独で来てねばることができるのが売りなのかも。そういや、昔の喫茶店での基本でしたねえ。なんか、いろんな感覚が懐かしさと共によみがえってきた時間でした。
然らば。
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「前衛的」な表現をば、してみました。物語第一幕はこれにて暗転。
このカフェは近くにある「シアターねこ」が運営しています。松山での劇場というか芝居小屋はほとんど縁がありませんでしたので、帰りに見せていただくことにしました。そこはね、和気入道がとてもよく知ってる場所なのであります。
和気入道の幼少のみぎり、就学からすでに40星霜をも数えるに至っております。その頃に戻る機会に恵まれましたので、ここに記すこととします。場所は松山城の、ホントの直下にある「和光会館」という場所であります。昔々は「和光幼稚園」がありまして、和気入道は卒園生なのであります。ことの次第は存じませんが、かなり前に幼稚園が閉鎖されたことは聞き及んでおりました。といっても「少子化の波なのかな?」くらいで、特に思うこともなく、時が流れていくだけでした。ここで物語第二幕があけることに。
劇場がある建物は和気がいた頃にはたぶんなかったはず。でも、外されていない和光幼稚園の園璋エンブレムはなんだか誇らしげな感じ。見せてもらった劇場は意外と本格的です。むき出しのコード類やペンキを塗ったくったような壁も、これまた前衛。そのうち、なんかの芝居を見に行こうかなあ。
帰る前に元園内をぐるっと見てみました。走り回っていた運動場は駐車場と化してましたが、こんなに狭かったかなあ。プールや動物が飼われていたゲージもあったのに。赤バラ組の教室はほぼ当時のままで、虹色の送迎バスから降りて園内に入る裏の鋼鉄製の扉もそのまんまでした。閉ざされてた記憶が、思い出が、よみがえるよみがえる。
黄色い肩掛けかばんには。シールを貼る出席簿に、ポケットティッシュなんてなかったから折りたたんだチリ紙、アルミでできた「サンダーマスク」の弁当箱だったなあ。
弁当を持ってこれないときは現金を握ってパンと牛乳を注文したんだよねえ。
初めて「せんせい」って呼ぶことになった先生は、実際はそんなに歳じゃなかったのかもしれないけど、すごくおばさんに思えたなあ。
当時、近くのPTA会館で楽器の演奏会があって、舞台の上での木琴を演奏で、演奏が始まる直前にバチをかたっぽ落っことしたけど、拾うことができなくて、うろたえることなく片手で演奏したんでして。和気入道の初ライブ、後のバンドを始めるための原体験だったのかもしれない。
なんかいろんなことを思い出しました。まさに人生劇場! 酒が入ってたり、メンタルが過敏なときだったら、涙が止まらなかったかも。卒園生の皆さん、お時間があればかまどねこ共々、お訪ねください。まだ、当時を感じることができますよ。
かくして、「物語カフェ」は和気入道にとっては時空を超えて強烈に作用しました。他のお店では絶対に体験できませんからね。さらにクリエイティブな刺激にもなりました。何かを表現したくなったよ。