わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

愛媛県松山市本町「大黒屋」【わけししょうロケ】松山うどん真打を語ろうか

2021年04月12日 | 食い呑み
これまで、「うどん」についてさまざま語ってまいりました和気入道であります。
満を持して、といいましょうか、やっと皆様にご照覧いただくタイミングとなりましたので、ご紹介。大黒屋であります。
 
ここしばらくは愛媛県松山は山越エリアについてご案内させていただいております。それは和気入道ことわたくしが育った地域でありまして、なんてこたあない、DNAレベルで刻み込まれた味だのなんだのがいまだに憑いているのであります。今となってはそんなに行くこともないですが、最も和気一族がこよなく愛したお店なのです。まあ、回し者レベルですね。


 
まあ、独自の理屈ではありますが、愛媛松山の食が誇るべき老舗であろうかと思っています。小学生は2年次ごろに開店したと思っています。すでに40年を超える歴史をほこっているはずです。当時の店構えは現在と比べると小さなもので、お客のご愛顧とともに店舗規模がドンドン増幅していったのであります。当時は2階の座敷はありませんでしたよ。記憶では破格の値段設定で、お高いとの評判があったのです。
 
 
さて、話はやや飛んで、おうどん(そばも)のお値段について少々。和気の関係者で大阪のうどん店で働いておった方がいらっしゃいましてその方によりますと、うどんは値段を見ればだいたいどんな格かの、検討はつくのだとか。つまり、出汁にかけるコストが値段に反映されるので、お手軽な価格であれば材料が限られるとのこと。まあ、美味しいかどうかはともかくですがね。そういう意味では大黒屋さんは本格派の値段ということになりましょうか。多分ですけど、軌道に乗るまではけっこう時間がかかったんじゃないかなあ。大きなお世話でしょうけど。
 
 


店構えや内装も当時の流行からするとなかり絢爛でしたかねえ。当時の食べ物屋ってカネかけてなかったですからね。今観るとまあまあ普通ですけど。
 
 
さて、本題なのですが。
 
松山うどんとはいくつかの流派というか、流れがあると考えていました。総てを承知しているのではないことをあらかじめ申し添えておきます。まずは「かめ屋」や道後にあった「としだ」などの系統です。これが伝統的な伊予うどんともいうべき流れです。そして、アルミの小鍋で供される鍋焼きうどん。「アサヒ」や「ことり」など、これまた伝統があり多くの支持を受けているのであります。これらは、柔らか目の麺に煮干しベースの出汁で構成されており、伊予ののどかな風土らしい風味が特徴といえましょうか。
さらにエリア外から讃岐うどんや大阪うどんの系統などが単店レベルで入ってきます。麺のこしやのどごしで粉を食わす讃岐の麺は言うまでもなくうどん界の王者的存在。そして、大阪関西は出汁の文化が全国に侵食しており、いまや和食の味付けは関西風が基本となっているとも聞き及んでいます。
和気入道の個人的な見解ではありますが、麺は讃岐、味は関西風が最強の組み合わせではないかと。創業者である初代の大将はそこに商機を見出しそれを大黒屋として具現したのではないかと推測しているのであります。たしか大阪のご出身というか、大阪から松山に、と記憶しています。
まあ、今は判りませんが、以前は「道後に旨いものはない」的な風評が地元にはありまして。道後動物園の帰りに行った人でごった返していた「としだ」も子ども心ながら、あんまり好きではなかった和気でありました。その名店はその幕を下ろしました。その後、大黒屋道後店がその役割を担い、今に至っています。地元民はもとより観光客もたくさん来られているようです。
 
 
 
ここで逸話ともいうべき和気入道の実体験と大黒屋との付き合いを展開。
 
 
大黒屋episode 1
大型貸し切りバスが店沿いに横付け。駐車場に入れるわけもなく、路駐して観光客ご一行が来店。郊外のお店ではないし、いま考えてもかなり強引。幹事の采配かしらん。
 
 
大黒屋episode 2
和気宅への香川からの来客ご案内。和気入道的食の実験だわさ。「今日の昼はうどん屋じゃぞ」の宣言に、その方、想定通りに、たいへんご機嫌に障ったご様子で「なんで愛媛に来てウドン? はあ?」的な。和気答えて曰く「まあ、いいからイイから」と看板メニュー「大黒うどん」を推挙。その御仁、一口含んで、唸りを上げるに至りまして。
それから数カ月後に、その御仁と知り合いがこれまた香川からお越しになり、その御仁「昼はここで」と知り合いを大黒屋にご案内したのであります。「はあ? 愛媛でなんでうどんなんか」的な。御仁曰く「まあ、いいからイイから」以下、ループ。
 
 
大黒屋episode 3
東京在住のおじに大黒屋謹製生うどん詰め合わせを土産として献上。聞き及んだところによるとお電話注文にてリピート連発したとのこと。
 
 
大黒屋episode 4
大盛という概念をとことん追求。何度か大盛を頼んだんことがあるのですが、まずは見た目にびっくりするかも。ここのは器からして、大盛というか惚れ惚れするくらいでかくなります。麺も2玉は余裕でありそうですし、出汁もそれくらい。家族ユースは取り分けていただく戦法がお勧めです。インスタ映えしますよ。
 
 
大黒屋episode 5
これもおそらく、なんですが。丼ぶりは地元の「砥部焼」が多く使われています。まあ、この店に限ったことではないのですが、やはり地元意識をこだわって持っているのかなあ、と思いました。砥部焼については別の記事をご参照ください。
 
 
 
 
 
大黒屋お勧め その1
さて、お勧めについても数がありまして、まずは屋号を冠した「大黒うどん」がこちら。意外や意外、冷たいうどんがエースなんです。記憶に間違いがなければ、開店当初はメニューにはなかったはず、ですよね。
ぶっかけうどん的なものですが、錦糸卵と海苔、揚げ玉におろし生姜とゴマとネギを乗せたシンプルな構成。画像のとおりであります。
 
大黒屋お勧め その2
このお店ではなぜか一択を押し通す人がいまして、わたくしの周りにもいらっしゃいました。その方々の定番とは「カレーうどん」と「小ライス」。元々は鶏だったのですが、いつぞやのメニュー改変で牛かポークになっており、往年のファンは落胆この上ない状況に陥ってしまいました。ところがしばらくしてチキンが復活。まあ、間違いなく少なからず愛好者が存在していたのでありましょう。
とても優しいお味で、お子様にもお勧めですよ。当然、ご飯との相性も是。コスパも最強レベルですよ。
 
大黒屋お勧め その3
その他にも捨てがたいメニューはいろいろあるのですが、ちょっとヒネったところを。鶏の「唐揚げ」が美味しいですかねえ。
これは千葉の知り合いに言われたんですが、愛媛人の唐揚げ好きはすごいとのこと。その人は松山の某中華ファミリーレストランでバイトをしてたんですが、来る客くる客みんなが唐揚げを注文するもんだから、ホントに好きなんですねえ、と。地元民は自覚がないんじゃないかなあ。
で、唐揚げが美味しいお店って、愛媛にはめちゃくちゃ多いですよねえ。レベル高い店は専門店だけでなく、うどん屋のサイドメニューにもあったりするわけです。
 
大黒屋お勧め その4
サイドメニューというか、以前はテーブルに常備されていた「昆布の佃煮」。直近の来店では確認できなかったので、食べ放題でなくなったようですが。定食などには付いてくると思います。これも味が良くて、ついつい食べてしまう美味しさです。持ち帰り用に販売もしていたはずです。
 
 
 
 
まだまだいろいろあるのですが、記憶の奥底に沈んでしまっていて表すことができません。ホントに日本内外から多くの方をご案内しました。まあ、おくまでも和気入道の好み嗜好ということでご理解ください。ただ、ここがうどん舌の基準となってました。いい意味で高い基準が和気には備わったのであります。
松山にお寄りの際は、ご利用してはいかがでしょうか。
 








愛媛県松山市山越「カラオケ華」【わけししょうロケ】実は中国料理の秘宝

2020年01月06日 | 食い呑み
さて、和気入道は永く愛媛県松山市山越(やまごえ)という街に住んでおりました。今現在の居住地である松山市和気町も住宅地なんですが、山越は中心部に近いだけあって、人の往来が段違いに多いですね。車の交通量も多いですし、商店や飲食店も点在している地域です。伊予鉄路面電車も徒歩で利用できるため、中心地までのアクセスもよく、街に遊びに行くとか呑みに行くのも便利だったですよ。
 
今となっては、悪さばかりの思い出がよぎるガキの頃って感じですかね。親や我が子には言えないようなことばかりで、特別にヤンチャではなかったはずですが、思い返しても酸っぱい後悔が蒸し返してくるのであります。また、マセガキでもありまして、高校生のころにはお酒をこよなく愛していましたし、魚釣りとかバンドやら武術やら、親の思惑なんぞ全く関係ない生活を謳歌していたのであります。
 
そんな高校生生活の最中、ご近所に1件の中華料理屋がオープンしたのであります。その名は「長春飯店」。中国残留孤児2世のご家族が興したお店はこじんまりとしており、日本式の商売に慣れてなかったこともあり、なかなか軌道に乗れず、静かな店内でした。それでも本場仕込みの餃子はすばらしいものがありました。武術を中心とした中国に関心が強かった和気にとっては、初めて触れることができた中国へとつながる扉となったのです。当時は中国との国交はあったものの、いろんな意味で大陸とは隔絶されており、中華文化はイギリスの租借地であった香港、台湾から流入するのが通常だったのです。
 
日中戦争の爪痕ともいうべき「残留孤児」、ほんの数年前までおこなわれていた「文化大革命」など、当事者から聴くことができた生の中国がリアルに迫ってきたのであります。そんな話に耳を傾け、餃子をいただきながら、白酒をもいただいていたのであります。その後の和気入道と中国との関わりに大きな影響を与えたんだろうなあ、といまさらながら想起したのであります。まさにリアル「どこでもドア」だったのです。
 
かくして留学(自分的には大陸浪人というか武術の修行)から帰国後、実家に戻ってきまして。こよなく愛していた長春飯店はまったく機能していない様子。しかし、松山市中ノ川で主の名を冠した「維新」という中華料理店をやっていたのです。久方振りに合った主(ダンナ)はよそよそしい態度で、どうも様子がおかしい。その後しばらくして中ノ川も閉店してしまいました。
 
その後、しばしの沈黙を経て長春飯店は生まれ変わったのであります。予想を裏切る展開? カラオケ喫茶「華」として。ご近所さんであること、これまでのお付き合いもあり、依頼を受けてなんやかんや手伝ったりしました。主(妻子)は中華屋の女将からカラオケ屋のママに見事に転身。その容姿と愛想でうまくいってるみたい、と安心しておりました。我、和気入道となって転居しましたので、その後はずっと疎遠になっていたのであります。まあ、カラオケ喫茶にとりあえず用事はないですし。
 
近々のことですが、職場の同僚が実はここの水餃子仲間であることが判明したのであります。まったくの偶然なのですが、その同僚が宇和島勤務時代に「すごくおいしい餃子があって・・・・・・また食べたいなあ」みたいな話がありまして。聴いていると、合点がいったのであります。和気曰く「知ってるどころじゃございませんぜ!」
そう。華のママ一家は松山市山越に引っ越してくる前は愛媛県宇和島市で餃子の行商をしていたんです。間違いないでしょうね、まさに和気入道produce「探偵ナイトスクープ」が始まるのであります。カラオケ喫茶ではありますが、人気の高い水餃子はあるんじゃないかな、と予想を立てて現地に飛んだのです。
店内の様子は以前とはかなり変わってましたが、シルバーの憩いの場。和気入道を見るなり「ひさしぶりやなあ~」とママ。やはり水餃子は持ち帰り用にありまして、我が家と同僚用に買って帰ったのであります。変わらぬ美味しさでありました。
 
ここで話が終わらない。そう、せっかくなので一席設けることができないか、後日になって改めてお願いすることにしたのであります。和気が知る限り、松山では日本人向けの中華料理屋はいくらでもあるのですが、本当の中国料理が食べられる処がないとずっと思ってたんですよ。そんな嘆きを吹き飛ばす秘密兵器があったじゃないか! しかもメチャクチャ親しい間柄なのに、なぜ思いつかなかったのか・・・・・まさに不覚の極まり、灯台下暗し、幸せの碧い鳥を見つけた気分。
何度か打ち合わせ。「酢豚でもなんでも作るよ」「いやいや、そんなんじゃなくて中国の家庭料理的なものをね」
かくして、新年早々に松山市山越に和気入道関係者が集いまして、宴が始まるのであります。
 
 
外見はこんな感じ。電飾効果で、以前よりえらくギラギラしている印象を受けます。


この看板は開店以来、変わってません。山越保育園のはす向かいにあるのですが、駐車場が広くなってますよ。


ドアを開けると小部屋というか、喫煙場所? かな。ややフェイント気味で、第2の扉を開けますと・・・・・・・・

そこは中国の「卡拉OK店」そのもの。色使いとか電飾とかテーブルの配置も。日本でも中国でもKARAOKEでオーケー。

ママの人気は絶大なものがありまして、今宵も年齢層高めの男女が集ってますよ。新年初営業ということもあり、満席状態。
 
先着隊はすでに生ビールGO状態でして。さ~て凄まじいBGM隊の歌唱の中、始まりますよ、中国東北地方(旧満州)のお料理の数々。生ビールに白酒(ばいちゅう)、メンバーが松山三越で選んでもらった餃子に合うというロゼワインもあります。さあ、中国に瞬間で移動できますぞ。

絶妙な歯ごたえの豚耳。香菜と山西省の黒酢が合います。

新年でってことかな? エビ。 

凉粉かな。デンプンで作るプルプル系。ほぼ日本人は多分、初めてかな。おきゅうとではありません。似てるけど。

素朴に揚げた花生。でも、美味しいんだよねえ。

日本の浅漬け的な? おひたし。柚子がたっぷり。
 
持ち込んだ「八海山あわ」と共に酸菜。ちょっと酸っぱい白菜と豚と春雨を炊いたもの。吉林省ローカルなんだそうで。薄味で美味しい。

山西省の黒酢と共に豚ニラ炒め的な。

こちらが名物「水餃子」。言うまでもなく手作りの逸品。和気入道が初めて食べてすでに35年は経つのですが、変わらぬ安定のクオリティ。冷凍の持ち帰り用もご用命ください。




さらに「烧饼」。焼き餅ではなく、お好み焼きとチヂミとなんかを足して割ったような中国的な粉物です。タマネギと油が効いておいしい。当然、初めての人が多く大好評でした。
さらに豆腐干などもあったのですが、箸をつけるタイミングなく下がっちゃたのかな。白酒が効いてきて、すでに記憶も薄れつつあるかしら。
 
まあ、呑み食いでそうとう盛り上げっているのではありますが、なにしろ我々和気御一行様以外もそうとうなもんです。まさに「天国に一番近い」カラオケ喫茶状態。命名!「山越の小梅太夫」を筆頭にガンガン曲が予約されていきます。しかも、フロアはダンスゾーンと化し、和気だけ見知らぬお姉さんに引っ張り出されまして。調子っぱずれた演歌でチークまで付き合わされる始末。ステップとか全然わからんぜ。
まあ、そんな盛り上げりが続く中、けっきょく4時間もおりました。居心地がいいといえるのか。参加メンバー全員の総意を確認したわけではないんですが、「こういう世界があるんだ」「こういうものアリ」的なコメントが多く。まあ、勉強になった部分も往々にしてありました。
 
翌日、置いてた車を取りに行きまして、ママとちょっとお話。「次は休みの日に貸し切り状態でしようかねえ」(意味的に)とのこと。気を遣っていただきました。さて、次回の参加者を募りたいと思います。中国の家庭料理を所望される、和気にご縁のある方もない方も、お声掛けくださいませ。
 
でもね、異空間というか亜空間というか、なんか変にクセになりそうなクラブも捨てがたいような。
 
 
 
 


 
 

愛媛県今治市東門「ナマステ食堂」【わけししょうロケ】食べ呑み放題

2019年12月24日 | 食い呑み

12月は忘年会シーズンでありまして、年の暮れということで内臓が乱痴気騒ぎという御仁も少なくないと思われますが。和気入道的には年末年始につきましては、考え方を変えております、ここ数年はね。まあ、往々にして、特に大したこともなかった一年や都合の悪いことや羞恥の極まりは年の末にリセット「忘年」して新たな年を華々しく迎えるのがセオリーなんでしょうが。盛り上がりを年の末に持ってくると。年始は静かに迎えるのであります(実際はそんなことないかもしれんけど)。

この1年について、よかったことを思い起こして讃嘆することとしましょう。新たに取り組んだこと、気づいたこと、挑んでコケたこと、何もなければ無事であったことでもいいですし。イタイことがあれば受容して乗り越えたことを。我が生き様をサラブレイトするのです。そのための宴を年末に連発することといたしましょう。

このように考え方を変更したのは、実は台所事情もありましてですね。お歳暮にしても、商戦にしても、元旦より前がピークになるわけで、物資が豊富な時期に盛り上げてしまおうという作戦なのであります。お刺身だって年内のほうが入手しやすいじゃないですか。という極めて合理的な理由もあるのであります。

 

ということで、この歳末の宴第2弾は初となる「ナマステ食堂」フジグラン今治店でございます。知人からのご提案がありましてですね。ナマステ食堂今治ワールドプラザ店ではランチではよくお世話になっておりまして、以前にもロケしております。ちなみに第1弾は アジアンラサキッチンでございました。エスニックな年末や。ええで。

 
無礼を承知で申し上げれば、フジグラン今治はそうとう静かな環境でございまして。逆に言えば、落ち着きたい方々にはそうとういい環境といえましょう。以前はスパイス王国も同場所にありましたが、とうの昔に消えました。いわゆる「なにをやっても」流行らない結界が張られているのでありましょうか。
 
 




午後6時集合のため、やや早めに到着しましたが、予想通りの店内です。きれいなんですが。静かですよお。対人恐怖症の皆様、お勧め。
 
 
先ほども申し上げたようにクオリティについては問題ないことは重々承知しているお店ではあるのです。しかしながら、ここのところ、多店舗展開を繰り広げている食堂なのです。大丈夫かしら。愛媛エリアのインド料理系は各社の出店ラッシュが続いていまして、お手軽に口にできるのではありますが、凄まじい競合となっています。
さらに言えば、飲食店でのプライスダウンは滅亡への一里塚といった症状といえなくもない。まあ、はっきり言いまして、値段等を聞いたときも今回のチョイスはどうなのかなあ~と不安になっての入店です。
店のスタッフはおそらくネパールの人だと思います。見た目はインドの人と区別なんかつきませんが。インド人的商法な制約だらけの食べ呑み放題かもしれない、との不安もあります。安かろう悪かろうでは悲しいですしね。
 
 
ほどなくメンバーが揃いまして、いよいよ2時間の酒池肉林に突入です。チラシにもあるようにローカルビールはご勘弁、別料金とのこと。めちゃくちゃ安いよねえ。お2人様からご利用いただけます。予約したらしいけど、いきなりでもいいんじゃないかな。ご確認ください。あと、チラシにある年中無休ではなく定休日が設定されているので、お電話で予約したほうがいいかもしれません。
 
写真に残しておりませんが、ドリンクも豊富ですね。生ビール(たぶんプレミアムモルツ)などもありましたが、和気入道的にはネパールラムおよびインドウイスキーで攻めたいところです。ソーダやラッシー割りでいただきましたが、ことのほか美味しくてよかったです。ただし、3杯目から急激に濃いのが出てきまして、それで撃沈。
 
 
スパイシーサラダ、だったっけ。そんな感じ。タンドリーチキンがのってます。生野菜系が際限なく摂れるのは得点高し。


タンドリーグリル3点盛、的なやつ。食べ放題だから、単独でたのめばいいけど、日本人というか貧乏性ゆえのチョイス。マトンが固いけどおいしい。

シシカバブです。これはこれで普及点かな。


すいません。完全に忘れてます。豆やらポテトやらタマネギやらの3点盛。箸休め的かな。食べ放題じゃなければ頼まないかも。


ほぼ記憶にない、たぶんタンドリーチキン。味も記憶にございません。美味しかったはず。はず。


これはマトンの炒め物。日本人向けに辛さを抑えてるので食べやすい。


和気入道がオーダーしたにもかかわらず、何かわすれたカレー。みなさんはおいしそうに食べていたので、そうなんでしょう。どのカレーでもいいんだから、インド料理好きにはたまらない。ほんとに「カレーは飲み物」としていけますよ。



こちらもなにかのナン。プレーンじゃあないような。これは食べなくても問題ないのはよく存じております。
 
記憶の片隅にはエビ料理なんかも食べたような。
 
 
総評としては、食べ放題でなくても十分なのですが、まあ安さの極まりといえましょうか。大袈裟に言えば、本場に行ってもこんな値段じゃ食べられないかもしれません。料理人たちにとってはどんな値段で出そうが、ある意味関係ないですから、特にクオリティを落とす必要もないでしょうし。しかし、営利事業として成り立つのか。ダッチロール現象でなければいいのですが。これで値上げとか企画休止となると、客足が遠のくんだよねえ。
 
飲み会では財布にもそうとうやさしい。連発で居酒屋の宴が続くなら、アクセントとしてもいいチョイスになるかもしれません。
 
また行くか否か。う~ん、しばらく間をおいて考えます。チラシにある「日本人に合う」ってのは、和気入道には合いません。

愛媛県松山市平和通「物語カフェ かまどねこ」【わけししょうロケ】和光幼稚園跡も

2018年11月04日 | 食い呑み

 この度は和気入道のお知り合いからお誘いを受けまして、というか、こちらからお願いしまして、「かまどねこ」なるお店を訪れることにしました。実はちょっと前に地元テレビ局の看板番組「もぎ✖✖てれび」において「和食たかなし」とともに登場したのを視たこともあり、気になっておったのです。

  

銀杏並木はまだ色づいてません平和通りの東。清水小学校・勝山中学校出身の和気入道としてはまさに、かつての庭であります。建物やお店は変わってしまったところばかりですが、雰囲気は変わっておりません。道後エリアに近づきつつ、目に入るのは、このような看板。



A型看板にはお食事メニュー。「物語カフェ」とな。





古民家的な佇まいというべきか、昭和レトロというべきか。城下町にふさわしい店構えですねえ。間違いなく、和気がガキの頃からあった建物なんでしょうが、その頃に知る由もなかったお家なのであります。

 

ではお邪魔しますよ。

玄関戸をくぐって、履き物を脱いで店内に上がります。昔はどの家もこんな下駄箱でしたよね。

 




店内をざっと見渡しますと、カフェスペースは3つあるようです。畳に絨毯敷いてのテーブル席、畳にちゃぶ台の座敷、画像にはありませんが、裏庭を臨める廊下のカウンター席。

 

さらには、本棚に囲まれた図書室があります。

蔵書の背表紙をざっと見た感じでは、演劇関連などが目につきました。正しいのかは判りませんが、和気入道的には、ちょこっと昭和の「前衛」的なモノを感じましたね。今の伊予の田舎町ではほとんど存在しない、和気が東京で過ごした時代にはまだあった、すごい久しぶりの感覚です。ガロとか並んでないかな、と探してしまいました。

 


店内の内装・装飾はいたってシンプル。


 

 

コーヒーをいただきながら、スタッフの皆さんとお話ししまして。時間が流れてお昼時となりました。和気殿はハヤシライス、お連れ様はカレーライスを注文。

ハヤシライスは酸味が効いており、タマネギが際立つ感じ。





カレーは雑穀米仕様となっております。なかなかの辛さとのこと。



サイドのサラダは作り込まれておりまして。ピクルスとか小技が効いてます。お値打ちあります。



こちらのメニューはお持ち帰りもございます。ご利用されてたお客様もありました。

 

 

店内奥の廊下カウンターから見えるお庭はこんな感じ。

 

 

ところで「かまどねこ」と称するからには、灰だらけの猫がいるのかと思いきや、どこにもおりません。ネコの置物はおりましたが。

お話しによると3匹の猫が庭に現れるとのことでして。飼っているのではなく、地域に住んでて居流れてくるようです。けっこうな時間が経ったのですが、なかなかお目見えがありません。それからしばらく時間が流れて………………………

 

 

音もなく、鳴き声もなく、来ました来ました。なかなかの太々しさをまとってます。

もう1匹来てくれたのですが、すぐに立ち去ってしまいましたので、カメラに収めるに至りませんでした。

猫カフェとは違って触れ合うことはできませんが、これはこれでありでしょう。このカフェの戦略なのか、長時間滞在を可能とする仕掛けが出来上がっているような。知人との語らいもいいですが、単独で来てねばることができるのが売りなのかも。そういや、昔の喫茶店での基本でしたねえ。なんか、いろんな感覚が懐かしさと共によみがえってきた時間でした。

 

 

然らば。

「前衛的」な表現をば、してみました。物語第一幕はこれにて暗転。

 

 

 

このカフェは近くにある「シアターねこ」が運営しています。松山での劇場というか芝居小屋はほとんど縁がありませんでしたので、帰りに見せていただくことにしました。そこはね、和気入道がとてもよく知ってる場所なのであります。

和気入道の幼少のみぎり、就学からすでに40星霜をも数えるに至っております。その頃に戻る機会に恵まれましたので、ここに記すこととします。場所は松山城の、ホントの直下にある「和光会館」という場所であります。昔々は「和光幼稚園」がありまして、和気入道は卒園生なのであります。ことの次第は存じませんが、かなり前に幼稚園が閉鎖されたことは聞き及んでおりました。といっても「少子化の波なのかな?」くらいで、特に思うこともなく、時が流れていくだけでした。ここで物語第二幕があけることに。

劇場がある建物は和気がいた頃にはたぶんなかったはず。でも、外されていない和光幼稚園の園璋エンブレムはなんだか誇らしげな感じ。見せてもらった劇場は意外と本格的です。むき出しのコード類やペンキを塗ったくったような壁も、これまた前衛。そのうち、なんかの芝居を見に行こうかなあ。

帰る前に元園内をぐるっと見てみました。走り回っていた運動場は駐車場と化してましたが、こんなに狭かったかなあ。プールや動物が飼われていたゲージもあったのに。赤バラ組の教室はほぼ当時のままで、虹色の送迎バスから降りて園内に入る裏の鋼鉄製の扉もそのまんまでした。閉ざされてた記憶が、思い出が、よみがえるよみがえる。

 

黄色い肩掛けかばんには。シールを貼る出席簿に、ポケットティッシュなんてなかったから折りたたんだチリ紙、アルミでできた「サンダーマスク」の弁当箱だったなあ。

弁当を持ってこれないときは現金を握ってパンと牛乳を注文したんだよねえ。

初めて「せんせい」って呼ぶことになった先生は、実際はそんなに歳じゃなかったのかもしれないけど、すごくおばさんに思えたなあ。

当時、近くのPTA会館で楽器の演奏会があって、舞台の上での木琴を演奏で、演奏が始まる直前にバチをかたっぽ落っことしたけど、拾うことができなくて、うろたえることなく片手で演奏したんでして。和気入道の初ライブ、後のバンドを始めるための原体験だったのかもしれない。

 

なんかいろんなことを思い出しました。まさに人生劇場! 酒が入ってたり、メンタルが過敏なときだったら、涙が止まらなかったかも。卒園生の皆さん、お時間があればかまどねこ共々、お訪ねください。まだ、当時を感じることができますよ。

 

 

かくして、「物語カフェ」は和気入道にとっては時空を超えて強烈に作用しました。他のお店では絶対に体験できませんからね。さらにクリエイティブな刺激にもなりました。何かを表現したくなったよ。

 

 

 


愛媛県松山市道後一万「和食たかなし」【わけししょうロケ】夏の宵編

2018年08月14日 | 食い呑み

「おはよう」とか「こんにちは」などから「暑いですね」があいさつになり替わってしまっております2018年の夏であります。

どうやら天をつかさどる雷神や龍の類が新米なのか、雨の量や暑さの調整が慣れてないようですね。天災により死者を続出させるのは死神の仕業でありましょうか。しかも日本愛媛どころかアジア各地、世界各国でもそんな天候のようです。

毎年のことではありますが、和気入道一家の夏は「海」が基本となります。適度な日焼け、海水に浸かる、海気を受ける、海での食事、海の幸を喰らう、などの行為によって夏を乗り切るのであります。地元の和気浜は徒歩で攻略します。それだけでは飽き足らず、愛南などにも足を延ばします。

さらには、食にその年々のトレンドがありまして、頻繁に食卓に供されるメニューがあったりします。豚汁だったりゴーヤだったり甘唐辛子の年もありましたねえ。それらを積極的に摂っていると信じることで、夏バテに備えるのであります。今年は強いて言えば「握り飯」でしょうか。ワカメを混ぜたり、海苔を巻いたり。お茶碗ご飯では食が進みにくくても、rice cakeにすれば食べやすいですからね。海にも持っていくこともあります。

とはいえ、数年ぶりのこの酷暑。立秋過ぎても立ちくらみがしそうな熱気には、さらなる対策を……………………

身体の内側から涼をとるのがよろしいかと。お盆の仕事場は閑散としておりまして、上司に早退を願い出て受理されました。早めの店仕舞いし、着物を身に纏って家人と「電車 de go」と致しました。向かうは道後一万「和食 たかなし」であります。かなり久しぶりとなります。 

 

JR予讃線から伊予鉄道環状線に乗り換えます。おやまあ、子どもの頃に乗ってた車両がまだ現役です。内装がウッド製ですから、よく考えたらこちらのほうが高級なのかしら。重厚な仕様となっております。

 

 愛媛道後の端っこに位置する「たかなし」に到着です。

道後のまちは夜の帳が降り、ガラスに映る店内は涼を摂りながら各々話が弾んでいるようです。なかなかの盛況ぶりです。

 

2人連れなのですが、テーブルではなくカウンターに陣取ります。家人ともども、この一枚板がお気に入りなのです。

どうですか? まさに「竜の眼」の如し。

 

 

本日のおすすめはこちらです。さあさあ、なにをいただきましょうか。迷ってしまいますねえ。

 地元食材押しです。豊富な魚介、夏野菜に目が行きますねえ。

 

まずはビールです。でも1杯だけです。腹が膨れるのと、和気入道的にはビールは魚介には合わないのです。

 

 

お通しにも涼が盛られてます。ゼリー状に冷やされた出汁にオクラとエビ、梅肉ソースをちょいと載せて。

 

 葉脈が際立つ大葉が帆の如く。するめいかの刺身です。

歯ごたえはスルメまんまなのですが、すご~くねっとりしてまして。なんかコウイカ系みたいです。和気が知ってるのとは全然ちがうぞ。もちろんたいへん美味しいのですが。

大将に訊いてみると「するめいかでも大きいのは~」とのこと。

 

夏といえば、これは外せない、「鱧」。

 

添えられているのは、左からソーメン瓜、イモの茎、トマト。いいアクセントとなってます。

 

梅肉でいただきます。細かく引かれた骨、程よく締まった身とゼラチン質の皮、大将の腕の良さがモノをいいます。観光で来られたみなさん、ぜひどうぞ。

愛媛は鱧の一大産地でありまして。関西方面に供給されているとのことです。でも地元ではそれほどメジャーではありませんでした。おそらくですが、いかつい見た目、骨切り処理がめんどくさいことや旨味があんまりないことからか、家庭の食卓向けではなかったのでしょう。和気は子どものころからよく食べていて、なんでかなと思ってましたが。今では伊予双海などが特産品としてアピールしています。ポン酢や辛子みそでいただくのも良し。かば焼きや揚げ物も美味いんですよね。

 

 続いてもご当地系、夏野菜の代表格であります茄子です。愛媛西条の絹皮茄子を揚出し、とろろをぶっかけております。鮮やかな彩りがいい感じ。

愛媛では「松山長茄子」と米茄子系の「西条絹皮茄子」などが特産でございまして。茄子好きにはたまらない逸品です。季節的にこれからどんどん美味くなっていくのです。和気宅では嫁がドンドン食ってますが。

 

 ちょっとコッテリ系もいきたいところです。

こちらは「新じゃがの明太子のチーズ焼」。

 さらにグランドメニューから「だし巻き卵」も。

 

さらに青ネギの白身巻とアスパラの揚げ物、塩でいただきます。

いやあ、なかなかのガッツリ感。なんか涼を摂りにきたというより、スタミナをつけにきた、という様相を呈してまいりました。

 

口直しに「モズク酢」なぞ。

ほぼ満腹とともにオーダーストップ。 なんか成り行きまかせのメニュー構成でしたが、それもまた是。

このお店の特徴は、地元素材・季節感満載の本格的な和食を肩ひじ張らずに居酒屋感覚で楽しめるところにあります。このblogの影響力ではどうにもならないでしょうが(笑)、愛媛観光の隠れスポットになり得るポテンシャルを持っていることを世界で初めて指摘しておきます。

そういやここんとこ、和気入道の交友関係はえらく希薄でありまして。県外の人間を連れていきたいなあ、と思っても、お連れできる方が見当たりません。誰かご一緒しませんか。お勘定もお願いできれば、と思います。

 

 

 

 


愛媛県松山市北条辻「シェ・タチバナ」【わけししょうロケ】

2018年06月12日 | 食い呑み

愛媛県松山市最北部は平成の大合併前は北条市だったのです。今となっては小さなエリアともいえます。和気入道的には幼い頃から馴染/愛着がある地域なのであります。「風早(かざはや)」のまちであり、渥美清さんがお忍びでよく訪れていた鹿島を臨む海とおいしい水を育む高縄山系、イベントが行われたりするレトロな街並み、ほかではないような産品やキラリと光るような飲食店があったりで、こじんまりとはしていますが、なかなか魅力的なエリアだと思います。今後このブログでも紹介することになりそうな候補も少なくありません。

北条エリア第一弾として、これまで来訪したことがない、本格的フレンチ? のお店である「シェ・タチバナ」に行く機会を得ることになりましたので。以前からその定評は聞き及んでおりましたが、敷居の高さもてつだってなかなかチャンスがありませんでした。

予約が吉であるとのことで、数日前に電話します。人数と日時、オーダーするコースをを伝えます。あえて、最安の1800円コース(税別)をお願いしました。アレルギーや苦手な食材の有無を確認がありました。すでに気配りというか店の姿勢を感じましたねえ。

 

さて、その当日。いつも通勤に使っている旧道沿いにある小さな看板をたよりに向かいます。隠れ家的といえばいいのかしら。雨脚の強い梅雨空のもと、駆け上がって足を踏み入れた店内はなかなかセンスを感じさせるような雰囲気を持っています。



広いとはいえない店内ですが、天井が高いため、閉塞感がありません。ドイツ語での表記でしょうか、料理コンテストの賞状とおぼしき額が飾られてます。


オーシャンビューで、右に見えるのが北条鹿島です。夜より晴れた日中がいいかも。

滞在中にじろじろと見ていたわけではありませんし、確認する術もないのですが、ある種の意図や狙いがあるようなお店の造りになっているように感じました。ごてごてしておらず比較的シンプルですが、隙がないといえばいいのか。サービス対応もきちんとしている、ハイレベルなお店といえましょうか。ちなみにお子ちゃまは入店NGとなっておりますよ。

 

そして、お料理が供されます。前菜はこちら。

地元食材をふんだんに盛り込んでいると拝されます。レベルの高い洋食で楽しむことは意外と機会がありませんから、かなり新鮮なインパクトがあります。ガーリックが効いたヒジキ、クスクスと共に供される蛸。



ジャガイモの冷製スープ。こんな機会でもないといただけないでしょうなあ。コクがあってさっぱりしております。



メインは鰆のベーコン巻きポワレ。ソースは聴いたけど忘れました。瀬戸内の海の幸を堪能できましたよ。県外人・外国の人を連れてくると喜んでもらえるんじゃないかなと思います。ワインもいいけど、日本酒が合いそう。



バケット美味し。おかわりすればよかった。



デザートもよかった。今までで一番美味しいプリンでございました。

 

愛媛での最も高価格なランチでした、たぶん。しかし、コストパフォーマンスは非常に高く、満足度も高い。

しょっちゅうとはいけませんが、たまに行くにはいいなあと。家人には黙ってますが、なんかの記念に予約して誘ってみようかな、と。最近は和気入道お薦め食べ物屋コレクションがぜんぜん増えてなかったので、これは貴重なセレクトオプションとなりますねえ。

男性諸氏よ、デートコースにぜひチョイスしてみよう。喜ばれること間違いなし。


 


愛媛県今治市祇園町「コリアタウン」【わけししょうロケ】送別会編

2018年03月24日 | 食い呑み

今年もそんな時節がやってまいりました。そう、日本は全国的に3月は年度末でありまして、人の異動がどなた様のところで繰り広げられるのでありましょう。希望通りに新天地へ赴く場合もありましょうし、年季・定年による退職もあれば、不本意な雇止め等もありましょう。和気入道を取り巻く仕事場にも、そんな風が吹きまして、諸氏との離別が到来したのであります。

 職場全体の送別会の開催はありました。まあ、こう言っちゃあなんですが、すこぶる形式的儀礼なんですよね。致し方ないんでしょうが、個人の想いや共々の思い出が深く共有できる場とは言い難いのであります。色んな意味で、しんみりするのが難しい。(そんな悪い意味ではなく)邪魔な奴らもいるわけで、そっちあっちに気を遣いながらではセンチメンタルにもなれねえ、ってもんでしょ。

ということで、和気入道の所属セクションだけでの送別会なんぞを企画実施することにいたしました。今回は、正確に言やあ「祝別会」ではなく、「惜別会」ってとこですかね。和気の流儀として、言葉などだけではなく、設ける宴席に惜別の度合いというか、想いを反映させるのであります。つまり、適当でいい場合は他人任せやおざなりで済まします。

しかし今回は、「私の手向け」として史上最大の謝恩を示すべく、和気入道渾身のチョイスとしました。今治の地を去る方向けであり、未体験ゾーンへの突入となる方向けともなり、全員の舌をなるべく満足させることができそうなお食事処としては、今治市祇園町にあります、「コリアタウン」での一席としました。コリアンタウンちゃいまっせ、コリアタウンでっせ。和気入道の経験から導き出せる法則として、「街(まち)」を冠する店名のエスニック系に当たり多し! なのであります。

 コリアタウンは本ブログでは度重なる登場となり、「またかよ」とか「店側の仕込み?」とかの感想を誘発しているかもしれませんが、単に「大切なことは何度でも謂う/取り扱う」だけのことであります。お店の評価であっても、夫婦間であっても、子育てでも、(和気入道的)習い事でも、大切なことは繰り返し繰り返し口にする、のであります。聞いてるほうは「耳に胼胝(たこ)ができる」ことになりましょうが、メッセージを発しているほうは、「聞くだけではなく、行動を変えてほしいんだよね」と願っているのです。まあ、平たく言えば、ぜひとも一度は行ってみてはいかがでしょうか、ことです。

 

 今回は9人での利用となります。2週間くらい前に電話で席を確保します。やや迷ったんですが、予約の段階でオーダーはせず、現地でのメニュー決定としました。また、送られる方はどなたもお酒を呑まれないので、和気の提案でアルコールのない宴席という、和気入道史上初となる、誰も酒を呑まない宴席の企画となりました。まあ、食事会ってことですが。よくあることですが、主賓よりも酒飲みの都合が優先されて、本来の意義が薄れてて、どっちが付き合ってあげてるのか、わからなくなってることって、ありませんか? 

 

さて、当日を迎えまして。

今回のオーダー。参加者に食べてもらいたいものが多すぎなんですが。牛プルコギ(麺で〆て)、石焼玉子むし、タコ・イカ・チャンジャ3点盛り、韓国おかず4点盛り、チヂミ2種、韓国海苔巻きを適量でfirst order。白菜キムチと韓国海苔はサービス。

 

  

安定のquality、コリアタウンの牛プルコギです。焼肉とすき焼きの中間的な感じもしますが、ジンギスカンに近いかなあ。野菜とのバランスを考えると、焼肉よりもこちらかなあ。白ご飯でもぜんぜんいけますけど。

 



  

玉子の「蒸し」となってますが、正確には「玉子の石焼」というべきか。絶妙のバランスで溶かれた卵がドロドロの状態で供され、かき混ぜると、みるみるうちにふわふわに変化(へんげ)していきます。玉子焼きと茶碗蒸しのいいとこ取りといったかんじでしょうか。熱々の優しいお味。和気は「茶碗蒸し」の水っぽい? 食感がそれほど好きではありませんので、これはおいしいと思いましたねえ。出されてから20分以上経っても、まだ熱っせられてますよ。どんだけ高温なのか。



  

存在感満点のチーズチヂミ。コリアタウンではチーズメニューが少なくありません。惜しげもなくぶちまかれたチーズは韓国料理っぽさと一線を画すかもしれませんが、これはこれでアリです。



  

こちらは韓国海苔巻きです。お寿司屋さんのとはチト違います。酢飯ではなく、白ご飯と韓国海苔で具が巻かれています。これもなんか優しいお味なんですねえ。日本人には新しい感覚で楽しんでいただけるんじゃないかなあ。

 

アドリブ的なオーダーで、お店的にはたいへんだったかもしれませんが、開店一番であったため、どれも早く出てました。ノンアルコールビールとウーロン茶で乾杯。しかしまあ、完全なお食事かっこみモード全開です。あんまり会話もなく、黙々と喰ってます。みんなピッチはや! これじゃあ、単なる晩ご飯じゃあ、あ~りませんか。

とはいえ、1時間近くもすればだんだんペースもダウンして、色んな会話が弾みます。気がつけば3時間もの席となりました。楽しい時間が共有できたとすれば、和気的には大成功といえます。しかもお値打ち価格がまたうれしいのであります。

 

 

酒飲みには、これだけのqualityを酒なしでは、あまりにも寂しい、寂しすぎる! となります。しかし、ご安心ください。コリアタウンは持ち帰りアリアリなのです。また、この美味しさをお土産として家族と共有できます。和気宅では家人のリクエストで「キュウリキムチ」(オイキムチではない)を2つ持ち帰りです。参加された皆さんも、お気に入りをご注文。

 

  

これもリーズナブルです。しばらくはこれで楽しめます。しょっぱくないキムチをお探しの方、一度お試しください。

 

和気入道としては、韓国料理とは日本の人にとって、中国料理とは違った位置にあると思うのです。エキゾチックな半島料理の数々についてはエスニック料理の一端としてわかりやすく存在しております。焼肉文化については日本の物として完全に同化しています。カレーやラーメンと同等かもしれません。発祥の地は日本ではありませんが、日本で独自の発展を遂げて、食卓には欠かせない日本料理といえるでしょうか。

さらには、料理の味付けなどについて、日本人が美味しいと感じるものを韓国の料理は持っているのではないか、というような印象を持っているのであります。なかなか表現しにくいのではありますが、和気の経験ではそんなことを思うことが何度かありました。以前にソウルでいろんなものを食べたのですが、一番よかったのが、唯一日本語が通じなかった食堂でのトンカツ定食と海苔巻きだったりしました。また、松山でオムライスや焼き飯が美味しいお店があったのですが、半島系の味付けだったのではないか、と。関西や東京のお店でも同じような体験が何度かあったように思います。明確な証拠のない、和気の個人的に感覚なのかもしれませんが、日本人に合う、優しい系の味付けが少なくないのかもしれません。

 

 


愛媛県今治市北宝来町「喜多方ラーメン麺小町」【わけししょうロケ】今治麺事情も

2018年01月10日 | 食い呑み

日本を各地方に分けたとき、四国エリアはおそらくインフラ整備では全国で最も後に置いていかれていることは間違いないでしょう。産業的にも経済的にも本州等に後塵を拝しているでしょう。それでも、遅ればせながら高速道路もそれなりに整備され、基本的には空いているので対面通行以外は走りやすく、気持ちいいドライビングができます。くれぐれも飛ばしすぎにご注意ください。

されど、愛媛をはじめとして四国を旅するには鉄道もお薦めなんです。和気入道自身は熱烈な鉄道愛好者ではないのですが、通勤で予讃線を利用するときもあり、その風景や行程に魅力を感じているのであります。松山今治間では単線で運行されている区間が多く、日中は線路を走るというより、目の前の緑をすり抜け、木々の中に飛び込んでいくような独特の迫力があります。天気がいいときは瀬戸内海の青さがよく映えます。都会の通勤風景とは違って、旅程にふさわしいものがあると思います。

 

 和気入道が通勤で使う駅付近にはよくランチタイムにお世話になっているお店があります。それがこちら。

高架を走るは予讃本線、右方向数百メートルで今治駅です。駅とつながっているわけではありません。

本題としましてJRつながりというましょうか、JRのグループ企業が運営してるラーメン屋さん「麺小町」であります。その筋のマニアはすでにご存知なのかもしれませんが、鉄道ファンは押さえておく必要があるかもしれません。




初めて見た人が思うに違いない、四国になぜ? 喜多方ラーメンなのか。理由は定かではありませんが、JR四国の多角経営の先駆け的存在だったような。

うつろなんですが、十ン年前に四国内に複数店舗展開してたはずです。宇和島方面とかにもあったはず。が、淘汰の波をかぶり、松山と高松と、ここ今治が残っているとのこと。昼飯時はかなり盛況なのでありまして、完全に定着している感があります。現場系、ネクタイ族、ご高齢の方、昼呑みのオッサン、などなど。

 


 で、すでに経年の風格漂う店内でありますが、落ち着いた色使いともいえますかね。自動ドアを入るとすぐのところにおでんがあって、セルフでお取りいただくシステムになっています。これは本場喜多方ではあまりないんじゃないかな。四国愛媛ではラーメン屋におでんってのはよくある商品構成ですよ。

 

和気入道が統計的にみると、仕事場から出て外食で利用する頻度が最も高いお店の1つだと思います。で、よくオーダーするのは「Aランチ」(税込み710円)也。日替わりのおかずとラーメン(フルサイズ)、ご飯に小鉢、タクワン。

この日のおかずはささみシソチーズ揚げ? だったかな。ラーメンは選択できます。定番の醤油をチョイス。

 

別の日はこちら。

とり天、ラーメンは味噌。

 

またま別の日はこちら。

から揚げと春巻き、醤油。

かなりのハイカロリーメニューですよね。毎日ってわけではないので、是としておりますが、男性客が多いのもうなずけるところです。もちろん、その他にもいろんな単品/セットのメニューがあります。今治名物「焼き豚卵飯」も完備しております。そのへん、観光の方も満足いただけるようになっております。

 



メインとなるラーメンですが、和気好みの、やや硬めの太平麺です。スープはごくごく普通かなあ。あまり特徴がありません。超専門店とまではいかないのかなあ。チャーシュー(正確には煮豚)はやや硬めですが、存在感があります。

 

 

さて、タイトルにも揚げましたが、今治の麺事情を少々。

愛媛は西日本で香川の隣ということもあり、当然ですが蕎麦ではなく、ウドン文化圏であります。松山等との比較となりますが、今治は意外とうどん屋が少ないのであります。

これは地元の製麺屋の社長から直接聴いたのですが、戦後復興期には当然ながらうどん屋さんが多かったそうです。しかし、商売大好き今治人は考えました。そう、どうやって単価を上げて稼ぐかを。そのため、ラーメンとか蕎麦とか、当時はあまり目にしなかった業態に移行したお店が多かったんだそうです。その結果、うどん屋さんが少ない、とか。

本編とは関係ありませんし、別の機会にも述べることになりそうですが、ここ数年「町おこし」としての、今治ラーメンなるものがはびこっています。塩でレモンで鶏で、って感じの。自由にご商売していただくことにはいささかの異論もありません。ただし! そんなもん改めてぶちあげる必要はありません。戦後から脈々と続く今治ラーメンの流儀が厳然と存在しています。和気個人としては、そちらを尊重するほうが絶対にいいと思うんですけどね。

で、本編で取り上げました喜多方風? ラーメンなんですが、こじつけていえば限りなくうどんに近いとも言えなくもない。西日本愛媛のローカル都市でも受け入れられた要因はもしかすると、そんなところにあるのかもしれません。


愛媛県松山市道後一万「和食たかなし」【わけししょうロケ】新春編

2018年01月07日 | 食い呑み

誰に向かって宣(のたま)うか、まあ内なる声としての宣言ではありますが。

 

昨年はいい年でありました、が。本年はさらにいい年とすることとします

 

このロケに目を通してくださっている皆々様にも、そうあっていただきたいと祈念するものであります。

 

 

正月気分なんて年々薄れていく日本の片田舎、和気入道宅にたくさんのお花が来ました。知人からいただきました。

 

 普段は華がない和気であっても、正月を実感できる気分になりますなあ。

 

 

でもって、家人と2人で正月後半のイベントとしまして、和食「たかなし」へ行くことにしました。電話して営業中を確認。家から伊予和気駅まで徒歩にて移動。JR予讃線に乗って松山駅下車。伊予鉄道路面電車「道後温泉方面行き」に乗り換えます。上一万電停で下車して到着です。時間と手間がかかるといえばそうかもしれませんが、車での移動では味わえない行程も楽しみの一つだと思います。都会だと徒歩&電車移動が普通だし、田舎者の脚力の衰えとかにも影響あんじゃないかなあ。

 

寒さ暗さもなんのその、約1時間の旅程の先に……………

とっぷりと日が暮れた闇に浮き上がる暖簾が和食「たかなし」です。ランチライムに一度お邪魔したことは当ブログにupしておりましす(こちら)が、夜の部については初めてロケとなります。ランチのクオリティから、夜の部についてもかなり期待しての来訪です。

 

木をふんだんに使った店内は落ち着いた感じであります。すでに2組がご来店。テーブル席に腰を下ろします。

 

まずはお飲物ですが、こちらの芋焼酎をチョイス。特に理由はありませんが、なんとなくお正月っぽいタイトルではありませんか。普段はまったく縁起を担がない和気ではありますが、さて本年は宝の山に巡り合えるでありましょうか。否、さにあらず。置かれている現在只今の場所こそ、宝の山也。眼目開けば自ずと判り候……………と。

説法はこれくらいにしておきます。

 

 

お通しがこれまた賀正度満点ですよ。

栗きんとんにカズノコであります。造り込んだおせち料理をいただける気分になれました。

そういや、このお店とは全然関係ありませんが、割烹とかがすんごい値段設定の限定予約でおせち料理をやってるじゃあないですか。あれって全然儲からないんだけど、季節のサービスでやってるんだとか……………とある人が謂ってました。

 

 本年の大願成就も祈念せず、とりあえず乾杯。

本日のおすすめはこちら。季節感全開の野菜と地元産が多いと観た魚介が多くエントリーされています。見所勘所を解説したいところではありますが、字面だけでは判断できません。さて、何をいただくことにしますかねえ……………

 

 まとめて頼まず、展開によって臨機の応変するのが和気流でありまして、まずは家人の希望にて、モズク酢とイカの塩辛なぞ。

肉厚ではない小振りなイカではありますが、 久しぶりにキチンとした塩辛をいただきましたよ。素材の鮮度の良さと活かす腕がないとこの味は出せません、ハイ。こりゃあ、日本酒がいいなあ。

 

さらにイカ。モンゴイカのお刺身でござい。

 

和気入道一家としてはシュッとしたスルメ・剣先系も好きなんですが、ぼってりしたアオリ・紋甲系がさらにお好みです。お味はもちろん文句なし。

特筆すべきなのは、こだわってんなあ、と感心したワサビです。絶対に大事です! と声を張り上げたい。愛媛では土地柄、新鮮な刺身は年がら年中いただくことは難しくないのですが、安いわさびを供するお店も少なくありません。それではせっかくのいい素材も活きないのであります。某CMの「味はわさびできまります」はあながちウソではありません。ただし、その商品レベルでは物足りませんがね。

 

 

 さて続いての「本日のおすすめ」からのチョイスはこちら。何か判りますか?和気も初めて見ましたよ。

 

こちらは「つくねいもの磯部揚げ」でございます。海苔で包んだもっちり感がある芋を揚げ出しでいただきます。ホントに、餅みたい。

こういう包み物って、縁起物なんですよ。子宝運や金運につながるって、これは中国の慣習ですか。ま、日本でも通じることにします。

 

 

でもって、続いては焼き物でいきたいとの意見になり、大将に訊いてみることに。「サワラが美味しいですよ」とのこと。

和気殿の中では選択肢に挙げってこない、意外なお薦めです。まあ、そういわれるなら、注文しましょ。

で、けっこう時間がかかって供されたのがこちら「鰆のカマ焼き」。このサイズだとかなりの大物。瀬戸内では非常にメジャーですが、カマは食ったことないような。

一口いただき、 おお!!! こ、これは………………… 

今回のチョイスでは一番だった、というか驚きの美味さです。いやあ、これはいい。

カウンターの奥に鎮座するオーブンに見入ってしまいましたぞ。いい仕事してんなあ。

 

 

さて、バランスなんて考えずのメニューチョイスが毎度なんですが、煮物を頼んで気が付けば、一応はコース? みたいになってしまいそう。で、お次はこちら。

ふろふき大根。言うまでもなく、冬の定番です。これまたおいしい。

 

 

ここまで来れば、締めもいきますか。ご飯物って、ほとんど頼まないのですが、今回は好きなのがありましたので。

「貝柱土鍋飯」です。オーダーが入ってから炊くので、こちらもお時間をいただきます。

炊き立てを女将に盛ってもらいます。ただし! ただの貝柱じゃあございませんぜ。これぞ、愛媛ならではの、この時期ならではの、お楽しみ。そうです、アコヤ貝柱の炊き込みご飯であります。これ、大好き。

真珠養殖が盛んな愛媛らしい、でも実はけっこう珍しく、以前は養殖している人だけが真珠の浜上げの時期に食べられる役得みたいなものでありました。和気もえらい以前に真珠をやってる人に頂いて、その美味しさに驚いた記憶があります。それが流通するようになってきたのですが、まだあまり知られてないかもしれませんねえ。旅人風情にはお薦めですよ。

 

ということで、新年早々の大盤振る舞いとなりました。いや~、満足度高いですよ。

 

 

後ろ髪、惹かれるものがありましたので、備忘録的に記しておきます。なんかねえ、我々以外のお客さんが洩れなく注文していたのが、「あったか寄鍋」でした。すごく美味しいんだとかで、となりのおじさんは残った野菜まで持って帰ろうとして連れの方に止められてました。けっきょくお持ち帰ってました。う~ん、そんなに旨いのか。次回以降の宿題にとっておこうか。


愛媛県今治市上徳「チャイナダイニング彩鳳」【わけししょうロケ】シェフにお願い! 特別オーダー第2弾

2017年11月13日 | 食い呑み

以前にも触れましたが、愛媛今治は福建シンジケートがありまして、その系統の中華料理屋がたくさんあります。たどればみんな親戚筋とのことですが、和気入道自身が確認したわけではないので、確証はありません。すでに地域になくてはならない存在であり、市民の胃袋を満たす役割を果たしています。焼き鳥や焼き豚卵飯が目立ちますが、これも今治食文化を一翼を為していると指摘しておきます。

特徴としては、いわゆる日本独自の「中華料理」ど真ん中で、日本の方どなたにも受け入れられるメニュー構成となっています。例えば、中華丼や餃子定食、天津飯、八宝菜、チャンポンは取り揃えております。言うまでもなく、福建料理とは似ても似つかないのであります。それはそれとして価値があります。もちろん、和気入道もよく利用しており、このブログ内でも紹介しております。

中国に多く行っている和気としましては、やはり本場の中国料理が恋しくなることもあります。中国に行かれた日本の方はご理解いただけると思いますが、中華料理と中国料理は似て非なるものです。中国料理とはカテゴリーとしてはエスニック料理といえるかもしれません。東京などでは明らかに在日華人をターゲットにする現地100%のノリでやっている飲食店がありますが、愛媛ではなかなか難しいものがあります。まあ、未知の文化ですから仕方ありませんが、日本の人は中国人が中華丼を食べていると思ってるでしょうかね。

胃袋ホームシック? への処方箋がここにあり。毎度お世話になっております、今治は上徳にあります彩鳳さんであります。 表メニューも愛好しておりますが、久しぶりにわがままオーダーをお願いしました。備忘録的に展開することをご了承ください。今回は5人での席を設けることになっております。ついついたのみすぎてしまうのですが、余れば持ち帰りにすればいいだけのこと。

 

まずはこちら、「清蒸鱼」です。薬味をたっぷりぶちまいた醤油ベースの蒸した鯛です。あえて魚種は伝えず、お任せしました。愛媛の真鯛は養殖物、旬の天然物ともすばらしく、中国料理では比較的アッサリとした味付けにはピッタリです。いきなりのメイン登場といった感じです。

 

 

さて、こちらは「红烧茄子」。前回とは作り込みが異なり、茄子以外の野菜も使われています。定番の麻婆茄子とはちょっと違うんですねえ。肉が使われておりませんが、こちらも日本人に合うと思います。

 

今回お願いしたメニューで「梅菜」が入手できないため、シェフが代わりに出してくれたのが「卤猪肉」です。豚スネ肉の蒸し煮といえばいいでしょうか。いや〜、日本でお目にかかれるとは! 感激ですね。プルプルフワフワの箸で切れるような柔らかさ。当然、連れの皆様もビックリ。角煮とは違う美味しさです。山西省の黒酢も出していただけるので、心はすでに大陸にあります。

 

 

出てくる順序がちと違うような気もしますが、続いては「西红柿鸡蛋」と「蚝油生菜」。字ヅラでは判りにくいかもしれませんが、トマトと卵の炒め物とレタスのオイスターソース炒めです。トマトを主としますが、イタリアンではなく、れっきとした中国料理です。絶妙の火加減で調理されたシンプルでごまかしが効かない定番です。加熱用のトマトではないですが、十分に満足できます。レタスも食感を残して素材の旨味も堪能できます。



写真にはありませんが、さらに「土豆丝」(ジャガイモの和え物)、前回と違って胡麻みそ仕立ての「丸子砂锅」(肉団子鍋)、「烧饼」(焼き肉マン?)をいただきました。

日本の人には異国体験、知ってる人にはノスタルジーを。という感じで今回も大満足でございました。さて次回は何をお願いしましょうか。

でもね、グランドメニューも美味しいものがたくさんあります。まずは定番から攻めて、複数回通っていただいてお店の人とお話が進むようになってからのステップとしてお薦めします。