7月の第3月曜は「海の日」です。ここ最近にできた国民の祝日ですね。といっても何が狙いか、よく解らないとも言えなくもないのですが。和気入道発祥の地であります和気には海があります。和気海岸は旧松山市北部に位置し、堀江海岸と連って砂浜を形成しています。松山とは松が多いことに由来しているとのことですが、和気海岸の松林はその真骨頂といえましょう。古くから海水浴や釣りで市民に愛好されています。大幅な改修工事を経て、トイレなども整備されました。静かな波に松の緑と瀬戸の島々を展望できる風光は五感でぜひとも味わってほしいものです。地元民はボランティアで清掃活動をおこなっており、バーベキューや花火の後片づけをしない人間的闇と闘っております。昔の話でいえば、隣接する堀江海水浴場に面していた南海興業さんには虎や豹が飼育さていて(イヤイヤほんとに)、ガキの我々は海に泳ぎに来ては普通に猛獣を見ていた思い出があります。また、和気漁港の堤防は松山市内屈指の釣りの好ポイントだったのですが、どんどん釣れなくなっています。
私が和気入道と称してこの地に遊楽しておりますのは、この潮気に独特の効能があるとの師の教えにあります。中国は晋国(山西省)祁県の王師がこの地を訪れた際、「大海の気を受けて練拳せよ」との御託を受けました。その後に「和気功」としてごく一部の愛好者が集っています。これについてはまた別の機会に。
さて、話は戻りまして。今回で10回目となる「大声大会」が開催されました。よくあるような愛を叫ぶイベントではございません。れっきとした防災対策の一環なのです。
ずらっと並んでいるのは、地元和気公民館館長以下、国県市の議員および秘書、行政担当、地元各校校長、警察消防、地元企業などのお歴々です。
大海参加者は地元の町内会・自治会別にチーム編成した地元民と、地元小中学校および特別支援学校の通学生などです。その他、ギャラリーとしてチームには参加しない地元衆です。来賓はえらくお堅い皆さんですが、参加者はかなり牧歌的というか呑気な印象を受けます。
消防艇もデモンストレーションで、盛り上げます。といっても、放水が届くほどでもないのですが。間近に見れば迫力あるんでしょうけど。海岸や離島では必要となるのでしょうか。こんな機会でもなければ、配備されていることなんて知ることがないでしょうね。
地震が体験できます。子どもたちにはプチアトラクションと化してますが。
で、こちらが大声大会本番です。集音マイクの前で絶叫します。ただし、愛を叫ぶのではなく、災害に関するワードに限定されています。「津波だ! 逃げろー!」「火事だ! 逃げろ~!」で占められます。言いやすいのは火事の方です。なので、防火イベントとなってます。
老若男女がとにかく叫びます。測定がアナウンスされ、ボードに記録が書き込まれていきます。
その参加者は引き続き、こちらの競技に参加します。消火器的あてです。
数十メートルを消火器を持って走り、ピンを抜いて火に見立てた標的を狙います。ターゲットを倒すと走って戻ります。これまた、ゲーム的ではありますが、消火器を扱う機会というのも貴重といえます。
お遊びといえば、その通りなのですが、継続して開催し参加していると、無意識の領域に刷り込まれるものがあるのではないか、と思います。いざというときに大声を出すことがサバイバル・防犯では生死を別けることって、じゅうぶんあり得ます。消火器についても同様です。和気も経験がありますが、操作を練習していないと本番ではなかなかスムーズに扱えないものです。
その他、地元の和気小学校の水軍太鼓部による演奏などがあります。まあ、公共のお手盛り的な内容ですが、それ以外に参加者の楽しみがあります。これがこちら。並ぶテントに人が集まります。
カレーライス(ビーフ)とお冷が無料でふるまわれます。はっきり言って食べ放題。福神漬けも添えられてます。
地元婦人会の皆さんが大鍋で大量に仕込みます。以前、加勢した家人によりますと、意外と自由な造り込みとのことで、カレールーも複数種をぶち込んでたとのこと。お母さんのカレーと称するにふさわしい、具だくさんのビーフカレーです。辛くはないですね。スライスられたニンニクが入っており、作った人のこだわりが感じられます。
さらにカキ氷も食べ放題。シロップも4種類くらい、お好きなものを言ってください。
それほどサラサラの氷ではありませんが、炎天下にはありがたい。今回はレモンでいただきました。子どもたちは大喜びです。
海水浴場でありますので、地元民以外も来ています。で、こちらの炊き出しの列に遠慮なく並ぶことができます。終盤にははかすために浜で呼び込みさえされます。次回以降、ご利用ください。ただし、大声大会開催時間中は車両が海岸線には乗り入れできません。
集客のための飲食提供という役割は当然あるのですが、これまた防災減災の側面も持っているといえます。災害時の炊き出しや食材の手配や調達ルートの確認など、表面には視えない訓練になっていると思われます。これだけの規模で定期的に開催されているのも珍しいのではないでしょうか。翻って家族レベルでの災害時対策もアウトドア・キャンプが基本となるわけで、和気一家ではこの夏も勤しむのであります。
次回は、揚げたてのトンカツと練乳を持って行きましょうか。