とこのへや

とこの雑貨と、とこのお洒落着。とこは樺太に住んでいたことがあります。とこの嫁の体験談、日記、備忘など。

清書。

2019-08-05 01:04:37 | 雑貨
年賀状を渾身の力でもって書いていたのは30代までだったな、と思う。
パソコンがないときは、手書きの干支イラストをペン入れして、ハガキにコピーし、手書きコメントを添えていた。私はもともと、なんか書くの、大好きなのだ。こういう絵ハガキ。

書くの大好きな私はDTPオペレータのはしくれでもあり、そのうち、パソコンを購入して絵ハガキ的なものならデータ作成可能になった。中身のデザイン性についてはともかく、印刷所に入稿できるレベルではデータを作成できる。
パソコンは当時PhotoShopが同梱されてるVAIOを選んだ。写真加工もできるし、書体はそろってないけど、文字も入れられる。息子の写真を多少加工して、そのままPhotoShopでハガキデータを作っていた。住所入り・写真入りの年賀状が、印刷所に依頼せず、家でできるのだ。時には姑 とこ の分も作っていたものだ。

年末、写真をレイアウトしたデザインを作成し、お年玉付き年賀状にプリントアウトしたものに、宛先ごとにコメントを手書きして投函した。
社交性のない私が年賀状に熱く向き合っていたきっかけは、今の会社に入社した時の当初の上司の意向だ。同じ部署の人には全員に年賀状を出すべし、との上司のお達しに、皆が従っていたのだ。制作部は当時でも100名ほど在籍していたので、私は同じ課の方だけに出した。もちろん、やらない人も居たけど。
今なら考えられないことだが、会社も会社で、個人情報たる社員全員の現在住所がリストとなって配布されていたのだ。企業文化、おそるべし。

上司が他部署へ異動となっても、もともと年賀状で年始の挨拶をしていた諸先輩方に対して、いきなり今年は挨拶なしというわけもいかず、その後も続いていた。
そんなわけで例年、冬休みは年賀状作成。

夏は暑中見舞い作成。
子供が小さい折には、暑中見舞いを作成していた。どんなに忙しい時期でも残業せず帰るので、同僚に対し、私は子育て真っ最中で今息子はこんな感じよ、という発信をする意味があったし、お世話になった方には息子の成長を見てもらいたかったので、一方的に会社の同僚や実家・親戚宛てに出していた。
ウザいとおもう向きもあったかもしれないけどさ。
10~12通ほど作成する都合上、やはり年賀状のようにデータを作成してプリントアウトしていた。

ただ、数年して個人情報管理もうるさくなり、社内では「虚礼廃止」とか言い出して、まず年賀状の数がぐっと減った。暑中見舞いについては、年賀状のようにマストじゃなく、息子も大きくなった(そして写真も撮らせてくれないようになった。)
そんなわけで、もう、とんと、出してない、作成していない。書くこともない。

ところがこの夏、先週の金曜日に、かつて勤めていた会社の社長様から、引っ越しましたとの知らせが来た。
 返礼ッ! 返礼を!!
と、思い切り緊張した。
しかも、こんな時なんて書くの?という情けなさ。

この社長様、私の尊敬する人であり、会社にいた時、上京してきた田舎ものに哀れと思ってくださったか、私に対してとても親切にしてくださったと思う。私だけでなく、夫も揃って大変にお世話になっている。

数年前、私の通信制大学卒業、息子も大学進学となった折には、その社長様へお知らせをした。息子が幼い時には毎年クリスマスやバレンタインにチョコレートを頂戴していたし、それこそ年賀状は欠かさず送ってくださっていたのだ。
大学卒業と入学のお知らせには、矢のような返信が、ぱりっとした封書で返ってきた。見覚えのある、とてもバランスのいいペン字で。いつも万年筆使っていらしたなぁ。 子どもが大きくなるのだから、自分が老いるのも当然、といった近況が書かれてた。会社に寄ってね、という内容もあり。 恐縮至極。

心遣いある方からのお知らせに、きちんと返礼できる社会人でありたいもの。しかし私は書くのは大好きでも直筆となると、人さまに見せるほどの書き手ではない。一言で言えばマンガ字。ちょっと学生のころならまだしも、今となっては恥ずかしいかも。
とはいえ、下手くそでも、私のやり方で一生懸命書くことしかできないのだけれど。
いまや旧式となってしまったVAIOを起動し、ハガキを作成してもいいのだが、息子も映った近況画像もないし、求められる内容としては家族写真ではないと思う。

矢のような返信は無理だけれど、土日になんとか、しなくては。
文面を考えて、夫に添削してもらい、ハガキセットの中から良いものを選んで、清書。清書の前に、同じサイズのスペースをノートに設定して、筆ペンで横書きにて文字を置いてみる。文字のバランスをイメージしなくては書けそうにない。案の定、焦って筆が早くなっている。文字の崩れを少しでも整えるため、清書ではゆっくりと留めはねを意識してみた。優・良・可で言えば可、ぐらいの出来だろうが、なんとか、自分で認められるものが書けて、ほっとする。

連日の30度越えの猛暑の中、なんだか、宿題の作文を書く小学生の夏休みに戻った気持ちがした。

姑 とこ のコレクションの中から、美しい夏をイメージした切手を選んで、夫と涼みがてら、日の落ちた環八沿いを歩いてポストに投函した。

先月帰省した折のお礼状を、父宛てに出したいのだが、まだ書いていない。お礼状ならやっぱり直筆だろう。これについてはまた来週!に持ち越しだ。。
また言われそうだな、だからやりすぎだってば、って。
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