EVONY(６) 辞めていくひと

ゲームなんだから。

そうは言っても、パソコンだかスマホだか知らないが、その向こうに生身の人間が居るわけであり。

昨年の６月にストレス解消の為に始めたこのゲームEVONY、
ひと月ほどして同じ同盟の人が停戦協定（シールド）が切れて、すぐに他の同盟のやつらに攻撃された。

皆「あれほど訂正協定を切らしてはいけないと言ったのに」とシールド切れを非難する傾向だった。
（攻撃する方も悪いじゃないか）
ややあって、本人の反撃したいという意志と、なぜシールド切れとなったかの弁明。いじめられて悔しい想いをしたことがある、皆に親切にしてもらえてうれしかった、そして、余命宣告まで受けており、癌で入院する、●●日●●時にシールドが切れ、アカウントは放棄する。ついては自分の持っている属州を譲りたい、同盟から追放して（攻撃できるようになる）資源も取って欲しい。と。
真実ならこんなことを言っては申し訳ないが、出来過ぎた話のようにも思う。
ただ、変わらない事実として、その人はもうそのアカウントでこの同盟には居なくなる。

なんともなぁ、と思いつつ、年末にいろいろあって、
私と今の同盟員たちは他の同盟員に三下り半を突き付けられ、突然、半数以上が離反して新たな同盟を作り、おいてけぼりをくらった。
今の同盟を、皆が帰って来られる場所として守ろう、ということが存在意義になった。
（ていうか、ゲームだからね？）

離反した人たちが頼りにしていた人物２名のうち、１名はカリスマ的存在だったが、そのカリスマが、昨年末ごろからどうもプレイしていない様子で、新同盟の盟主も「私は代行なんです」といい、そのうち新同盟も分裂してしまった。別の日本人同盟と合併するのだそうだ。
そして、カリスマ氏からの１通のメールが、画面キャプチャで展開された。
闘病のため、辞めますと。携帯も解約するので、今後プレイすることはない、と。
ゲームをプレイする人は、サーバー単位で「ワールド」内で活動しているのだが、ワールドチャットで意見交換などできるようになっている。
そのワールドチャットで、カリスマ氏の現在の位置が提示され、「なぜ彼らは燃えてる？」と発言があった。
カリスマ氏はサブアカウントも持っていたので、その二つの城が、サーバーの端、辺境で仲良く並んで燃えていたらしい。
そのそばに他の同盟の城があったのでそいつがやったのじゃないかと思うが、詳細は同じ同盟じゃないと履歴をみられず、わからない。

しかし、これからうちの同盟は、独自路線を歩む、しかないだろうな。
新たに誕生したおおきな日本人主体の同盟の盟主は私たちを置き去りにしていった人物だから。
なんでゲームの中までも人間関係で悩むんじゃ。
全ては関係性、である。