とこのへや

とこの雑貨と、とこのお洒落着。とこは樺太に住んでいたことがあります。とこの嫁の体験談、日記、備忘など。

寒い満月の夜に1

2023-02-07 11:10:54 | 丘の上(認知症・入院)
特養に入所してまもなく3年となろうとしていた。
姑、とこ。

食事を摂れなくなってきていると、特養からのお知らせにあったのは数か月前だ。面会での発話は、ごく少なく、15分の短い時間では足りなくて、打てる手は羊羹を届けることだけだ。

羊羹は食べた、という短い会話が私たちの希望だった。
「まだ使ってないの」と言ってた化粧品のサンプル「アスタリ〇ト」のこと、それがはっきりと示された数少ない彼女の意志だった。

誤嚥した、と知らせがあったのは昨年の12月初旬。吸引したがなかなか取れず、同じ敷地内にある病院でやっと取れたとの報告を受けた。血中酸素が低下しており、入院となるため、夫が手続きで翌日病院を訪れた。
主治医からは自分で食べようとするのはいいことなのだが、誤嚥するリスクも高い、と説明を受けた。施設では同室の方の「お向かいの方が苦しそう、顔色もよくないから見てあげて」というお知らせで気が付いたそうで。。
介護が必要な人は、プロでも苦労するほどだから施設に入るのが賢明なのか、それとも??性格を把握していて慣れた家族ならあるいは違った結果が出たのだろうか??
まだ頭の片隅で自問している。

ともかく、姑とこはペースメーカーのお陰で脈はあるものの、身体は追いつかない状態だったと思う。日中横になっていることが多く、のどはだらりとした襞になっていて、咀嚼も嚥下も弱くなっていただろう。
加えて、「食べたくないの」という本人の主張。

食べても身体は受けつけないのか、口内の状態はあまりいいとは言えない。もちろん、歯磨きも、スポンジを使って拭い、清潔を心掛けているとの報告だった。
私は、退院時には姑とこが病院からすぐ隣の棟の介護施設へ移動する際に少し会えるのを狙って、仕事はテレワークにしてもらった。施設は、自宅から徒歩10分ほどだ。お昼休憩と時間休1時間で十分間に合う。しかし移動に付き添ったとき、姑とこは目をあけることはなかった。かすかに眉が上がるくらい。

退院からほどなく、土曜日に面会の予約を取ったが、面会前日の金曜午前中に主治医から連絡があり、夫は胃ろうについての方針を尋ねられた。そして、土曜日までモタナイかもしれないと告げられた。

私も覚悟を決めなければならないと思った。会社に事情を説明し、午後から休みにしてもらった。
そして長い長い、週末を過ごしたのだった。

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