映画「エゴイスト」は鈴木亮平主演で2023年2月10日公開
映画を見る前に原作の小説を
読んでみた
作者は、
高山真(1970〜2020)
エッセイスト。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる。
著書に『エゴイスト』『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』など。
ゲイであることを公言している。2020年10月1日、肝細胞癌で死亡。
物語はゲイの恋愛を描いていますが、本質的なテーマは「母を恋うる記」であり、「忍ぶ恋」です
ストーリーは(映画公式ページより)
『14 歳で⺟を失い、⽥舎町でゲイである⾃分を隠して鬱屈とした思春期を過ごした浩輔。今は東京の出版社でファッション誌の編集者として働き、仕事が終われば気の置けない友人たちと気ままな時間を過ごしている。そんな彼が出会ったのは、シングルマザーである⺟を⽀えながら暮らす、パーソナルトレーナーの龍太。
自分を守る鎧のようにハイブランドの服に身を包み、気ままながらもどこか虚勢を張って生きている浩輔と、最初は戸惑いながらも浩輔から差し伸べられた救いの手をとった、自分の美しさに無頓着で健気な龍太。惹かれ合った2人は、時に龍太の⺟も交えながら満ち⾜りた時間を重ねていく。亡き⺟への想いを抱えた浩輔にとって、⺟に寄り添う龍太をサポートし、愛し合う時間は幸せなものだった。しかし彼らの前に突然、思いもよらない運命が押し寄せる――。』
自伝的作品のようですが小説として上手く出来ており、一気に読ませてくれます
この小説は江戸時代、鍋島藩の山本常朝が武士の生き方、心構えを記した(口述した)「葉隠(はがくれ)」の影響を感じる
「葉隠」には、武士道と衆道、忍ぶ恋について、「究極の恋は相手に恋心の負担を感じさせない恋闕(れんけつ)の情というものである」ということを、何度も強調している
ここでいう「恋闕の情」とはアガペー(キリスト教的「愛」)とエロス(性愛)を峻別しない感情
「エゴイスト」は「恋闕の情」を
描き、ジェンダー、家族を超えて、生きる力を与える作品
★★★★☆
さて、映画はどのように究極の恋を描いているのか… 楽しみです