『アーティゾン美術館では、2020年の開館以来、石橋財団コレクションとアーティストとの共演、「ジャム・セッション」展を毎年開催しています。第5回目となる本展は、国際的なアートシーンで注目を集めるアーティスト、毛利悠子を迎えます。
毛利は、主にインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間が潜在的に有する流れや変化する事象に形を与え、立ち会った人々の新たな知覚の回路を開く試みを行っています。
本展タイトルに含まれる「ピュシス」は、通例「自然」あるいは「本性」と訳される古代ギリシア語です。今日の哲学にまで至る「万物の始原=原理とはなにか」という問いを生み出した初期ギリシア哲学では、「ピュシス」が中心的考察対象となっていました。当時の著作は断片でしか残されていませんが、『ピュシス=自然について』と後世に名称を与えられ、生成、変化、消滅といった運動に本性を見いだす哲学者たちの思索が伝えられています。絶えず変化するみずみずしい動静として世界を捉える彼らの姿勢は、毛利のそれと重ねてみることができます。
毛利の国内初大規模展覧会である本展では、新・旧作品とともに、作家の視点から選ばれた石橋財団コレクションと並べることで、ここでしか体感できない微細な音や動きで満たされた静謐でいて有機的な空間に来場者をいざないます。』アーティゾン美術館HPより
毛利悠子 Decomposition 2021年―
毛利悠子
『1980年神奈川県生まれ。現在は東京を拠点に活動。2006年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術 表現専攻を修了。
コンポジション(構築)へのアプローチではなく、環境の諸条件によって変化してゆく「事象」にフォーカスするインスタレーションや彫刻を制作。近年は映像や写真を通じた作品制作も行う。
主な個展に第60回ヴェネチア・ビエ ンナーレ国際美術展日本館(2024年)、カムデン・アーツ・ センター(2018年)、十和田市現代美術館(2018年)など。 そのほか第14回光州ビエンナーレ (2023年)、第23回シド ニー・ビエンナーレ (2022年)、第34回サンパウロ・ビエ ンナーレ (2021年)などに参加。』パンフレットより
毛利悠子 Decomposition 2021年―
ジョルジュ・ブラック 梨と桃
1924年
毛利悠子の果物と石橋財団コレクションの作品が呼応しています
果物に刺された電極から、電線はこちらへ
毛利悠子 Calls 2013年―
とコンスタンティン・ブランクーシ
接吻 1907―10年
毛利悠子 Piano Solo:Bell-lle
2021年―/2024年
対には、モネの「雨のべリール」1886年
今回の個展で、象徴的なデュシャンの作品
裏側 ガラスに映る
『遺作』を想起します
↓
マルセル・デュシャン
マルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による(トランクの箱)シリーズB 1952年、1946年(鉛筆素描)
デュシャンの素描、毛利の写真、マティスの素描が呼応する
毛利悠子 Bride, Contingency
2016年-/2024年 写真
【参考】マルセル・デュシャン
花嫁は彼女の独身者たちによって裸にされて、さえも(通称《大ガラス》)1915―23年
↓
毛利悠子 めくる装置、3つのヴェール 2018年―
奥にマティスの素描3点
ジョゼフ・コーネル
見捨てられた止まり木 1947年
毛利悠子 鬼火 2013年―
4FのINFO ROOMに毛利悠子が海外で行った個展のビデオが流れていた
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