古今東西のアートのお話をしよう

日本美術・西洋美術・映画・文学などについて書いています。

羽根木梅林 

2024-02-20 15:19:28 | 美術ブログ

小田急線の梅ヶ丘
梅林があるからついた名前ではない

小田急線が通るとき当地の有力者相良家の家紋梅鉢に由来して梅丘と名付けたらしい(近くに古墳があり“埋めが丘”という説もある)

相良梅鉢

現在の「羽根木の梅林」は、昭和42年の選挙で当選した区議会議員が、地名にあやかり梅を植林したのが始まり

後づけの“梅林”ですが、今では「梅ヶ丘」のシンボルですね🙂


小高い丘に白梅、紅梅が咲き乱れる

梅の香りが丘にただよう



紅梅の先の晴天の空に浮かぶ月

公園の外の垣根から見える梅林

これは上から見るといいかも…
と見渡すと


梅ヶ丘分庁舎からの眺めもいいね


中規模な梅林ですが、丘の起伏に梅の木が重なるように咲く姿は美しい
お勧めします◎


ランチは、梅ヶ丘といえば「美登利寿司梅ヶ丘総本店」でしょう!!


当日は予約でいっぱい🥲
数日前に予約しないと無理みたいです

ラーメン屋を探すと…

8人ほど並んでいた「勝や」

軽く小腹を満たそうと入った「勝や」、オーソドックスな「中華麺」980円也を注文

周りのオーダーを聞くと、『ワンタン麺半分、チャシュー増しで』など謎の符丁?が…


ドカーン!!
何と、普通のサイズで麺二玉でした、半分にするとチャシューかメンマが増量される😯

流石にスープは飲み干せませんでしたが、さっぱりしていて麺二玉食べられました

チャシューもメンマも美味しかったので、次回は、『ワンタン麺半分チャシュー増しで!』🙋



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サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展

2023-12-07 08:36:18 | 美術ブログ

映画「春の画SYUNGA」関連で浮世絵、春画を調べていたら、「鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)」というユニークな絵師を発見した。

2015年の「春画展(永青文庫)」で観ているはずですが、肉筆春画では月岡雪鼎に夢中で記憶に残っていないですね。


鳥文斎栄之(1756〜1829)は、歌麿と人気を争う絵師だったそうです。歌麿の大首美人画に対して、栄之は十二頭身といわれる全身像を描きました。



鳥文斎栄之 青楼芸者撰 いつとみ
重要文化財 東京国立博物館




鳥文斎栄之 手紙を読む遊女
シカゴ美術館



鳥文斎栄之がユニークなのはまずその出自にあります。

武家それも旗本出身で、第十代将軍徳川家治(1737〜86)の御小納戸役として「絵具方」という役目を務め、御用絵師狩野典信(1730〜90)に絵を学びましたが、家治の逝去で引退し、武士を捨て浮世絵師になります。

姫路藩主の弟だった酒井抱一(1761〜1829)が生まれながらのリザーブで比較的自由な立場だったのに比べ、将軍に仕える身分だった栄之が浮世絵師になるのは異色ですね。




鳥文斎栄之 隅田川図巻 絹本着色

後年、肉筆画に専念し、作品が帝お召し上げなったエピソードもユニークです。


さらに、肉筆春画が豪華絢爛で、カラーのレディースコミックを見ているようなのです!






鳥文斎栄之 源氏物語春画巻(部分)
絹本着色


そんな鳥文斎栄之展が千葉市美術館で「サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展」2024.1.6〜3.3に開催されます。
海外に流出した優品が多い作家のため、鳥文斎栄之ブームが起きるかも…




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やまと絵展 攻略プラン

2023-09-14 23:54:31 | 美術ブログ

なにげに空前絶後の『やまと絵』展
出品作品をよく事前確認して、
計画をたてることが肝要ですね

ポイントをまとめてみました
ご参考に!


【展示期間:第一期 10/11(水)~22(日)、第二期 10/24(火)~11/5(日)、第三期 11/7(火)~19(日)、第四期 11/21(火)~12/3(日)】
月曜休館(要サイト確認)

●日本四代絵巻
 ・源氏物語絵巻 通期場面替え

 ・信貴山緣起絵巻 通期場面替え

 ・伴大納言絵巻 第一期のみ

 ・鳥獸人物戯画 

甲乙丙丁各巻一期


●神護寺三像 第二期のみ展示

 ・伝源頼朝像

 ・伝平重盛像

 ・伝藤原光能像


●三大装飾経

 ・久能寺経 第三期第四期

 ・平家納経 通期

 ・慈光寺経 第三期第四期




公式サイトで他の作品も確認できます


観覧料:一般2,100円、大学生1,300円、高校生900円
ウェブチケット:土日祝は日時予約、ペアチケット(2枚)平日限定3,800円(一人で2回使えます)


必ず公式サイトを確認!




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MOTコレクション

2023-07-27 18:13:11 | 美術ブログ

デヴィッド・ホックニー展の後は、MOTコレクションへ

三上晴子 スーツケース 1992-93年

名和晃平 PixCellーDeer#17
2009年

名和晃平(1975〜)

『視覚や触覚にとって、世界は表面の連続であり、あらゆるものは様々な「表皮」で覆われている。 私たちはものを「表皮」において感知し認識する。 だから、あるものがリアルに感じるかどうか、決定的なのはその表皮の質 なのである。「皮」は感性と物質を繋ぐインターフェイスであり、 感性 と物質の交流のなかからイメージが生じてくる。』

「名和晃平ーシンセシス」 2011.1図録より


村瀬恭子(1963〜) Carousel 2003年

水の中で溺れているのか、泳いでいるのか…


最も印象的だったのは、

加藤美佳(1975〜) カナリア 
1999年

印象的な少女の制作方法は、
大理石粘土や毛髪、ガラスアイなどを素材として、少女の人形を半年程度かけて制作し、それを最適な光や構図で写真撮影した後、カンヴァスにトレースしディテールを吟味しながらクローズアップされた少女の顔を、巨大なカンヴァスに油絵具で描いて作品に仕上げていく。
』webより引用

人形師なのか、写真家なのか、画家なのか…

ゲルハルト・リヒターが絵画と写真の関係を追求した『フォト・ペィンティング』は、人物を写真のような絵画として描いた
加藤美佳は、『少女』の人形を制作して、写真に撮り、人形を写真のような絵画として描く…

不思議な魅力は、人形ならではなんだろう

サム・フランシス《無題 (SFP85-95)》 《無題 (SFP85-109)〉、〈無題 (SFP85-110) 1985年

『カリフォルニア生まれの抽象表現主義の画家として知られるサム・フランシス (1923-1994)の生誕 100周年を記念し、 当館に寄託されている大型の絵画作品 (アサヒグループジャパン株式会社所蔵) を一堂に展示します。
サムフランシスの画業は、 1944年、 陸軍航空隊の飛行訓練中の事故によって脊髄結核を患っ た病床に始まります。 文字通り寝たきりの入院生活中に、セラピーとして水彩画を描き始めたフラン シスは、やがて本格的に美術を学びます。 その後 1950 年にパリに渡ると、アンフォルメルの興隆 するヨーロッパで新進画家として注目を集めました。 また、1957年の世界旅行の際に初めて来日して 以降、 日本と深いかかわりを持ちながら画業を展開した画家でもありました。 この一室に並ぶ 1985 年制作の作品は、 過去の自作に見られる様々な要素が大胆かつ大らかに構成された大作で、 国内 を巡回した個展を機に日本にもたらされたものです。』
会場解説より


宮島達男 『それは変化し続ける それはあらゆるものと関係をむすぶ それは永遠に続く』1998年

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ディヴィッド・ホックニー  東京都現代美術館

2023-07-26 20:42:38 | 美術ブログ

”実見しない絵画を語ってはならない“と思った。
ホックニーの絵画をアクリル絵具の“安っぽい”絵だと思っていた先入観は見事に打ち砕かれた。
ホックニーは色彩豊かな『雪舟』
だった。

第1章から第6章までは撮影禁止のため、写真はネット画像を借用しました。

ディヴィッド・ホックニー

ディヴィッド・ホックニー(1937〜)英 ブリティッシュ・ポップ・アートの一員としてロンドンで活躍後、1964年からロサンゼルスに移住、変化する光と水を描く。コロナ禍ではノルマンディーの田舎で活動している。また、10代から同性愛者であることを公表しており、重要なテーマになっている。会場は、欧米の男性が多い印象です。

展覧会の構成は、
第1章「春が来ることを忘れないで」
第2章「自由を求めて」ロンドン
第3章「移りゆく光」ロサンゼルス
第4章「肖像画」ダブル・ポートレート
第5章「視野の広がり」
第6章「戸外制作」
第7章「春の到来、イーストヨークシャー」
第8章「ノルマンディーの12ヶ月」

『イリューショニズム風のティー・ペインティング』1961年

平板に描かれた立体、『飲料パック』は、ポップ・アートの題材だがホックニーの関心は”錯覚“ “複数視点”にあったようだ

左『三番目のラブ・ペインティング』1960年
右『一度目の結婚(様式の結婚Ⅰ)』1962年

フランス・ベーコンのような初期の作品。”男女の結婚“という社会の前提に対して、異議をとなえる作品

1964年からロサンゼルスに拠点を移したホックニーは、アクリル絵具で光と水の一瞬の煌めきを平面的に描いた

【参考】
『芸術家の肖像画-プールと2人の人物-』 1972年

山水画風の山並みに、フォトペインティングのプールを貼り付けたようで、一点透視図法(遠近法)によらない不思議な視点
題材は、ホックニー自身と泳ぐ当時の恋人
2015年オークションで当時最高額の9031万ド(約102億円)で落札された

『ビバリーヒルズでシャワーを浴びる男』1964年
ホックニーの平面性がよく分かる作品

『クラーク夫妻とパーシー』
1970ー71年

ホックニーの肖像画「ダブル・ポートレート」シリーズの代表作

ホックニーの長年の女友だちとファッションデザイナーのカップルを描いている

夫人の前には「純血」「母性」のアトリビュート「白ユリ」「本」は知性を表しているのだろう
夫は愛猫「パーシー」を膝に乗せている 「猫」は、「気まぐれ」「奔放さ」を象徴している 「電話」は外部との連絡
写真では分からないが、夫の足はカーペットから浮遊して、心と体が何処かにいっているよう
夫婦の微妙な関係、夫にだけ影がついているー何かあるぞ… と夫人にメッセージを送っているのか…

『2022年6月25日、(額に入った)花を見る』2022年

花を描いた絵を壁に飾って、二人のホックニーが眺めている
これも、実見しないと分からないが、床のテーブル、台、椅子が浮いているように見え、しかも平面なのだ、絵の中に引き込まれる感覚、眺めているとクラクラして気持が悪くなる
この感覚は、雪舟の山水画を実見した時の感覚に似ている

【参考】
雪舟 秋冬山水図 秋景 室町時代

ピカソやマチスをリスペクトする作品も
『ペンブローク・スタジオの内部』1984年

『ホテル・アカトラン、2週間後』1985年

第7章「春の到来、イーストヨークシャー」
第8章「ノルマンディーの12ヶ月」

大画面構成の第7章、第8章 
撮影可能ゾーン
イギリスではコンスタブルなどの伝統的な田園風景につながる風景画として人気があるらしいが…



第2章、第3章、第4章がすばらしい
大画面ものは、どうなんでしょう

★★★★★
見ておく価値は十分です
常設展につづく

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