




『ごあいさつ
大正中期に大阪茶臼山に竣工した住友家本邸を飾った木島櫻谷の「四季連作屏風」を 全点公開します。
木島櫻谷(1877-1936)は明治後期から昭和前期にかけて京都画壇の俊英として活躍しま した、円山四条派の写生表現を基礎に、琳派や狩野派の表現などまで研究して完成させた この「四季連作屏風」は、櫻谷の画業の画期となるもので、制作にあたって櫻谷は、独特な 色感の絵具を用い、顔料を厚く盛り上げ、筆跡を立体的に残し油彩画のような筆触にも挑戦 しています。
一方、櫻谷はなにより動物画に秀でていました、描かれた動物たちはリアルなだけでなく。 折節にみせる表情がどこか人間的な感情を溶かし込んだように生き生きと輝き、観る者の 心に沁みます。そうした櫻谷画のリアリティーの源は、江戸時代中期(18世紀) 京都で活躍 した絵師・円山応挙によって編み出された「生写し」(写生)という方法です、自然や事物を 生き生きとありのままに描く写生表現は、近代にも大きな影響を与え、櫻谷もその例外では ありませんが、ここでは親和的表現に特色の動物画に焦点をあて、応挙はじめ先人画家たち による動物表現と比較しながら櫻谷画の特質をライトアップします。
2024年3月吉日
公益財団法人泉屋博古館 每日新聞社』
展覧会は四季連作屏風の燕子花図以外は撮影禁止、写真はネット画像を借用しました


『独特な 色感の絵具を用い、顔料を厚く盛り上げ、筆跡を立体的に残し油彩画のような筆触にも挑戦 しています。』
雪中梅花でも雪の表現に活かしている。
しかし、雪は乾いており、春が近いしっとりと湿った質感は感じられない。応挙の「雪松図屏風」に倣ったかもしれないが、時期が違うのではないだろうか。




