桜の開花が例年より約半月も早く、信州「伊那谷」を北上している。
❖ 南吉瀬の枝垂れ桜
推定樹齢約100年、幹周約3メートル、樹高約30メートル、中央アルプスと天竜川を望む斜面に拓かれた果樹園との境界標のように佇立する「南吉瀬の枝垂れ桜」(駒ヶ根市中沢吉瀬)も、すでに満開だ。
❖ 蔵澤寺の枝垂れ桜
1394(応永元)年開基という「広善山蔵澤寺」(駒ヶ根市中沢中割)は、1797(寛政9)年の「三門」建立にあたって、本堂側に軒唐破風をつけて表側に見せ、参道側入り口を裏側に見せて「鐘楼堂」と称し、当時の庶民の菩提寺には許されなかった武家の格式になる「三門」を建てたと伝えられる曹洞宗の寺院だ。その境内には、推定樹齢300年を超えるという「蔵澤寺の枝垂れ桜」があって、今季はすでに満開になっている。
❖ 西光の枝垂れ桜
訪ねる人も少ない静穏な西光集落(駒ヶ根市中沢上割)の山の斜面に佇立する推定樹齢約400年「西光(せいこう)の枝垂れ桜」は、他の桜より開花が遅いと言われている。幹周約4.5メートル、樹高約15メートルの駒ヶ根市景観保存樹木第8号は、開花までもうしばらく時間をかけて蕾をあたためるようだ。