山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『赤壁の宴』=藤水名子著

2013-10-13 07:11:16 | 読書

 藤水名子著の『赤壁の宴』を読んだ。藤水名子氏の作品ははじめてである。だいたい最初は藤水?子と読もうとしていて、藤 水名子であることを知って失笑した位だ。藤氏は、1991年に『涼州賦』で第4回小説すばる新人賞を受賞してデビューした。唐代末期の世情不安な時代、西域への窓口として栄えた辺塞の大都市・涼州を舞台に繰り広げられる中国活劇ロマンなそうだ。以後、中国ものの書き手として活躍してきたと解説は書くが、私の知識の中にはなかった。

 講談社文庫の『赤壁の宴』は、八戸の古書店で1刷88円の見切り本の中にあって「赤壁」という題にひかれて購入しておいたものだ。今年に入って、何人かの『三国志』を読んだ。最後に吉川英治の『三国志』を図書館から借りて読み返し、それぞれの描き方に注目してきたこともあってである。作者は、孫策と周瑜を描いたこの本で、“藤版三国志”を本格的にスタートさせた。曹操の第三子を主人公にした『公子曹植の恋』を、そして二度のモンゴル旅行をした体験を生かして、漢の後宮から匈奴に嫁した伝説的美女の数奇な運命を描いた『王昭君』を書いている。改めて、藤作品を追ってみようかと思っているところだ。