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■「カリガリ博士」とは・・・
「君はカリガリになる必要がある!」・・・1920年、ベルリンのいたるところにこのポスターは貼ってあった。好奇心を刺激された人々によって、この映画は大成功をおさめる。「カリガリスム」という流行。カリガリとは、何か?・・・抑圧的な狂気と不安の代名詞である。
☆
事件は、見せ物小屋から始まる。カリガリ、という名の無気味な男のテントでは、眠り男が未来を予言するという。夢遊病者チェーザレに、寿命が明日までと言われた学生が翌日死亡する。学生の友人は、当然カリガリを疑って調べはじめる。
予想どおり、カリガリがチェーザレに催眠術をかけて人殺しをさせていたのだが、
真相は他にあった、、。
☆
舞台セット・・・最初は、安上がりに済ませるために描き割りにしたそうだが、結局はこれが効を奏した。表現派の画家や建築家が、示したアイデアは、まさに気が狂った世界であった。ゆがめられた遠近、ねじれた家や木々、奇妙に膨らんだ煙突、モノクロ効果も手伝って、神経をいらだたせるような雰囲気がかもし出された。精神病院のセットは、さらにねじくれている。幽霊のような患者達がいなければ、ここがどこか解る人はいないだろう。
支配権力の下で、一般市民は殺人者にされたり、被害者になったりするが、結局精神病院(世界)で一番の権威が精神をおかされているのだという。
当時の日本でも、この映画にハマった人多数。大正10年4月、横浜オデオン座(今もあります)で、"眠り男"というタイトルで一週間の先行上映。翌月、浅草キネマ倶楽部で、"カリガリ博士"として公開されたこの映画は、様々な人に衝撃を与えた。徳川夢声の語り口も絶品だったらしい。
精神病院、夢遊病、拘束服、催眠術、幻覚、狂人の幻想による殺人、これらがモチーフ。
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名作"少女椿"や、"犬神博士"で人気の丸尾末広は、"薔薇色ノ怪物"(青林堂1982年)の中で、その名も"カリガリ博士復活"という短編を発表しているし、花輪和一と昭和編を競作した"無惨絵 英名二十八衆句"(リブロポート 1988年)には"眠り男"を描いている。
ゴーレムの映像へのリンクです。
http://www.archive.org/details/Choronzon333-DerGolemPEmersonWilliamsScore568
youtubeだと7分割にもなるので、とりあえず、1回で全部見られる上のだけリンクします。
wegner(監督・脚本・主演)は、計3つ、ゴーレム映画を作っていて、1915、1917、1929年版がある由。有名なのは、1920年(リンク先の映像)の由。
1915、1917、192「9」年版がある
↓
1915、1917、192「0」年版がある
です。m(_ _)m
今、いっぱいやることがあり過ぎて時間が足らない。
大変貴重な資料です。ありがとうございます。