A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

異国の地で、レギュラーグループを離れると不思議に名演が・・・

2012-01-11 | MY FAVORITE ALBUM
Overseas / Tommy Flanagan Trio

歳をとると記憶の連鎖が切れてくる。まずは時間軸から。この前と思ったのが、それから5年経ち、いつの間にか10年経ってしまう。仕事に関してはいくつかの区切りや節目があるのでそれを辿ると繋がってくる。ところが、プライベートになるとそれは難しい。特に好きなゴルフに関しては、記憶に残るラウンドの前後関係は記録を見ないとかなり曖昧だ。ジャズの世界は常に新旧取り混ぜて古い録音も聴くので、同時進行で聴いていたものを思い出すのが大変だ。LPがCDに替わったのが大きな節目といえば節目だが。





先日古いスイングジャーナルを引っ張り出したら、急に記憶が整理されだしたから不思議なものだ。67年の5月号を見ていたら、懐かしいスイングジャーナル選定「ゴールドディスク」第一号が紹介されている。幻の名盤のはしりともいえる有名なトミーフラナガンの「オーヴァーシーズ」だ。当時一枚15,000円で取引されていたとか。今の貨幣価値と較べるとたいそうな金額だ。
今では、マニアックなアルバムまでどんどん発掘され、2度3度と再発される内に、未発表曲までおまけで付くようになっている。中古の盤もネットで簡単に探せて「即オーダー」可能。オリジナル盤に拘るマニアでなければ、欲しいアルバムがいとも簡単に手に入る次代にいつの間にかなってしまった。

さて、昔はレギュラーグループが国内外のツアーに出ると、そのメンバーが別行動でセッションを行い、それが録音されるということが良くあった。地元のメンバーが加わったりしてレギュラーグループでは味わえない貴重な演奏が残されている。特に、ヨーロッパ遠征で名盤といわれるのが多いのは、やはり異国の地で普段とは違う刺激を受けるからであろう。この前の、ペッパーアダムスのアルバムもそのような一枚だ

このオーヴァーシーズも、J.J.ジョンソンのグループの一員としてヨーロッパツアーをしていたフラナガンがトリオで、スウェーデンに滞在中に録音したもの。このメンバーが、ジョンソンのグループで”“Dail JJ5”を録音したのは‘57年の1月。それからすでに8ヶ月一緒にプレーをしているので呼吸はピッタリだ。久々にこのアルバムを聴いたが、フラナガンのピアノに加えて、エルビンのドラミングはやはり素晴らしい。エルビンはどうしてもコルトレーングループでのプレーの印象が強いが、このドラミングがエルビンのドラムの原点だろう。自分のオーディオ装置も当時(1965年)と較べると格段に進歩しているので音も良い。フラナガンの初リーダーアルバムとしてだけではなく、エルビンのブラッシングの切れ味を楽しむのもこのアルバムの価値だと思う。



1. Relaxin' at Camarillo  Parker
2. Chelsea Bridge   Strayhorn
3. Eclypso        Flanagan
4. Beat's Up       Flanagan
5. Skål Brothers     Flanagan
6. Little Rock      Flanagan
7. Berdandi        Flanagan
8. Dalarna        Flanagan
9. Willow Weep for Me  Ronell

Tommy Flanagan (p)
Wilbur Little (b)
Elvin Jones (ds)

Recorded on August 15, 1957 in Stockholm, Sweden


Overseas
Tommy Flanagan
Ojc
コメント
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