A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

西海岸の名手というのはあまり話題にはならないが・・・実力は本物揃い

2012-01-20 | MY FAVORITE ALBUM
Conversation / Frank Rosolino & Conte Candoli

1975年8月ペッパーアダムスがドイツのミュンヘンを訪れ相変わらずのゴリゴリサウンドでブローしていたが、3ヶ月前の5月に同じライブハウス「ドミシル」に2人のコンビがアメリカ西海岸から出向いて同じように大ブローしていた。トランペットのコンテカンドリとトロンボーンのフランクロッソリーノの2人だ。50年代から一緒にケントンオーケストラに参加して以来良くプレーをしていた仲。この頃はスーパーサックスにも参加していたが、他でも2人で良く一緒にプレーしていたようだ。同じイタリア系ということもあり気心が通じ合ったのかもしれない。今回のセッションは、リズムセクションには地元ヨーロッパのミュジシャンも加わる。オランダ人のピアニストRob Pronkと2人が20年来の親友で時々ヨーロッパに来てそれまでも一緒に演奏していたそうだ。

ブルックマイヤーが、60年代の後半にウェストコーストに移り住み、「仕事は沢山あるが日常的にジャズを演奏できる場は決して多くはない」と語っていたが、ライトハウスに皆が集った50年代のウェストコーストジャズ全盛期と較べて、この2人が思う存分プレーが出来る場は地元に多くはなかったのかもしれない。自分の好きなアルバム”Jazz for A Sunday afternoon”は60年代になってからの録音だが西海岸でのジャムセッションのライブが妙に新鮮だった記憶がある。その点、短期間であっても思う存分プレーができるヨーロッパでのクラブ出演は、気合が入った演奏が出来る場でもあったのかもしれない。

元々クールで流暢な演奏のイメージがある2人だが、ここでは実にホットなプレーを聴かせてくれる。やはり地元を離れて異国の地に来ている開放感なのか。あるいは、ライナーノーツでも触れられているように、ピアノのPronkのパーカッシブでアタッキングなピアノが2人を鼓舞しているのかもしれない。いつものスタンダード曲がパワフルに感じる。

このロッソリーノは順風満帆な生活をおくっていたようだが、3年後の1978年11月に2人の息子を道連れに突然ピストル自殺を遂げてしまう。人には言えない悩みがあったのだろう。音楽の世界では“Conversation”が可能であっても、実生活では家族といえども会話が出来なかったのかもしれない。人生というものは奥深い。

これは別の2人の共演盤から



1. Doxi
2. Like Someone In Love
3. Don’t Take Your Love From Me
4. Yesterdays
5. Darn That Dream
6. When Light Are Low

Frank Rosolino (tb)
Conte Candoli (tp)
Rob Pronk (p)
Isla Eckinger (b)
Tod Canedy (ds)

Produced By Willi Fruth & Ernst Knauff
Recoeding Director : W. Fruth
Recording Engineer : Willi Schmidt
Recorded Live at the Domicile, Munich on May 10, 1975
コメント
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