A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

立ち上げから3年・・・・・・・満を持して故国に凱旋

2012-01-23 | MY FAVORITE ALBUM
Road Time / Toshiko-Tabakin Big Band

サドメルが3度目の来日を果たし、フランクフォスターオーケストラの置き土産を残して帰国してまもなくして、年が明けた1月に引続き大物ビッグバンドが来日した。TOSHIKO-TABAKIN のビッグバンドだ。
74年に初めてのアルバムを出し西海岸でセンセーショナルにスタートしたが、短期間に3枚のアルバムを制作し、75年にはモンタレージャズフェスティバルにも参加するなど確実に活躍の場を固めていた。そして、その中でこの76年の日本ツアーは早い時点でプランされた。サドメルのあまりに突然の訪問と異なり、来る方も待つ方も十分にその日のための期待が高まった中での来日であった。

この来日時の演奏が2枚組みのアルバムで残されている。タイトルは”Road Time”。いわゆる地元を離れてのどさ回りだか、このツアーはTOSHIKOにとっては故郷への凱旋。単なるツアーとは全く位置づけが違ったであろう。もちろんメンバーもその意味を充分に理解してのツアーであったと思う。

すでに3枚のアルバムが出ていたが、それらに収められているのはすべて彼女のオリジナル曲、そしてオリジナルアレンジだ。まさに作品集といった趣である。会場は中野サンプラザホールを始めとして各地の大ホール。当時は多くのライブがこのような大ホールを満員にしていたものだ。コンサートではそれらの曲が順次演奏されるが、まさいライブというよりも、コンサートという表現の方が適切であろう。演奏の完成度も高く、初期のTOSHIKOのビッグンバンドの集大成といってもいい演奏だ。

オープニングから、いきなりメンバー紹介が始まる。これも珍しい。そしてチューニングを兼ねてそのまま曲がスタートする。彼女の曲は日本の伝統や文化とアメリカの文化であったジャズをうまくミックスした点にある。もちろん曲によってその度合いや色合いが異なるのがまた魅了の一つであろう。
最後の曲は、このツアーのために作った曲“Road Time Shuffle”、その名の通りシャッフルのリズムに乗った実にスインギーな演奏で幕を閉じる。

メンバーは、バリトンサックスのビルパーキンストロンボーンのビルウッドマン以外は、レギュラーメンバーである当時の西海岸の中堅、若手のベストメンバーがそのまま来日している。ウッドマンに代わって、かってサドメルのメンバーであったジミーネッパーが急遽ニューヨークから参加したというのも何か因縁めいている。

このアルバムが出た時点で、TOSHIKOのビッグバンドのアルバムを先行して出していたのは日本のRVCで日本ではどのアルバムもよく売れていた。アメリカではまだ1枚だけが世に出ただけでまだ全国区の人気というものではなかった。ヨーロッパでもこれからという状況であった。日本の優れたプレーヤーがアメリカのミュージシャンを集め、日本のレコード会社が世界に通用するアルバムを作っていた時代だ。経済的にもこの時期からバブルにかけて日本の絶頂期であったが、音楽、レコード作りも同様であったのかもしれない。



1. Tuning Up
2. Warning Success May Be Hazrdous To Your Health
3. Henpecked Man
4. Soliloquy
5. Kogun
6. Since Perry / Yet Another Tear
7. Road Time Shuffle

Steven Huffstetter (tp)
Bobby Shew (tp)
Richard Coooper (tp)
Mike Price (tp)
Bill Reichenback (tb)
Jim Sawyer (tb)
Phil Teele (btb)
Dick Spencer (as)
Gary Foster (as)
Lew Tabakin (ts,fl)
Tom Peterson (ts)
Bill Byrn (bs)
Toshiko Akiyoshi (p)
Don Baldwin (b)
Ptyer Donald (ds)

Kisaku Katada (Kotuzumi)
Yutaka Tazaki (Ohtuzumi)

Produced by Hiroshi Isaka
Recoding Engineer Eiji Uchinuma

Recorded live in Japan
January 30, 1976 at Nakano Sun PrazzaHall Tokyo
Feburuary 7, 1976 at Kosei Nenkin Kaikan, Osaka
Feburuary 8, 1976 at Sankei Hall, Osaka

ロード・タイム(紙ジャケット仕様)
Toshiko Akiyoshi
BMG JAPAN
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