またまたうちの母のこと。
彼女は炭水化物が大好きだ。特にパンと餅。
餅といっても内地のお餅ではなく、ムーチーガーサに包まれている餡子が入っていない
沖縄独特の餅が好きだ。
大阪のおばちゃんがバックに飴ちゃんを忍ばせているなら、うちの母はムーチーを忍ばせている。
ただ、人へは配らない。あくまで自分のためのものであることが、大阪のそれとは異なる。
映画館へ持ち込み(本来は不可だが、こっそりと)するのはスナック菓子ではなく、ムーチー。
昔、一緒に「ノッティングヒルの恋人」を観に行った時だって、私がヒューグラントの微笑みに
うっとりしている傍で、母は長ーく伸びーるムーチーをいつものように頬張り、
あたりに強烈なムーチーガーサの匂いを漂わせたんだ。
映画館でムーチーを食べるとは、KFC(匂いですぐ分かるよね)を食べるくらいフツーだったら
勇気がいることなはずだ。
また、先月のユーミンのコンサートでも彼女はムーチーを忍ばせていた。
いつものように食べたがっていたが、私が猛反対したこと&座席がかなり前方だったこと&
ライブ中のユーミンを驚かしてはいけないことから
珍しくムーチーを食べることを断念していた。
彼女の頭の中にも、まだ「恥じらい」という概念があるようだ。