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ISILによる人質事件は、最悪の結末を迎えてしまいました。
亡くなられた後藤さんと湯川さんには、心からご冥福をお祈りいたします。
そして、昨日にはヨルダン人パイロットの方の殺害動画が出たとのこと。
本当かどうかわかりませんが、実は1か月以上前に殺害されていたと言われています。
非常に残忍な手口で殺害行為を行うISIL集団は、テロ集団です。もしくは、「凶悪犯罪集団」と言ってもいいかもしれません。
彼らはイスラムの神アラーの名を盾にしてこうしたテロ行為を行っているわけですが、それはただの口実です。
誰よりもアラーの名を穢しているのは彼らです。
今回日本人二人が犠牲になったことは、国内でも衝撃を受けた人は多いと思います。
でも、私たちが知っておかなくてはならないのは、「イスラム国」と名乗る彼らはイスラムを冒涜している凶悪なテロリストたちであり、ごく一般のイスラム教徒とは何の関係もないということです。
イスラム教徒は怖い人たち、という考えだけは持たず、イスラム教はもともと平和的な宗教なんだということ、私たち一般市民と変わらないということを皆が知っていなくてはと思います。
日本だと、「近所にヒジャブ(イスラム教徒の女性が髪を隠すスカーフ)を被っているイスラム教徒がいる」という状況は滅多にないでしょうから、イスラム教徒ってどんな人たちなの? という疑問を持つ人が多いかもしれません。
私はロンドンでイスラム教徒の多い町に住んでいましたが、町に住む中東系の人たちは平和で穏やかでした。
こういう時こそ、イスラム教徒とテロ集団を一緒にしないよう、メディアはもっと声を大にして言うべきだと思います。
ニュースでは「イスラム国」という呼称を繰り返し述べています。これではイスラム教徒も同じ仲間なのかと混同する人もいるでしょう。
「イスラム国」という呼び名はやめ(第一、国家ではないわけですし)、ISILもしくはISISと統一して示すべきだと思います。
こんな風に私が強く思うのは、昨年末に『マイ・ネーム・イズ・ハーン』というインド映画を観たこともきっかけなんです。
ちょうどシドニーの人質テロ事件がある直前に観たんですが、あれからフランス、そして今回の人質事件……と、こんなに続くとは思っていませんでした。
この作品は2001年の9.11の前後を描いた、イスラム教徒で知的障害がある青年の物語です。
まさに、私が今思うことが映画作品として表現されています。
観たことのない人には、ぜひ観ていただきたい映画です。
そして、今回の人質事件を取材中に交通事故で亡くなられたトルコの高谷一美さん。
私も以前お世話になっていた、地球の歩き方ウェブサイトの特派員でいらっしゃいました。
小さいお子さんを遺されて逝ってしまわれたということで、同じ母親としてどんなに子どもとの別れは名残惜しいだろうと思い、とても辛いです。
高谷さんのご冥福をお祈りします。
高谷さんのイスタンブール特派員記事は
こちらからどうぞ。
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