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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

雑談から学ぶ

2012-11-13 | いろいろ
仕事で、槌屋治紀さんという自然エネルギーの研究者をお招きして、講演会やバスツアーを企画する機会に恵まれました。
槌屋さんは、大学や研究機関に属することなく、独自に「システム技術研究所」という会社を作って80年代から温暖化問題のシミュレーションや分析をしてこられたそうです。90年代半ばには、IPCCの地球温暖化の研究に参加し、IPCCが2007年にノーベル平和賞を受賞した時には協力に対して感謝状も授与されています。

講演では、パンダのマークのWWFジャパンに依頼された2050年にCO2ゼロ(もちろん原発も0)ができるかという調査結果や、エネルギー狩猟型からエネルギー農耕文明へ、というような興味深いお話をきくことができました。

でも、もっと感心したのは、雑談時に「どうして民間企業を立ち上げたのですか?」という質問をしたときのこと。
槌屋さんが院生のころ、ちょうど全共闘時代で、デモにもしばしば行ったそうで、そういう経験の中で「会社に入るのは嫌だ」と考え、自分で会社を作っちゃったそうです。
原発についても、放射性廃棄物がどうしても物理学的に処理困難なことを悟って70年代当時から反対し、日本にはじめて「再生可能エネルギー」という言葉を翻訳して紹介することにもなりました。

嫌だ、と思ったことはやらないで、自分の道を行く。
シンプルだけど、すごいことです。

また、国際的な研究活動をされる中で、「自分はこう思う」という主張をすることで海外の有識者ともつながっていく。
国際会議に出るたびに、ご自分の論文を印刷して配ったそうです。
その結果、経緯ははぶきますが、女優のジェーン・フォンダにも会ったとのこと!

「自分の考えを外へ出して、コミュニケーションすることは大事だよ」
「若いうちに、興味持ったことはどんどんやるとよいですよ」
としみじみおっしゃっていました。

槌屋さんと回った自然エネルギーバスツアーのことは、改めて書こうと思いますが、
槌屋さんの生き方をお聞きしたのが、なんだか一番心に残っていて、まず記しておきます。