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先祖を探して

Vol.164 奄美群島の砂糖地獄(4)


島民のその後は

沖永良部島での砂糖の惣買入れ「全てを買い取る事」が始まると、薩摩藩にとっては大きな収益となったようで、県史には「安政三年正月二十九日、名越彦太夫宛の島津斉彬の書状に、沖永良部島惣買入れ後の一昨年分は七千両程と聞き、昨年も凡七千両の益ならんとあり、成績良好であったと見られる」とあるそうです。
沖永良部島の人々はとても働き者。藩の指示に従ってしっかり働き、島津氏も満足するくらいのたくさんの収益をあげることが出来たのでしょう。実際に、島津斉彬公は沖永良部島の砂糖生産にとても関心を寄せていたと言います。

惣買入れ以前の1837(天保8)年から1853(嘉永6)年までの17年間の年生産額は百二万斤であるのに対して、惣買入から9年後の1862(文久2)年には二百六万斤と二倍の産出があっています。これは特例ともいうべき増産であったようですが、その前年に六三町余りを開拓したことが増産につながったようです。そして更には1867年には更に増産されて、褒美をもらったことが「沖永良部島代官系図」に記録されています。その後も事業上は藩制の継承であった明治5年には二百三十二万斤を産したそうです。
真面目にコツコツと働く島民性が表れていますね。

黍作をするにあたっての畑の状況ですが、先田光演先生がまとめられたデータによると、北三島の場合は80~90%以上(奄美大島:94.1% 徳之島:84.8%)だったようで、驚愕の黍作付率となっております。沖永良部島については、44.5%で北三島よりは少ないですが、残りの約6割で食料を生産となると、それで果たしで十分であったのか?という疑問があります。しかも、そもそも沖永良部島の黍作が遅かった理由の1つには、北三島の食料の補給のために稲作を中心としていたわけであって、その食料補給地が6割しか生産できなくなってしまったわけで、北三島と沖永良部島の食料の共有が十分であったとはとても考えにくいわけです。

このような飛躍的な増産の陰には、当然のことながら厳しい督励があったでしょうし、食料問題も抱えていたと思われます。島民は果たして潤っていたのか?
実際にはNoであったようです。

一度は旧債を免除され、島民は「諸人交易」から逃れることで砂糖の惣買入れ制度を歓迎したわけですが、その年からまた新たな債務を背負うこととなったのです。和泊町史によれば、1853(嘉永6)年から20年後の明治6年には、「保護会社(藩立)に対する物品代百四十万斤あまりの未済分があり、当年の砂糖産額は凡百四十万斤の予想で、未済分を納入すれば日用品の購入ができなくなる状態である」と記録されていたようです。結局はそういう仕組みになっていたわけですね。

薩摩藩の歴代名君として名高い島津斉彬公ですら、奄美群島の島民を苦しめて得られる砂糖からの膨大な利益を持って、政治・経済力を発揮していたことが伺えます。
250年以上続いた江戸時代を終わらせ、近代日本の礎となった明治維新の成立に多大な功績を残した西郷隆盛、大久保利通を輩出し、薩摩藩が幕末最強組織として活躍できた背景には、この奄美群島の砂糖地獄と呼ばれる中で頑張ってこられた島民の力があってこそです。そこは歴史の1つとしてぜひ広く皆さんに認識して欲しいなと思っております。


その後の砂糖は

明治期に入ると、時代の流れと共に砂糖についても販売方法が見直しされ、明治6年には大蔵省より「砂糖勝手売買」の令が出され、ようやく島民が砂糖を自由に売買できることになりました。しかし取引に不慣れな島民に配慮して、以下の注意と支援が行われたようです。

(前略)直接商人との勝手売買を許すに至れり然るに未だ當て取引に慣れざる島民は動もすれば奸商奸策に陥るの虜あるに依り當時の在藩及び島束等大に之を憂慮して深く商議をし五ケ年間の期限を以って鹿児島商人と一手売買の契約の契約をなし(以下省略)

砂糖の自由な売買が導入されても、島民は中央市場の黒糖の相場などには無頓着・無関心で、販売知識も持ち合わせていなかったことから、商人にうまいこと利用され安く売り払ってしまい、金銭の前借も増え、農民の借金は膨れ上がっていったようです。結局は販売先が藩から商人に変わっただけで、状況は変わらなかったということです。ずっと薩摩藩に支配されて言いなりになるしかなかった島民が、いきなり自由売買といわれてもその方法も分からないし、島には中央市場の情報などすぐには入ってくるわけもなく、当然と言えば当然の状況だったわけですね。喜界島では商人に対する不当圧迫を排除するために、暴動も起こったそうです。


現在の砂糖は

激動の砂糖地獄を乗り越えて、時代は変わり現代になっても島では黍作が行われています。
現代では砂糖としての生産だけでなく、砂糖を使った様々な商品も製造されるようになっています。
沖永良部島で製造販売されている商品をいくつかご紹介しますね。



まごころ精糖さんのHPより  http://www.junkokutou.com/

永良部の黒糖は、煮物料理に最適です。あご出汁との相性が良く、いつも煮物料理を作る時には、黒糖を使っています。とってもまろやかな味に仕上がりますよ!



島出身の女性の方が、自分のお仕事で手荒れが続き、それを何とかしたいことと、島の素材を使って何か商品ができないかを考え、まごころ製糖さんの純黒糖を使い、何度もなん度も石鹸作りの日々が続いたようです。
このまごころ製糖の純黒糖と百合精油を使ったsikkaの手づくり黒糖石鹸 〜百合の香〜

コロナもあって今年やっと販売にこぎつけたようで、私もさっそくお試ししてみました。イメージ的に黒糖の甘い香りでもするのかな?って思っておりましたが、香りは説明の通りで「エラブユリ」を使ったユリのほのかな香りがするだけです。花のきつい香料の感じも全くないので、匂いに敏感な方でも気にならないと思います。
そして肝心の使用感なのですが、驚きの感覚です。
「さっぱり&しっとり」という言葉がぴったりです。

実は私がこの砂糖地獄シリーズのブログを配信しはじめて早々に、ある研究者の方からブログの感想プラスで素敵なメッセージを頂きました。その方は色々な物から成分を抽出し、その効能などを特定し、それを商品化するお仕事をなさっているのですが、黒糖には美肌成分が多く含まれていることは分かっており、大手化粧メーカーもこの黒糖成分を化粧品の中に取り入れているそうです。しかも美白効果もあることが分かっているのだそうです。
さらに、美容効果だけでなく虫歯予防の効果もあるそうなんです。黒糖は虫歯の原因にはなるとは思っていましたら、逆に虫歯予防の効果が、、、それは驚きの情報ですね。
しかも、沖永良部の黒糖を使った商品開発の希望があればサポートしてくださるようなお話まで頂きました。
私は黒糖業者ではないので、私自身が着手できることではありませんので、島の関係者の方にシェアさせて頂きましたが、私の先祖調査を通して島の活性化に繋がるようなお話が舞い込んできたことには、大変嬉しく思っております。
何か商品化につながると嬉しいですね!

そして、使用感と共に効能ですが、使い始めて約1週間ですが、マスクのせいでポツポツできていた口元の吹き出物が収まりました。
娘に、「ママ、吹き出物が無くなってる!」って驚かれました。その娘も最近おでこにポツポツニキビが。彼女のニキビも減っています。
肌は外からの対策だけで全て改善するわけでなないし、石鹸は薬でもありませんし個人差もあり、必ず私たちのように良い方向に向かうかは言い切れませんが、美肌効果の高い商品であるとは思います。もし気になる方は1個からでもお試しできるようなので、ぜひ一度使ってみてくださいね。

販売は「まるとよ農産」さんから購入できます。

Facebookのまるとよ農産
https://www.facebook.com/simabananajagaimo/

又はこちらから


ちなみに、手作り石鹸なので女性の方は特にご存知の方も多いと思いますが、使用しているとキャラメルのように柔らかくなって溶けがちです。お風呂で石鹸トレイにそのままで置いておくと、お湯がかかって溶けてしまったりもありえます。そこは注意が必要です。
私は100キンで洗顔ネットを購入しました。袋状になっているネットです。その中に入れてから石鹸トレイに置き、お湯がかからない場所に置いてます。そして使用するときは、洗顔ブラシを濡らして、ネットの上からブラシをクルクルしながら泡を作って、そのままブラシで洗顔をしています。そうすることで石鹸が無駄に溶け出さないし、洗顔ブラシで毛穴まで綺麗に洗えてスッキリです!石鹸を使われる方は、良かったらお試しあれ!

*黒糖商品や石鹸類、ふるさと納税でもGetできるそうですよ!



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コメント一覧

yononushi
@nettaigyo_1952 Facebookとアドレスの方を記載で修正しました。
確認して下さってありがとうございます。

自分が使ったり食したりして、本当にお勧めのものだと思ったら、これからもどんどん発信していきます。
先日知人に、エラブって小さい島だけど工夫して色んな産物があるし、どれも美味しいね!ってビックリ&感動されてました。
沖永良部島は島民が作った宝の島ですよ!
nettaigyo_1952
いつもながら、沖永良部島の応援有難うございます♪
黒糖石鹸の使用感も女性ならではの感覚でご紹介して下さり感謝申し上げます。

Yahoo通販サイトが、ライト版店舗を廃止した為、記載のURL店は閉店になっていますので、Facebookのまるとよ農産又は、marutoyo-nousan@po3.synapse.nejpにてお願いします。大変申し訳ございません。
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