島に住む親族同士が会話をしていると、何を話しているのか全く聞き取れません。
私は初めて島言葉で話す叔母たちの会話を聞いた時に、たんに単語が分からないというよりも、まず言葉そのものの音が標準的な日本語とは違うように聞こえました。イメージとしては朝鮮語です。音の波長だけを聞くと何だか朝鮮語だな~って勝手に思ったのでした。もちろん私は朝鮮語は分かりませんけど、音のイメージが単にそうだと思ったのです。
私にとって不思議な音で言葉を話す島の人々。島言葉にはどんな秘密があるのかを、言語的学的にちょっと知りたくなったので調べてみることにしました。
南島語は三母音である
日本語の母音は「あ・い・う・え・お」と5つありますよね。何と、南の島の方々が話す言葉は三母音なのだそうです。あ~それで何だか音の波長が標準的な日本語とは違って聞こえるのですね。
母音の音はこのようになります。
初級編:三母音とルール
あ い う
え → ”い”の音で発音
お → ”う”の音で発音
このルールで以下の言葉を発音してみます。
①鬼(おに) → うに
②後(あと) → あトゥ
③表(おもて) → うむティ
④上(うえ) → うい
⑤手(て) → ティ
⑥目(め) → ミィ
⑤⑥のように単語が1音の場合、その音がえ段・お段の場合は、もとの音はそのまま発音して、それを上記ルールで読み替えた音を追加するようですね。
なので⑤の場合は”て”はそのままで、”て”はえ段なので読み替えの”い”を追加して”ティ”となる。なかなか難しいルールですね。
子音の交代
母音の読み替えルールの初級編が終わったところで、次は子音の交代ルールです。
中級編-1
P音 → F音
F音 ⇔ H音
H音 ⇔ K音
このルールで以下の言葉を発音してみます。
①葉(は) → ふぁ
*”は”のH音がF音に代わるルールによって”ふ”になり、”は”の文字は”あ”段なので、”あ”はそのまま残す。上記でもあった1音ルールですね。
②鎌(かま) → はま
*”か”のK音がH音に変わるルール
③刀(かたな)→ はたな
*”は”のH音がK音に変わるルール
「M」と「N」の交代
中級編-2
「M」 → 「N」 鏡(かがみ) → はがに
*”か”のK音がH音に交代して”は”になり、最後の”み”のM音がN音の”に”に転じる
「り」の音のR離脱
上級編
語中・語尾の「り」Riはa/r/u/oの後では原則としてRが離脱して「い」となる。
百合(ゆり) → ゆい
薬(くすり)→ くすい
まり → まい
上がり(あがり) → あがい
下がり(さがり) → さがい
ざっくり見ただけでも、このようなルールがあります。もちろん細かく見ていけば素人の私にはもう説明のできないルールもあります。ここまでルールがあると、発音に関しては多言語レベルですね。島言葉を話そうとするには、訓練が必要ですね。何だか英語などの外国語より難しく感じてしまいます。でもちょっとマスターしてみたい自分がいます(^_^)
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このように発音ルールは日本語をベースとして読み替えとなってるので、やはり古代から南島の島々は日本であったことが分かりますね。
言葉は生き物ですから、同じ南島でも場所によったり、世代によったりで違った発音をしていると思いますので、上記ルールはあくまで参考に!
先祖探しから歴史編、言語編へと多岐に渡っての自由研究となっております。
これが先祖探しというものでしょうかね。
追記
①”を”の音を省略することもあるようです。
②日本語と南島語が分離したのは、服部四郎博士説によると今から1500~1700年前ごろだそうです。(弥生~古墳時代)
島言葉は時代とともに、だんだん薄れていっているようです。
言葉も島の大切な宝です。後世に伝え残していかなければいけませんね。
何がお手伝いできるかな。