非才無才の雄叫び

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東日本大震災 曾野綾子氏と文芸春秋「日本はどこで間違えたか」

2012-01-20 11:59:18 | 日記
東日本大震災曾野綾子氏の教育改革国民会議レポートの粗末2
東日本大震災曾野綾子氏の教育改革国民会議レポートの粗末1
東日本大震災 曾野綾子氏の産経新聞「透明な歳月の光」の怪
東日本大震災 曾野綾子氏と読売新聞の「税と安心」
東日本大震災 曾野綾子氏と読売新聞「編集手帳」
昨年は東日本大震災・曽野綾子のキーワードで1年が過ぎた
のではないかと思います。東日本大震災の復興もままならない状態に私
たちはどうしたらいいのか・・・・。今回は年末に見たテレビ「坂の上
の雲」の203高地の戦いの場面を見ている時に、夫の頬を一筋の涙が流
れるのを見てからの話です。

NHKの「坂の上の雲」。CGを駆使しての臨場感溢れるシーンが見る者
を惹きつける。203高地を奪還しようと駆け上っては次々と敵の銃弾
に倒れてゆくわが国の兵士の姿を見て、涙が溢れてきた。その時「日
本はどこで間違ったのだろうか」。ふと、そう思った。203高地を奪還
するまでに約2万もの将兵を失ったといわれる乃木将軍に笑顔もな
かった。苦悩する乃木希典を演じる能面のごとき柄本明さんの表情
と演技のすごさが相俟って、230万人の将兵を犠牲にしたといわれる
第二次世界大戦のことが脳裏を過ぎる。明治の偉勲たちがそれを知
ったらどれほど嘆いたであろうか。どこで・・・元老・山縣有朋の強引
さが以後の陸軍とりわけ関東軍の独断専行を許し太平洋戦争突入の
悲劇を生み出したのではないか・・・日本はどこで間違ったのだろう
という思いを抱えているうち、文芸春秋の新年特別号の見出し広告
の中に「日本はどこで間違えたか」大アンケートとあって石原慎太
郎、曽野綾子、菅原文太、中村邦夫、半藤一利、鈴木敏文他という
広告文が目に留まった。曽野綾子氏の名前があったからではなく、
石原慎太郎氏がどう答えているんだろうというのと、どういう人た
ちが、このアンケートに答えているのか興味が湧いたので年が明け
て書店へ行き文芸春秋の新年特別号を買った。書店でその本を手に
した時、ふと幼い頃のことを思い出した。年末になると金色をふん
だんに使った豪華版の表装で付録も普段より多い「小学○年生」?
とかの新年号の雑誌を書店へ行って買ってくるのが楽しみの一つだ
った。・・・・・思えば、あっという間の60年だ。
・・・・サブタイトルに「低迷をまねいた分岐点はいつか。識者3
0人が歴史を鋭く抉る」さらに二つ目のアンケートーもう一つの日
本は可能だったかー。アンケートとあるが形式としては400字詰め
原稿用紙3枚程度のコラム集だ。
まず最初に石原慎太郎氏。「無条件降伏という過誤ー1945年8月」。
ドイツは無条件降伏ではなく、二つの条件を付けたという。第一は
戦後の新生ドイツの新憲法はあくまでドイツ人自身が作成する。第
二に、戦後のドイツにおける教育の指針はあくまでドイツ人自身が
決める。これに対し日本は無条件降伏で新憲法も教育も連合軍が作
成したものを受け入れた。そして日本とドイツの敗戦についてのニ
ューヨークタイムズの社説を紹介。「ドイツの降伏については、こ
の優秀な民族の再生に我々は力を尽くして協力しようとあるが、日
本の場合には横に漫画が添えられていて、醜悪巨大な怪物が横たわ
りあんぐり開いたその大きな口の中にアメリカ兵たちが入ってその
牙を抜いている。その解説に『この醜悪で危険な怪物は倒れはした
がまだ生きている。我々は世界の平和のためにいかに長い時をかけ
てもこの怪物を解体しつくさねばならぬ』とあった。つまり白人の
奢りからすれば有色人種の中で唯一日本人が白人並みの近代国家を
作ったということは、ヒットラーの作ったナチスドイツよりも許し
がたいものだったのだ」。無学の当方にとって、こういう知識を得
ることは有益なことだが、本当に「白人の奢りからすれば・・・・・・
許しがたいものだった」のだろうかと疑問が残る。太平洋戦争の開
戦時の状況を記した書物を紐解くと当時の政府の手違いもあって
「真珠湾攻撃は宣戦布告のない奇襲攻撃」となってしまったとあっ
た。アメリカは日本のだまし討ちにあって憎悪が残ったのではない
かとは思うが、偏狭な黄禍論一色でニューヨークタイムズの社説は
書かれていたのだろうか。ここは冷静に終戦前後のドイツと日本を
比較するところから再検討すべきだろう。まずドイツはソ連と不可
侵条約を結ぶ際、秘密条項を設けポーランドをソ連と分割するとい
う密約を結んだ上でポーランドに侵攻したといわれている。ソ連も
ドイツのポーランド侵攻と機を一にしてポーランドに侵攻しポーラ
ンドの半分を占領した。アメリカはその時、ドイツのポーランド侵
攻は対岸の火事でしかなく直接の被害などなかった訳だから日本に
対するような憎悪など起こるべくもないし、それとアメリカがドイ
ツに好意的だったのはV二号等のロケットやジェット機を開発して
おり、それが欲しい技術だったこともあるだろう。ところが実際に
はドイツが降伏する前にアメリカ、ソ連、イギリスはヤルタ会談を
開きドイツ分割とドイツの領土の約25%をポーランド等とソ連領に
し日本の樺太、千島列島のソ連による領有について合意したといわ
れている。しかもドイツはヒトラーが自殺して中央政府がほぼ壊滅
した状態で降伏したのに対し、日本の中央政府は無傷のまま降伏を
受け入れた。石原氏が言うように「偏見」があったのなら、なぜ日
本本土をドイツと同じように分割しなかったのか。なぜ沖縄を50年
の信託統治として後に返還したのか。
 むしろ、ニューヨークタイムズの社説は天皇を現人神として日本
民族を支配し戦争へ駆り立ててきた軍国主義国家日本のイデオロギ
ーの解体と日本の国民をそのマインドコントロールから解き放つこ
とが相当の困難を伴うことを示唆したものではなかったのか。しか
し、当時のニューヨークタイムズの社説が石原氏の書いたとおりで
あるならば、それはこの二つの国の将来を暗示していたようにも受
け取れる。ドイツと日本は互いにアメリカの同盟国として驚異的な
復興を果たし先進国となったが、領土の1/4をなくしたドイツはEUの
中核となり、先のサッカーワールドカップドイツ大会で冒頭、第二
次世界大戦での暴虐を世界に向けて謝罪した。そればかりではない。
ネットを見ると白水社の「ちょっと立ち読み『ドイツの歴史教育』」
というタイトルで本の紹介があり、一部が記載してあった。川喜田
敦子氏の著書の一部だ。その一部を以下に転記した。
「 ……ナチの過去を次世代に伝えることは、ナチ体制の崩壊から
60年をへた今日でも、歴史教育の最重要課題のひとつと考えられて
いる。そのため、ドイツの歴史教育では現代史が重視され、ユダヤ
人の迫害と殺害などナチ時代の加害の歴史は十分な時間をとって教
えられている。ホロコーストやユダヤ人に関連するテーマは、歴史
の授業はもちろん、政治、国語(ドイツ語)、プロテスタント宗教
学、カトリック宗教学などの時間に扱われることもある。また、強
制収容所跡をはじめとするさまざまな記念館、歴史博物館、展示会
の見学が校外学習プログラムとして授業に組み入れられている

さらに近隣諸国との歴史認識の摺り合わせは相当困難を極めたよ
うだ。歴史認識の一致を見るにはドイツの冷静な判断と妥協と粘り
強く冷静な交渉があってのことであろう。
 一方日本はどうか。もし日本のサッカー連盟がドイツのようにワ
ールドカップで謝罪したら日本は大騒ぎになっただろう。勿論、
いわゆる村山談話や河野談話を「自虐史観」などと揶揄する保守派
の論客達は放ってはいまい。石原慎太郎氏もその一人だろう。だか
ら日本は近隣諸国との友好関係が未だにギクシャクしているのだ。
石原慎太郎氏よ!いや裕ちゃん・裕次郎の兄貴よ!裕ちゃんのように
大らかで颯爽とした姿を見せて欲しい。
石原慎太郎氏と同じく、戦前から戦後の戦後処理までをターニング
ポイントとして意見を述べている識者は他に東京都副知事で作家の
猪瀬直樹氏、元外務官僚で作家の佐藤優氏他3人。佐藤氏は「北方
領土痛恨の失敗ー1951年」として「1951年のサンフランシスコ
平和条約締結時に『千島列島とは、ウルップ島からシュムシュ島ま
での十八島であり、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島は放棄して
いない』と明確に宣言したならば、北方領土交渉ははるかにやりや
すくなった」と当時の政府の失敗を指摘し、その情報を明確に開示
している。政府は当時の失敗をひた隠しにしてきたということだ。
北方領土返還運動に関わった人たちに、このことは知らされていた
のだろうか?今後どのような返還交渉をするのか、気が重くなるば
かりだ。
次に目を引いたのが竹中平蔵氏の「最も失われた三年ー2009~11年」
竹中氏はテレビ討論でも笑顔を絶やさずに理路整然と応酬して好感
度抜群の学者。今回も明快な答えで自らが関わった経済政策の妥当
性を主張して「失われた20年ではなく、失われた13年、回復し
た5年、最も失われた3年」として麻生政権からのポピュリズム政
治への方向転換が今日の停滞をもたらしているとしている。しかし、
規制緩和と称して労働法を改正し、安価で流動性の高い労働力を創
り出して企業活動を活性化したのは良いが労働者の為のセフティネ
ットの構築を怠った為、リーマンショックで契約社員のホームレス
化が社会問題となり格差社会がクローズアップされることとなった。
竹中氏はそのことについてはこのアンケートに限らず、すべてのシ
チュエーションでなんら言及はしていないように見受けられる。是
非、答えを聞きたいものだ。
 バブル以降の経済問題を取り上げたのは竹中氏の他に12名の作
家や学者、政治家、実業家達だ。政治家では舛添要一氏、与謝野馨
氏、ノーベル賞受賞者の野依氏、テレビでお馴染みの浜矩子氏他、
当方にとって分りやすかったのは、やはり経済学者で作家の堺屋太
一氏と京大教授の中西輝政氏、評論家の屋山太郎氏の3人。この3
氏に共通することは旧態然とした官僚主導の政治の問題点を解りや
すく解説している。なかでもユニークな問題提起は評論家の屋山太
郎氏の「大海を恐れる魚ー1980年代」。日本の規制過多は戦前
の統制経済の名残である。農協を中心とした規制社会から解放され
ることが今後の日本の発展に不可欠と解く。早くそうなって欲しい
と思うばかりだ。
 さて個人の問題に焦点を当てたのは、ほかならぬ曽野綾子氏と俳
優の菅原文太氏。菅原氏はバブル期に勤勉と言う美徳を捨てたこと
が今日の低迷をもたらしているとしている。菅原氏は俳優なので、
当方も取り立てて物申す気はない。要はわが愛すべき曽野綾子女
だ。相変わらずの論調の「安心病」節で「不条理を忘れた驕りー
1973年」。1973年に政府から災害弔慰金が出るようになったのが「
甘えかし」「甘えるようになった」原因だと言いたげだ。曾野綾子氏
は国家というものを理解していない。政府がなぜ災害弔慰金を出す
ようになったか、被災者生活再建支援制度をなぜ設けたか考えもし
ないのだろうか。理念的には富の分配や福祉の充実向上という憲法
上の建前があるが、もっとシビアな見方をすれば被災者を放置すれ
ば、その分、国民の労働意欲をも削いで税収が落ち込む。税収を上
げGDPを挙げ、さらに国富を高めていくには被災した国民への迅速
な援助は必須だからだ。つまり政府というものは打算的で功利的な
執行機関ということに他ならない。それも解らずに?「不条理を忘れ
た驕り
」?どういう意味か?不条理ということを忘れると驕りになる
のか?ここで言う不条理とは哲学的な不条理ではなく、ごく一般的
にいう不条理で、災害などの状況を指しているのだろうけど、だっ
たら「不条理を忘れた」という表現は意味不明だ。曾野綾子流の考
えで不条理という言葉を使うなら「不条理を受け入れない驕り」で
はないのか?災害という不条理な状況に遭っても、その現実をあり
のままに受け入れて誰からの援助も受けず立ち向かっていく、それ
が本来で、人に頼ったり援助を当てにするのは不条理を受け入れよ
うとしない驕りの姿勢だ。そう言いたいのだろう?作家なんだから、
もう少し的確な表現が出来ないのですか?
それと「今では教育は国民の権利だから教科書は1969年までに
はすべて無料になり、その後若者の登校拒否、ひきこもり、自
殺も増えた
。」なにこの文章は?相変わらずの悪文じゃないか。
権利について、「今では」?・・・・教育を受ける権利は日本では戦後、
新憲法によって明文化され保証されはしたが欧米諸国では、それ
以前からある国民の権利の一つであったはず。日本では「教育を受
ける権利」というのは、戦前は憲法に明文化されてはいなかったの
で、それ以前には認めがたいということか?それでは論議を呼ばな
いか?とにかく「文化功労者」で教育改革国民会議の委員を務めた人
がこの程度の表現しかできないの?・・・それと権利だから・・・だけで
はないでしょう?教育を受けることは権利であり義務でもある。
念のためにウィキペディアで戦前の義務教育の歴史を調べてみた。
尋常小学校は義務教育ではなかったのかと思いネットを検索すると
歴史 [編集]1886年(明治19年)の小学校令で尋常小学校と高等小
学校が設置される。このときの尋常小学校(義務教育)の修業年数
は3年間もしくは4年間で、1900年(明治33年)の改正で4年間のみ
に統一され、その後、何回かの変遷を経て、澤柳政太郎文部次官の
下、1907年(明治40年)に6年間に延長された
。」
また昭和16年には国民学校令が発布され
義務教育の年数が8年(初等科6年・高等科2年)に延長され名称も
国民学校初等科、高等科と改められた

帝国憲法には国民の権利は明記されていなかったが、義務は明記
されていた。教育に関して言うならば義務は権利の一つでもあっ
たと解することはできないのか?
さらに新憲法の条文も記載しておく。
第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に
応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子
女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償
とする。

権利だから無償にしたのではなく義務を負わせたから無償にせざ
るをえず、これもひとえに教科書無償化運動の賜物であり成果だ。
曽野綾子氏の言葉は、それを否定するかのような表現となっている。
すべて無料になり、その後若者の登校拒否・・・・増えた」?
これではまるで無料になったことが、若者の登校拒否、ひきこもり、
自殺を増やしたとなるではないか。文章が論理的な飛躍をして面
喰らってしまう。

曽野綾子氏よ

執筆依頼の内容によっては

辞退することも晩節を汚さない

「老いの才覚」の一つですよ
・・・ということです。


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