こんなのできた!<4>

単調な生活に新発見を!  
日々の小さな出来事の写真日記

■ yosshy の短歌 3(201~300)

2019-09-17 06:20:22 | 41★yosshyの短歌


12/18 退職後幾度も礼服着用し白ネクタイは締めることなし(毎日)
2024/12/13 梵鐘を初めて撞きつ蕪村詠む鐘をはなるるかねの声聞く(産経)
2024/12/04 雅楽ひびく落慶法要住職は子息の所作をじつと見守る(毎日)
2024/11/30 けふもまた大人の駄菓子屋のぞきをりネジの一本七円払ひ(讀賣)

2024/11/16 里芋のぬめりがいいと言ひし母二、三個つまみ味見してゐる(讀賣)
2024/11/15 擦り傷をなづれば過去のよみがへる古きよき友ニコンのカメラ(産経)
2024/11/14 本堂が椅子に替わりて苦にならず寺の行事はいとわず参加(朝日)
2024/11/06 回収令のがれし梵鐘正午には撞く鐘十二回村に響けり》(毎日)
2024/11/01 毎日を「けうやう、けういく」心掛く自動扉の背の丸きこと(産経
290
2024/10/23 皺のなく黒髪ふさふさやや細身妻は楽しげに自画像描く(毎日
2024/10/19 あす彼岸とふに猛暑の衰へず美しき名の十六夜わたる(讀賣)
2024/10/18 想い出を語り切れずにまた会おう最後にならぬわがクラス会(産経)
2024/10/09 伸びすぎの枝葉を落とし五分刈りに切り戻したる秋茄子うまし(毎日)
2024/10/05 山門の解体決まり心寂し幾度もくぐり目に焼きつける(讀賣)

2024/10/04 お開きの歌変はりゆくクラス会かみしめ歌ふ「うさぎお~ひし」(産経)
2024/09/21 写真ではいつも見ている四歳児ほれぼれとする江戸っ子言葉(讀賣)
2024/09/20 梵鐘をあす引き取るの回収令吏員の温情今に鳴り継ぐ(産経)
2024/09/19 雨降らず草も生えざるこの暑さ割り箸使ひ冷や麦を食ふ(毎日)
2024/09/14 夏野菜作るはまるで戦争だ空からカラス地下よりモグラ(讀賣)
280
2024/09/07 見るからに安心できる看護師さん身体大きく声の大きく(讀賣)
2024/09/05 ありがたき入選二百五十回歌集を編みて生きざまをみる(毎日)
2024/08/09 待ちまちし山門再建雅楽ひびききらびやかなる僧侶がくぐる(産経)
2024/08/03 新しきカメラのシャッター心地よし飛び立つ鳥の一瞬の貌(讀賣)
2024/07/25 タクシーの一台もなきこの町に免許返納考へられず(毎日

2024/07/15 初投稿初入選をきつかけに一日一首が日課となりぬ(産経)
2024/07/04 インゲン豆の記憶力はうらやまし左に巻きてこの年も伸ぶ(毎日)
2024/06/29 なす三十とまと六十すいか十植ゑつけ終ふる令和六年(讀賣)
2024/06/28 疲れたろうひとりぽっちの金次郎背中の薪を下ろしてあげたい(産経)
2024/06/20 気ままなるわが家のアザサ立夏すぎ今年咲くやとそわそわし待つ(毎日)
270
2024/06/06 絵筆持つ二歳の孫の筆づかひあと二十年生きたし生きる(毎日)
2024/05/31 当事者になりてやうやく理解せりわづかな段に手すりを持ちぬ(産経
2024/05/11 二十段段位の上がる囲碁クラブ新会員は古猛者五名(讀賣)
2024/05/09 長閑やかに辿りつきたる八合目あと二十年妻と歩まむ(毎日)
2024/05/03 役もちて新しき世界広がりぬここも人情厚き人々(産経)

2024/04/20 指先をまつ黒にして分葱剥くぬた和へ食へば早春の風(讀賣)
2024/04/18 統合し校名変はり校歌消え「青山四方」とついついハモる (毎日)
2024/04/05 卒業後一度も会はぬ同期生歌壇見てると賀状に誌す(産経)
2024/03/28 客席にスマホの灯り広がりてアップのわが子追いかけてゐる(毎日)
2024/03/22 大寒に畑覗けば草だらけちよっとの作業汗だくになる(産経)
260
2024/02/29 筆跡に見覚えあるとご住職叔父の残しし南無阿弥陀仏を(毎日)
2024/02/23 をさな児の箏の独奏 客席に「さ・い・た・さ・い・た」の合唱の起く(産経)
2024/02/15 口はわれ似鼻はわたし似といつまでも稚児の写真に飽きることなし(毎日)
2024/02/09 もみ殻の白煙もくもく立ち上がり急坂登るSLのやう(産経)
2024/02/03 擂粉木で黒豆打てば弾け飛ぶ出でゆきし子は帰省もせざり(讀賣)

2024/01/20 号令の「休め」のごとく霜降りて一気に枯るる里芋の茎(讀賣)
2024/01/12 音楽で安らぎ得るごと若き日のカメラ取り出しシャッター音聞く(産経)
2023/12/15 晩秋に汗の吹き出る作業者を見てゐて楽し建築現場(産経)
2023/12/02 澄みわたる秋空うまし思い切り山呑み込むごと深呼吸する(讀賣)
2023/12/01 いつか読むために求めし文庫本五十年経て開く万葉集(産経)
250
2023/11/17 十五年欠かさず綴るフォト日記言葉を添へて一日を終ふ(産経)
2023/10/20 緑濃きインゲンマメの根元には鳥の運びしケイトウの燃ゆ(産経)
2023/10/14 馬鈴薯をつぶさに見ればひとつづつ何か言ひたき顔をしている(讀賣)
2023/10/06 手作りの西瓜の囲ひ突破さる趣味なる吾と必死の野獣(産経)
2023/09/30 土間の角ぺたりと腹をつけて寝る風通る道知りたるタマは(讀賣)

2023/09/24 植ゑすぎとわかつてゐても同じ手間道行く人に胡瓜を配る(産経)
2023/09/08 万葉の花とふアザサ開花せりページをめくり歌を探しぬ(産経)
2023/09/02 新しき称号得たる誕生日気持ち二十歳の後期高齢者(讀賣)
2023/08/13 手をあげて止まってくれる人のいて道わたりゆく黄色い帽子(産経)
2023/07/29 芋の葉は勝手気ままな方を向き個性あふるる表情をせり(讀賣)
240
2023/07/28 下からの「ほ~い」に「ヘイ」の掛け声で支柱を放り足場組み立つ(産経)
2023/06/30 子を乗せてちまき・柏の買ひ出しに同じことを子は孫にせり(産経)
2023/06/24 大好きと言つたばかりに毎日がゑんどうごはんと卵とじ出づ(讀賣)
2023/06/17 讃美歌に想ひ出のせて送り出す忘れられない叔母の気づかひ(讀賣)
2023/06/03 軒下に吊るす玉葱いつからか母に代はりて妻がなしをり(讀賣)

2023/05/20 学校に少し慣れたか散る蕊を踏まないようにつま先歩き(讀賣)
2023/04/22 役立たぬ十年前の新技術ふんぎりつけて蔵書を整理す(讀賣)
2023/04/21 一瞬に燃え尽きる藁 熱き灰切り口に塗りじゃがいもを植う(産経
2023/03/18 温き日に土を返して天日当つ肥料鋤き込み土ふくらます(讀賣)
2023/03/09 《如月を待ちて畑の土起こしカチッと鳴りて春の始まり(讀賣)
230
2023/02/24 通るたびひとつふたつと口にせり完成までは待てぬ干し芋(産経)
2023/02/10 四人家族そろって二十四日の誕生日いつまでも続けこの強運を(産経)
2022/09/16 形よき野菜を近所にお配りす母なししことやうやくわかり(産経
2022/08/19 クエン酸入れば瞬時にルビー色夏ばてによき紫蘇ジュース美味し(産経)
2022/07/08 使ってとハガキを呉るるご近所さん載っていたねのひとことうれし(産経)

2022/05/28 好きなりし大根の花をひとつ摘み月命日の供へに加ふ(讀賣)
2022/05/13 断捨離と勇んでみても横に置く★の三つの岩波文庫(産経)
2022/04/29 冷蔵庫にボケない小唄貼りつけて毎朝ふたり合唱をせり(産経
2022/04/15 ウインドウの雛人形の凛々しかりわが背の丸みしゃんと伸ばしぬ(産経)
2022/04/01 祖父が祖のわが家の系図切りのよし令和の孫で百五十年(産経)
220
2022/03/19 寒空に土を返へせばツグミ来てしばしの対話にほつこりとする(讀賣)
2022/02/10 書き入れの少なき予定妻と吾の病院通ひが交互に並ぶ(毎日)
2022/02/06 二年ぶりに群馬ナンバーとまりをり漏れくる灯りなつかしき声(讀賣)
2021/12/23 職を退き気ままな暮らし望みしも浮世のしがらみ断ち切りがたし(毎日)
2021/12/05 体には農の暦のしみつきてゑんどうを蒔く霜月五日(讀賣)

2021/12/02 並びゐる先祖の写真に際立てり吾より若き四十九歳の父(毎日)
2021/11/07 十月の澄みいる空を渡りゆくゆっくり太りあす十三夜(讀賣
2021/10/31 五年ごと免許のためにメガネ替ふ今年届かぬ割引はがき(讀賣
2021/09/26 らせん形ふたつ並べて宇宙人サザエの蓋と子は遊びいる(讀賣)
2021/09/19 眠るにも体力要ると言ひし母その歳越えて同じこと思ふ(讀賣)
210
2021/09/12 六十年ぶりに姉と暮したら飯食むしぐさ母が居るやう(讀賣)
2021/09/05 脳裏より出づる五輪のあのマーチ大志抱きし少年は老ゆ(讀賣)
2021/08/29 すいすいと登りしはずの坂道を自転車押して向日葵に笑む(讀賣)
2021/08/01 半夏生に赤紫蘇どさつと刈り採りて母なししごと塩もみをせり(讀賣)
2021/07/25 今年こそアライグマには喰はるるな二重の柵で西瓜を防御(讀賣)

2021/07/04 スーパーを出でてマスクを剥ぎとれば六月の風爽やかにして(讀賣)
2021/06/27 色あせし岩波文庫啄木集 歳古りてなお身ぶるひのせり(讀賣)
2021/06/13 空中をハンマーひとつ腰に提げひらりひらりと足場組み立つ(讀賣)
2021/06/06 ふわふわの綿に包まるるソラマメよ稚児のやうにふくふく育て(讀賣)
2021/05/23 風立ちて赤く地べたが染まりゆく桜蘂よ降れ稚児の泣くごと(讀賣)

選者
(讀賣)大和よみうり文芸:植田 珠實 先生(2021/04/11~)
(産経)奈良歌壇    :藤川 弘子 先生(2022/04/01~)
(毎日)やまと歌壇   :横山 季由 先生(2018/12/06~)
(朝日)大和歌壇    :英保 志郎 先生(2024/11/14~)

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■ yosshy の短歌 2(101~200)

2019-09-17 06:20:20 | 41★yosshyの短歌

200
2021/05/09 コロナ禍に健康診断進みゆくカラ咳ひとつする人もなく(讀賣)
2021/04/25 三月のこの暑きこと 電柱の影に入りて信号を待つ(讀賣)
2021/04/18 片隅の桜に見惚れ気がつけば消えし校歌を口ずさみをり(讀賣)
2021/04/11 寺川の急な傾りにへばりつき風を受けつつ蓬を摘みぬ(讀賣)
2020/05/21 大工の打つ掛矢の響き心地よく屋根の天辺に棟木納まる(毎日)

2020/04/23 この歳になりても数値をよくしたくお菓子を控ふ健診前は(毎日)
2020/04/20 碁クラブもコロナにて休止いつになく畑の草をていねいに引く(毎日)
2020/03/19 待ち侘ぶる集会中止も仕方なし免疫力の弱きわれらは(毎日)
2020/03/05 百年を支へし塀の「竹小舞」筋金入りの左官を憶ふ(毎日)
2020/02/20 若きより舞に励みし九十歳歩く姿にわが背を伸ばす(毎日)
190
2020/02/13 年ごとに今年の寒さが一番と言ひこしものを嬉しき暖冬(毎日)
2020/01/09 手間暇をかけてひと味深み増す寒空に干す切り干し大根(毎日
2019/11/28 九十歳四人二列に手押し車背筋伸ばして文化祭に行く(毎日)
2019/10/31 同じ頃『ロウソクの科学』吾が読みゐき本を取り出し吉野さん祝ふ(毎日
2019/10/24 冬野菜適度の雨に発芽良し被害地を思ひ長き草引く(毎日)

2019/10/10 座蒲団の端につまずき情けなし自信も自負もありたる吾の(毎日)
2019/09/25 大池に長く伸びゆく線ふたつ番ひのカルガモ離れずに行く(毎日)
2019/08/22 約束のギリギリに来ていし同期生職退きてより一番に来る(毎日)
2019/07/18 時間かけ書き上げし日の写真日記十年前の若さ懐かし(毎日)
2019/07/04 三〇キロの玄米持ちて腰痛めし母叱りたるその歳を超ゆ(毎日)
180
2019/06/13 大玉は持てぬと言ひし母の歳となりて中玉の西瓜の水やりをする(毎日)
2019/06/06 鏡の吾の皺の太さは気にならず二十歳のこころで日々暮らしをり(毎日)
2019/05/23 夏野菜植ゑ終へ腰を掛くる畦蓮華の匂ひ漂ひくるなり(毎日)
2019/05/09 根元より倒れし桜も洞のある桜も咲きて籠つてをれず(毎日)
2019/04/11 堤防の急な斜面に踏みしあと蓬を摘むは我だけにあらず(毎日)

2019/02/14 体操のビデオで始むるシルバー会こもりがちなる人を誘ひて(毎日)
2018/11/11 口なかでとろけるやうだと褒められて来季も作らう大きな茄子を(讀賣)
2018/10/14 異常気象続きの二〇一八年なにもなきごとに彼岸花咲く(讀賣)
2018/09/30 過去に二度似たる台風 小さき手で雨戸押さへしこと甦る(讀賣)
2018/07/29 個性ある噺家ひとりまた逝きぬ舌戦つきざらむあの世の笑点(讀賣)
170
2018/06/10 夏野菜計画通り植ゑをへて卒業式に似たるさびしさ(讀賣)
2018/05/27 心臓の鼓動のごとき点滴をぼんやり見てゐる術後の夜明け(讀賣
2018/04/15 これからの暮しはおまけ良い野菜作りて人に喜ばれよう(讀賣)
2018/04/01 会議終へ議事録作りは楽しかり十七ページを一気に書き上ぐ(讀賣)
2018/03/25 あの頃はなにも気づかず離れたりどうしてゐるだろあの時の人(讀賣)

2018/02/11 グランドに微かな風が吹きはじめ児は追ひかくる凧引く母を(讀賣)
2018/02/04 みぞおちの痛み気になる健診日大きな虹に心しづまる(讀賣)
2018/01/07 小春日のつづきて畑は捗りぬ石をめくれば蛙も出でて(讀賣)
2017/12/17 自家野菜のじまんのひとつは無農薬 虫を見てより子は口にせず(讀賣)
2017/12/03 立冬に玉ねぎ苗を植ゑをれば静寂やぶり柿の葉の落つ(讀賣)
160 
2016/12/22 角度変へ光当てれば微笑みぬ彼の人に似る能の小面(毎日)
2016/12/16 パソコンをたたく指輪が光りたりせめて四キロ減らせと女医は(産経
2016/12/01 腰入れて大根抜けば地面揺る震度は三とラジオの伝ふ(毎日)
2016/11/17 線香の香りにまじり木犀のにほひて母の逝きて四年か(毎日)
2016/10/27 をののきて土掛けし白き卵より亀の三匹出でて驚く(毎日)

2016/10/21 シルバー会一対三の参加率元気はつらつ媼軍団(産経)
2016/10/06 台風にプロの仕事を見せられる雨のかからぬ夕刊を受く(毎日)
2016/09/29 職退きて革靴ひとつあれば足りゴム長すでに五回買ひ替ふ(毎日
2016/09/15 碁敵のよきに出会ひぬ春は筍夏は真桑に葡萄をもらふ(毎日)
2016/09/08 六年も保存の白菜の種なるになにもなきごと五日で発芽(毎日)

150
2016/08/26 紙いちまい重ぬるごとく稽古せよ音楽教師にわれもうなづく(産経)
2016/08/12 弓なりになりて若きは太鼓打つ一打一打にわが血のさわぐ(産経)
2016/08/11 シルバーカーにおはようと声かけられて草引くわれはもうひと頑張り(毎日)
2016/07/29 検査さるる強き光に眼が痛み加齢のせいとまた言はれたり(産経)
2016/07/21 団塊のわが世代次々退けど成長支へし自負は消えざり(毎日

2016/07/07 若者はひたすら太鼓を連打する六月の空破れんばかり(毎日)
2016/06/29 出たくとも同窓会に行けぬ友は集合写真のひとりを見つむ(讀賣)
2016/06/22 投下せし国の大統領と被爆者が抱き合ひ願ふは核なき世界(讀賣)
2016/06/16 酒を酌み未来語りし友といま野菜作りを教へ合ひをり(毎日
2016/06/09 朝に咲き夕べ萎るるアザサの花今を生きよと教ふるごとく(毎日)
140
2016/06/02 新しき小学校の金次郎児らの高さに降り来て本読む(毎日)
2016/05/26 連休に図書館通ひの学生ら頼もしく見ゆ日本の未来(毎日)
2016/05/19 老人会の名簿作りて八年目人口減少ここにも及ぶ(毎日)
2016/05/18 道順を変ふれば小さき幸のあり遅咲きの桜まさに満開(讀賣)
2016/05/05 よもぎ葉を擂りつぶすほど色増せり叔母の好めるわが家の草餅(産経)

2016/04/22 朝八時職員つぎつぎ塵拾ひ小さきことが役場を変へる(産経)
2016/04/21 手をつなぎ首振り歌ふ園児らのどんぐりころころに胸熱くなる(毎日)
2016/04/06 花を植ゑ野菜育つが生き甲斐と熱き媼にわれも畑打つ(讀賣)
2016/03/30 ひとり欠きまた一人減る同窓会別れの握手の次第に長く(讀賣新聞)
2016/03/25 血液の検査で服薬ひとつ減り梅の開花に心ほころぶ(産経)
130
2016/03/24 大学に合格せりと碁仇は孫のことにて碁は上の空(毎日)
2016/03/23 角の立つことを言ふのも務めなり二年の修行と役を引き受く(讀賣)
2016/03/17 ネコ通る窓辺はわれの指定席「籠もよみ籠持ち」あれから何年(毎日
2016/03/10 朝の日とともに出て来し旅のバス新婚以来ねと妻は寄り添ひ(毎日)
2016/03/02 幼子に世話好きがゐて凧上げの糸の引き方教へまはれり(讀賣)

2016/02/25 二センチの庭の氷を取り出して新しき遊びを子らは始める(讀賣)
2016/02/25 束の間の後先かなし二本の紅梅白梅競ひつつ咲く(毎日)
2016/02/12 ひと月を思案かさねて作りたる回覧板が三日で戻り来(産経)
2016/02/10 一年を欠詠なしに投稿せりおのれの歌に励まされつつ(讀賣
2016/02/10 毎週の歌壇切り抜き四冊目言葉作法のよき辞典なり》(讀賣)
120
2016/01/06 バイオリンの弓の動きは皆おなじオーケストラがどどつと迫り来(讀賣)
2015/12/17 食事待つ人はなくなり二人して沈む夕日をいつまでも見る(毎日
2015/12/03 眼鏡屋につづき銀行・量販店はがきでバースデイを祝いてくるる(毎日)
2015/11/26 職退きて六年経るに昨日また夢に出で来つネジ締め忘れ(毎日)
2015/11/12 職退きしその日に手帳の三十冊焼きて新たな一歩踏み出す(毎日

2015/10/28 さうだなあと頷くだけのこの人に話せば片づくわが悩みなど(讀賣
2015/10/16 戸襖の猫の爪あと消さぬまま四度目の暑い夏が過ぎたり(産経)
2015/10/15 思いつく言葉並べて叱りたる子は出でゆきぬ論理矛盾と(毎日)
2015/10/08 いつになく上機嫌なるわが母の十年前を今日のごと言う(毎日)
2015/10/07 二〇二〇東京五輪にケチがつきわが青春が汚さるるやう(讀賣)
110
2015/09/17 年毎に夜中の目覚め増ゆること誰にもあると「深夜便」言ふ(毎日
2015/09/04 泣き虫は大石先生だけにあらず映画観るたび思ひ似かよふ(産経
2015/09/03 この怒り何日たてどおさまらず茄子の紫咲きつぐ日々を(毎日)
2015/09/02 出でゆきて電話の一本せぬ息子を父親似だと妻はまた言ふ(讀賣)
2015/08/21 茄子胡瓜いちどに生りて食べきれず小分けにして妻は近所をまはる(産経)

2015/07/16 健康の話のはずむシルバー会ちから自慢は昔を語らず(毎日)
2015/07/09 無意識の叔父のハミングわれも知る廃校となりし小学校歌(毎日
2015/07/08 還暦も耳順はず夢多き二十歳のころとなんら変はらず(讀賣
2015/07/01 怪我をせし鷺の眼はするどかり一歩また一歩とわれより離る(讀賣)
2015/06/26 背伸びせる立ち居振舞に疲れたりすべてをさらしてここちよき風(産経)

選者
(讀賣)大和よみうり文芸:植田 珠實 先生(2021/04/11~)
             高 蘭子 先生 (2023年 ご逝去)

(産経)奈良歌壇    :藤川 弘子 先生(2022/04/01~)
             筒井 早苗 先生

(毎日)やまと歌壇   :横山季由先生(2018/12/06~)
             小谷稔先生 (~2018/10/18
                    2018/10/18 ご逝去)

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■ yosshy の短歌 1(1~100)

2019-09-17 06:20:18 | 41★yosshyの短歌

100
2015/06/25 飲めぬのに酒強ひられき職退きて新茶の一服のんびり縁で(毎日
2015/06/11 裸の子を服持ちて追う若き母を久々に見る小児科待合(毎日)
2015/06/03 子を強く叱りしことは忘れ去りわれは深夜に囲碁ゲームに興ず(讀賣)
2015/05/29 ひとり身の訳など聞かばつらからうこちらは元気と電話を置きぬ(産経)
2015/05/27 もうすでに摘みし人あり寺川の急斜面登り蓬をさがす(讀賣)

2015/05/01 子ら孫ら引き連れそぞろ花まつりみたらし団子の行列につく(産経)
2015/04/22 黒猫の二匹じやれあふ見つめつつわが齢思ひ飼ふをあきらむ(讀賣)
2015/04/20 音程の少しずれたる風に乗りコンドル飛び来真昼の畑に(NHK短歌 永田和宏選
2015/03/20 校歌など疾つくに忘れてお開きは恩師の好きな青い山脈(NHK短歌 永田和宏選
2015/03/04 寒に入り炬燵は魔もの吸ひこまれ首だけ出してテレビ見てゐる(讀賣)
90
2015/01/29 かたまりて廃品回収する子らは白き息はきペコリとお辞儀(朝日) 
2015/01/21 隣との間隔きちんと測りつつ玉ねぎ千本植ゑ終へて冬(讀賣)
2015/01/14 劇場に大歓声の湧きおこりき黄色いハンカチあまたはためきて(讀賣)
2015/01/07 十五年乗りし車の前うしろのへこみを撫でて今朝別れたり(讀賣)
2014/12/11 村中の風の抜け道人まばらスマホ片手の車が通る(朝日)

2014/11/12 目が合ひて膝にすわり来る白黒猫ゐのこづちの実をわれに取らせる(讀賣)
2014/10/23 守り来し三百年の当屋相撲 女人解禁少子化に負けて(朝日)
2014/10/22 口論の間あひ計りて入り来し十九年を暮らしし猫はも(NHK短歌 梅内美華子選
2014/10/08 八月を過ぐれば結球せぬといふ母の教へにけふ白菜を蒔く(讀賣)
2014/09/10 南京の垂直栽培は棚を抜け伸びたる蔓は鉄塔と競ふ(讀賣)
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2014/08/26 六人の兄弟姉妹を見送りて幼き日日を語る叔母はも(讀賣)
2014/08/05 繰り返す同じ映像飽きあきてコマーシャル見ればときにおもしろ(讀賣)
2014/07/29 青鷺は一点見つめて動かざり早苗田の鉄塔しづかに揺るる(讀賣)
2014/07/24 早苗田に建築クレーンが伸びてきて核家族化がまた進みたり(朝日)
2014/07/20 二人きりなりて一年なにもかも四分六に切り妻と食ひゐる(NHK短歌 斉藤斎藤選

2014/07/08 生ごみの堆肥のなかに発芽せる南瓜八本択びて植うる(讀賣)
2014/07/03 この年の同窓会は黙祷からわれらも考ふ歳になりたり(朝日)
2014/07/01 六百本の太き玉ねぎ軒下に縛りて吊るす母なししごと(讀賣)
2014/06/24 先生の手を離したる園児らは蓮華畑をまろびまろべる(讀賣)
2014/06/12 寺川を皐月の風が吹き抜けて光の粒が堰つつみ込む(朝日)
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2014/05/27 寅さんの映画見終へて寺川の桜の下の蓬を摘みぬ(讀賣)
2014/05/21 早期退社したるわれには花束もおめでたうもなし言ふてはならぬが(NHK短歌 斉藤斎藤選
2014/05/20 手にしたる岩波文庫の万葉集 いや重け吉事より読み始む(讀賣
2014/04/22 流し雛巡り合はせの身代りは細き目のままわれを見つめる(讀賣) 
2014/04/13 母のため作りし手摺けふはわれしかと掴まり膝を庇ひぬ(奈良県万葉短歌祭

2014/04/02 大寒も風がなければ暖かし脚立にのりて柿の枝切る(讀賣) 
2014/02/11 お千代さんの「あひたいなー」が流れ来て戻れない日を想ひめぐらす(讀賣) 
2014/01/28 もうわれを諫むる人はなくなりぬやんはり諭しし亡き母憶ふ(讀賣) 
2014/01/26 指さしてTHATと教ふを後悔す徒歩一時間伝はらざりし(NHK短歌 斉藤斎藤選
2014/01/21 するすると古老数人木にのぼり心配よそに剪定すすむ(讀賣) 
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2014/01/07 収穫も終りとなりてうら寂し明日にしやうか南瓜の二つは(讀賣)
2013/11/26 オリンピックの招致活動すさまじやその精力を注げ復興に(讀賣)
2013/11/05 猛暑日の続くさなかの冬支度キャベツの種を多めに蒔きたり(讀賣)
2013/10/22 五十回の入選記念に手作りの歌集を編みぬ軌跡たどりつつ(讀賣)
2013/10/01 生り口の真白くなりて爪立たず小暑の朝の南瓜収穫(讀賣)

2013/09/24 から梅雨の真つただなかの短歌会窓打つ雨に拍手がおこる(讀賣) 
2013/09/17 職退きて新しき出会ひ始まりぬ囲碁の翁と短歌の媼(讀賣)
2013/09/10 勲章なく勤めを終へて畑を打つ名知らぬ草と共に生きつつ(讀賣) 
2013/09/03 また留守とさみしげに妻は受話器置く日曜の定時の子への電話の(讀賣) 
2013/08/06 池の鯉ごぼつと体をよぢりたり黒き鱗は濁りへと消ゆ(讀賣) 
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2013/07/30 身を賭して渡航なしし鑑真和上の里帰りかなふ千二百年を経て(讀賣)
2013/06/25 面塚の桜はまだかとブログの友けふ満開と写真載せたり(讀賣)  
2013/06/04 つまるところ他人事として見てをりぬ遅ち進まざる復興のさま(讀賣) 
2013/05/21 二月の野に微小粒子の飛来して山やま霞み大空かすむ(讀賣) 
2013/04/16 この年は一本減りたる恵方巻亡き母の好む甘さそのまま(讀賣)  

2013/03/26 寒の日を幼に戻り突きたり張りたる氷のつめたさ楽し(讀賣) 
2013/02/26 晴れ女最後のさいごも晴れ女十月の空に母を送りぬ(讀賣) 
2013/02/19 一人逝きまた一人逝くこの年の急な冷え込み身体に沁むる(讀賣)  
2013/02/13 このままの病状続けと願ひしも一日二日と医師は告げたり(讀賣) 
2013/01/22 妻とわれも母の病室に暮らしたり小さき机に広ぐる弁当(讀賣) 
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2013/01/15 寒き秋きのふ雄弁けふ寡黙日び衰ふる母に付き添ふ(讀賣)
2013/01/08 もうええわ、百まで生きたと言ひし母あんじようしてと医師に願へり(讀賣) 
2012/12/11 四十年精一杯に働けど妻に及ばぬ米磨ぎ教はる(讀賣) 
2012/12/04 選りに選つてこの日に台風襲来す月見あきらめ供への芋食ふ(讀賣) 
2012/11/27 朝日浴び古墳を泳ぐ鴨たちも千五百年の歴史語るや(讀賣) 

2012/11/16 子の寝顔のぞくがごとく朝夕を発芽せるやと畑見回る(讀賣) 
2012/11/06 蚊取り器を二つぶらさげ草引きす顔に食ひつきし藪蚊放れず(讀賣) 
2012/10/09 見るたびに大きな西瓜と母は言ひとぼけたふりでわれを喜ばす(讀賣) 
2012/10/02 漸くに畑の盗人見つけしが愛くるしき顔のイタチを追はず(讀賣) 
2012/09/25 デイの朝嫁に化粧をしてもらひ手鏡もちて母はほほ笑む(讀賣) 
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2012/09/18 梅雨半ば今朝の目覚めの清すがし八キロの梅甘き香放つ(讀賣)
2012/09/04 おでこには汗が出るまで浸かれよと言ひし母いま介護の入浴(讀賣) 
2012/08/28 出不精の吾に届きたる子のメール、スカイツリーは空を突き抜く(讀賣) 
2012/08/07 茄子胡瓜初もの二つ食ひ終へて妻らと笑ひぬ寿命延びむと(讀賣) 
2012/07/31 インゲンは目のあるごとく正確に左に巻きて空に伸びゆく(讀賣) 

2012/8月号 光陰矢気がつきたれば古りにしに囲碁と短歌を基礎より始む(NHK短歌 坂井修一選
2012/07/17 丸顔の同窓生が四角顔どいつもこいつも親御に似たり(讀賣新聞) 
2012/06/19 わが母校へ幼入学す待ちまちし朝を花一片帽子にのせて(讀賣) 
2012/05/29 日曜を妻のかけをる長電話向かうの声が弾みて聞こゆ(讀賣) 
2012/05/15 生きてきた証しに何か残したく早き目覚めに指を折りゐる(讀賣) 
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2012/05/08 看護師はごめんねと言ひ針を刺すその手のぬくもり胸までとどく(讀賣)
2012/04/24 十人のをみなに囲まるる短歌会おきな一人にまなざし優し(讀賣) 
2012/04/17 九十過ぐれば早き一日らし目覚めのたびに日の進む母(讀賣)  
2012/04/03 屋上に出でて眺むる二上山いつかは登らむ約しし人と(讀賣) 
2012/03/27 大寒に赤黄青白傘の列跳ねる子駈ける子喋る子過ぐる(讀賣) 

2012/02/28 食べたこと記憶にないと言ひはじめ日日に老いゆく母を見つめる(讀賣)
2012/02/19 寄り添ひて道端の落ち葉踏みしむる二人五脚の老老散歩(NHK短歌 坂井修一選) 
2012/02/07 若き日の血がざわめきて立ち止まり詰将棋解きぬ文化祭にて(讀賣) 
2012/02/02 鴨去りて園児の声は静かなり落ち葉の濠に初氷見ゆ(朝日) 
2012/01/31 青年は耳にささやき手をとりて恋人のごと祖母を介助す(讀賣) 
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2012/01/17 天候も人の心もままならず砕けぬ土を砕きゆくなり(讀賣)
2012/01/10 亀二匹が岸を離れて平泳ぎさざ波広がり大空揺する(讀賣) 
2012/1月号 光より速き乗り物出来たとふあの日のあなたも一度会ひたい(NHK短歌 坂井修一選) 
2011/11/26 椋鳥の先頭一羽かじを切り分離融合群れて塒へ(朝日) 
2011/10/18 デイサービス初日の様子を母が言ふ何度も何度も「風呂がよかつた」(讀賣) 

2011/10/04 雨の三日続けば胡瓜育つなり糸瓜のごとくぶら下がりをる(讀賣) 
2011/07/05 町議選終へて人らにしこりなし静けさ戻りて胡瓜植ゑをり(讀賣) 
2011/05/12 鬱金香花びら二片頬につけ今が盛りの桜のもとで(朝日)
2011/04/14 映像に一瞬写りし小さき文字願いを込めた「あきらめるな」と(朝日) 
2011/02/24 どか雪となりて見舞いの客も止み静寂なりし談話室午後(朝日)

選者
(朝日)大和歌壇    : 高岡哲二先生(2011/09/01~ ) 
            : 鏑木正雄先生(~2011/06/02
                    2011/11/13 ご逝去) 

(讀賣)大和よみうり文芸: 高蘭子先生  
(産経)奈良歌壇    : 筒井早苗先生
(毎日)やまと歌壇   : 小谷稔先生(~2018/10/18
                   2018/10/18 ご逝去)

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