最近、本屋で出会って購入した本。
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タイトルと帯に惹かれたのですが、
読み始めて、読み物として面白い
と思いました。
この本は、
自習法であるウルトラ・ラーニングの事例
をまとめたものです。
著者は、自分でMITのカリキュラムを独学でマスターした経験をもっていて、
MITチャレンジと銘打って、ブログで公開。
短期間に、学校に通わず、
速く、安く、自力で学べる
ということを検証するというわけです。
そんなことをすれば、
大学側(教授陣)から大批判が起こる。
実際に
物議を醸(かも)す
ことになったとのことです。
アマゾンでは、
自習法としては新しいことがない
という批判的なコメントもありますが、
短期間で、集中的に、自分で学べる事例
という意味の読み物と考えるとよいと思います。
そういう人もいるんだから、
自分も取り組んでみようかな
という
きっかけにするために読む。
効果的な自習法や学習法は、
自分に合ったもの
を選べばよいと思います。
それとは、毛色が違う本なのです。
自習で、
何かを身につけたいけど、3日坊主で終わっちゃうんだよね
という人が、
今度こそ、やってやろう
という思いを起こさせるための本。
効果的な自習法のスキルが得られると思って読むと、
評価が低くなる
わけです。
*****
これからの世の中は、
あらゆる情報がネットで手軽に手に入る。
そのため、
情報を入手することよりも、情報を使いこなせるかどうか
ことが重要なわけです。
知っていることは、価値が少なくなり
スキルとして習得していることが、価値(強み)となる
ということです。
AIが身近になれば、
この傾向はさらに進む
ことになると思います。
この本では、極端に考えると、
大学は意味がない
という刺激的な主張をしています。
確かに、コロナ対応のため、動画で学習している学生からすれば、
何百万円も払ってこれ?
という感じだと思います。
放送大学なら、
1つの講座が数百円のテキスト代ですむのに・・・。
それと何が違うの?
ごもっとも。
動画の授業を聞いても、大してスキルの習得につながらないのでは?
ごもっとも。
この本のウルトラ・ラーニングを利用して、
自分の強みになるスキルを習得する
方が、
大学で4年間という時間と何百万円というコストをかける
よりいいのでは?
この本が投げかけているコンセプトは、こういうことです。
さらに、
大学の役割とは何か?
という大学のアンチテーゼにもつながっています。
以前は、大学に行けば、ある程度きちんとした会社に就職できて、
年功序列で昇級して、
家族を養っていける程度の収入が保証されていて、
退職金と厚生年金で老後も安心できる。
そんな時代でした。
ところが、
現在は、大学を卒業しても就職できるか分からない。
就職できても、倒産のリスク、リストラのリスクがつきまとう。
日本において年功序列はなくなり、昇級もなく、たいして賃金は上がらず、
退職金もなくなり、
厚生年金も破綻するのではないかと不安が残る。
こんな時代になりつつあります。
大学を卒業しても職がないというのは、中国、韓国、ヨーロッパ、アメリカなど
世界中で起こっている現象
です。
反面、プログラミングなど高いスキルがある人材は、
世界中で獲得競争
が起こっています。
これが格差の原因となり、
世界中で左派政権が力を持ちつつある要因。
アメリカ民主党のサンダースの支持者も
大学を卒業したにもかかわらず低所得にあえいでいる若者が多い。
バイデンはこういった左派を取り込み、右派のトランプと戦おうとしている。
企業にとって富を生み出せる人材は、競争が起こり、引き留めのために
報酬が高くなる。
代替性がある人材は、安売り競争が起こり、
報酬が低くなる。
価格は、需要と供給により決まる。
スキル(企業のために何ができるか)が重視される時代においては、
給与も需要と供給で大きな差が生じる。
とはいえ、まだまだ日本は、学歴も気にする会社が多いので、
大学はエントリーシートではねられないように所属し、
4年間という貴重な時間を使って、自分でスキルを磨くようにする
というのが、
今後の生き残り戦略
となります。
どのようなスキルを身につけるかは、
自分の特性
と、
世の中の状況
を分析しながら、
決めていく。
ウルトラ・ラーニングは、
半年程度でスキルを身につける
という計画を立て、
集中的に取り組んでいく
というものです。
大学4年を、半年ごとに、
8クールに分ける
と、
8つのスキルを身につける
ことができます。
また、専門性を高めていくという方法もあります。
一つのスキルを
深掘りしていく
という方法です。
この本のポイントは、
全力で集中して取り組めば、スキルは身につけられるよ
というポジティブでありながらも、
厳しい現実を突きつけてくれる
ことにあります。
全力で集中しないとスキルなんて身につかないよ。
・・・厳しいが、ごもっとも。
現在の大学が意味をなさなくなっているのは、
この厳しさがない
ことが一因だと思います。
法学部を卒業したのだから、
ある程度の契約書が作れるから、法務部で活躍できるよね?
・・・・
経済学部を卒業したのだから、
統計学を駆使してマーケティングデータの分析ができるよね?
・・・・
文学部を卒業したものであれば、
ライティングスキルを駆使して、効果的なホームページや広告の文案を作れるよね?
・・・・
工学部を卒業したものであれば、
我が社の生産システムを、より効果的にデザインするプランを立案できるよね?
・・・・
えっ、できないの?
では、大学の4年間で、実践レベルになっているスキルは何?
・・・・
この本のチャレンジは、こういうところです。
法学部を卒業していないけど、
契約書の作成はできるため、今より法務のコストは削減できますよ。
経済学部を卒業していないけど、
統計学を駆使して、御社のマーケティングを効果的に行えるようなプランニングはできますよ。
工学部は卒業していないけど、
御社のホームページの構築とシステムの設計ができるので、低予算で新たに通販部門を立ち上げることはできますよ。
中小企業の社長からすると、
手に入れたい人材
です。
その後も、実績を積めば、
昇級、ヘッドハンティング、独立のチャンス
が生まれます。
*****
自習してスキルを身につけることが、重要・・・
なぜ、必死にならないといけないの?
なぜ、そんなに頑張らないといけないの?
世の中には、生まれながら、頑張る機会が与えられていない人がいます。
そういう人も幸せに生きられる優しい社会を築くためには、
頑張ることができる人は頑張って、頑張ることができない人を支える使命がある
のです。
そんな社会を築くことができれば、
あなたが頑張ることができない状況に追い込まれたときに、今度は支えてもらえる
ことになります。
福祉主義を実現するには、
頑張れる人は、できる限り頑張らなければならない。
これが、サンデル教授のような共同体主義者が、自由主義者(リベラリスト)を制限するために用いる論法であり、
ロールズが「正義論」で無知のヴェールを利用して、自由主義の修正した論法
です。
徹底した資本主義は、自由主義に資するものの、
弱肉強食の残酷な社会になるため、
みんなが幸せに生きられるようにするには、修正する必要がある(修正資本主義)。
その修正を正当化するためのツールが、
共同体
であり、
正義に適う意思決定方法(無知のヴェール)
というわけです。
どのような論法を用いようが、
頑張ることができる人は、頑張ってスキルを磨くことが、
社会にとって重要である
ということです。
格差社会でも生き残るスキルを身につけるために、
必死で努力する
ということは、
自己中心的であると思われがち
ですが、
本当は、社会の役に立つ存在となる
という公共的な目的につながっているわけです。
タイトルと帯に惹かれたのですが、
読み始めて、読み物として面白い
と思いました。
この本は、
自習法であるウルトラ・ラーニングの事例
をまとめたものです。
著者は、自分でMITのカリキュラムを独学でマスターした経験をもっていて、
MITチャレンジと銘打って、ブログで公開。
短期間に、学校に通わず、
速く、安く、自力で学べる
ということを検証するというわけです。
そんなことをすれば、
大学側(教授陣)から大批判が起こる。
実際に
物議を醸(かも)す
ことになったとのことです。
アマゾンでは、
自習法としては新しいことがない
という批判的なコメントもありますが、
短期間で、集中的に、自分で学べる事例
という意味の読み物と考えるとよいと思います。
そういう人もいるんだから、
自分も取り組んでみようかな
という
きっかけにするために読む。
効果的な自習法や学習法は、
自分に合ったもの
を選べばよいと思います。
それとは、毛色が違う本なのです。
自習で、
何かを身につけたいけど、3日坊主で終わっちゃうんだよね
という人が、
今度こそ、やってやろう
という思いを起こさせるための本。
効果的な自習法のスキルが得られると思って読むと、
評価が低くなる
わけです。
*****
これからの世の中は、
あらゆる情報がネットで手軽に手に入る。
そのため、
情報を入手することよりも、情報を使いこなせるかどうか
ことが重要なわけです。
知っていることは、価値が少なくなり
スキルとして習得していることが、価値(強み)となる
ということです。
AIが身近になれば、
この傾向はさらに進む
ことになると思います。
この本では、極端に考えると、
大学は意味がない
という刺激的な主張をしています。
確かに、コロナ対応のため、動画で学習している学生からすれば、
何百万円も払ってこれ?
という感じだと思います。
放送大学なら、
1つの講座が数百円のテキスト代ですむのに・・・。
それと何が違うの?
ごもっとも。
動画の授業を聞いても、大してスキルの習得につながらないのでは?
ごもっとも。
この本のウルトラ・ラーニングを利用して、
自分の強みになるスキルを習得する
方が、
大学で4年間という時間と何百万円というコストをかける
よりいいのでは?
この本が投げかけているコンセプトは、こういうことです。
さらに、
大学の役割とは何か?
という大学のアンチテーゼにもつながっています。
以前は、大学に行けば、ある程度きちんとした会社に就職できて、
年功序列で昇級して、
家族を養っていける程度の収入が保証されていて、
退職金と厚生年金で老後も安心できる。
そんな時代でした。
ところが、
現在は、大学を卒業しても就職できるか分からない。
就職できても、倒産のリスク、リストラのリスクがつきまとう。
日本において年功序列はなくなり、昇級もなく、たいして賃金は上がらず、
退職金もなくなり、
厚生年金も破綻するのではないかと不安が残る。
こんな時代になりつつあります。
大学を卒業しても職がないというのは、中国、韓国、ヨーロッパ、アメリカなど
世界中で起こっている現象
です。
反面、プログラミングなど高いスキルがある人材は、
世界中で獲得競争
が起こっています。
これが格差の原因となり、
世界中で左派政権が力を持ちつつある要因。
アメリカ民主党のサンダースの支持者も
大学を卒業したにもかかわらず低所得にあえいでいる若者が多い。
バイデンはこういった左派を取り込み、右派のトランプと戦おうとしている。
企業にとって富を生み出せる人材は、競争が起こり、引き留めのために
報酬が高くなる。
代替性がある人材は、安売り競争が起こり、
報酬が低くなる。
価格は、需要と供給により決まる。
スキル(企業のために何ができるか)が重視される時代においては、
給与も需要と供給で大きな差が生じる。
とはいえ、まだまだ日本は、学歴も気にする会社が多いので、
大学はエントリーシートではねられないように所属し、
4年間という貴重な時間を使って、自分でスキルを磨くようにする
というのが、
今後の生き残り戦略
となります。
どのようなスキルを身につけるかは、
自分の特性
と、
世の中の状況
を分析しながら、
決めていく。
ウルトラ・ラーニングは、
半年程度でスキルを身につける
という計画を立て、
集中的に取り組んでいく
というものです。
大学4年を、半年ごとに、
8クールに分ける
と、
8つのスキルを身につける
ことができます。
また、専門性を高めていくという方法もあります。
一つのスキルを
深掘りしていく
という方法です。
この本のポイントは、
全力で集中して取り組めば、スキルは身につけられるよ
というポジティブでありながらも、
厳しい現実を突きつけてくれる
ことにあります。
全力で集中しないとスキルなんて身につかないよ。
・・・厳しいが、ごもっとも。
現在の大学が意味をなさなくなっているのは、
この厳しさがない
ことが一因だと思います。
法学部を卒業したのだから、
ある程度の契約書が作れるから、法務部で活躍できるよね?
・・・・
経済学部を卒業したのだから、
統計学を駆使してマーケティングデータの分析ができるよね?
・・・・
文学部を卒業したものであれば、
ライティングスキルを駆使して、効果的なホームページや広告の文案を作れるよね?
・・・・
工学部を卒業したものであれば、
我が社の生産システムを、より効果的にデザインするプランを立案できるよね?
・・・・
えっ、できないの?
では、大学の4年間で、実践レベルになっているスキルは何?
・・・・
この本のチャレンジは、こういうところです。
法学部を卒業していないけど、
契約書の作成はできるため、今より法務のコストは削減できますよ。
経済学部を卒業していないけど、
統計学を駆使して、御社のマーケティングを効果的に行えるようなプランニングはできますよ。
工学部は卒業していないけど、
御社のホームページの構築とシステムの設計ができるので、低予算で新たに通販部門を立ち上げることはできますよ。
中小企業の社長からすると、
手に入れたい人材
です。
その後も、実績を積めば、
昇級、ヘッドハンティング、独立のチャンス
が生まれます。
*****
自習してスキルを身につけることが、重要・・・
なぜ、必死にならないといけないの?
なぜ、そんなに頑張らないといけないの?
世の中には、生まれながら、頑張る機会が与えられていない人がいます。
そういう人も幸せに生きられる優しい社会を築くためには、
頑張ることができる人は頑張って、頑張ることができない人を支える使命がある
のです。
そんな社会を築くことができれば、
あなたが頑張ることができない状況に追い込まれたときに、今度は支えてもらえる
ことになります。
福祉主義を実現するには、
頑張れる人は、できる限り頑張らなければならない。
これが、サンデル教授のような共同体主義者が、自由主義者(リベラリスト)を制限するために用いる論法であり、
ロールズが「正義論」で無知のヴェールを利用して、自由主義の修正した論法
です。
徹底した資本主義は、自由主義に資するものの、
弱肉強食の残酷な社会になるため、
みんなが幸せに生きられるようにするには、修正する必要がある(修正資本主義)。
その修正を正当化するためのツールが、
共同体
であり、
正義に適う意思決定方法(無知のヴェール)
というわけです。
どのような論法を用いようが、
頑張ることができる人は、頑張ってスキルを磨くことが、
社会にとって重要である
ということです。
格差社会でも生き残るスキルを身につけるために、
必死で努力する
ということは、
自己中心的であると思われがち
ですが、
本当は、社会の役に立つ存在となる
という公共的な目的につながっているわけです。