夢幻に遊ぶYujin Koyamaの絵画と小説の世界を紹介します!

意外な人間の姿、風景に、きっと出会えるでしょう。フランスを中心に活躍する小山右人の世界を、とくとご堪能下さい!

小説「珠」ー生みの苦しみと熱愛ー小山右人(作家/第28回新潮新人賞・医学博士)

2016-02-11 13:01:47 | カルチャー
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「長い醸成期間を経た後に凝縮する「珠」は芸術的(造型的)営為の結晶の喩、あるいはシンボルであろうか。いわば錬金術における「賢者の石」の如き。「珠」は、硬質ではない。それは、月の光を俤とした柔らかな煌きの降下と上昇である。「珠」をめぐる表象は「蝸牛」であり、「螺旋」であり、深い海から立ち上ってくる名付け得ぬものである。作家は共感を拒絶するのではないが、ここにある「個」の空間は屹立するが故に、その本質においては孤独だ。それは篇中における他者との関係性においても。「珠」は孤高の色彩と音楽とを伴い歓喜するのだが」
                          (文学部教授K氏評)


頼もしいアメリカのエリート

2016-02-11 12:45:03 | カルチャー
小説「珠」の英語版、最後の局面で行き詰っていたところへ、アメリカのエリートD氏現れる。「私に名誉と光栄ある翻訳をお任せください」と丁重に。氏は、プリンストン大学文学部でぼくの新潮新人賞受賞作「マンモスの牙」が読まれていることを告げてくれた人。早速フランスに連絡すると、歓喜の返事。ぼくの小さな机が、何か華やかな国際舞台に見えた一瞬だった。