著者は天皇陛下の狭心症冠動脈バイパス手術を執刀した順天堂大学病院院長のの天野篤先生で
「一途一心、命をつなぐ」の文庫版
司書の先生に教えてもらいました
以前、天野先生の「熱く生きる」という本を読みましたが、この本もとても熱い思いの詰まった内容でした
天野先生は天皇陛下の手術をされるほどの技術を持つ心臓外科医ですが
ここまでの道のりはかなりの苦難があったと思われます
まず医学部入学するのに3浪、民間病院の研修先の試験でも不合格で、なんども挫折を味わってるようです
加えて医師になってからも、師匠からクビを宣告されたり・・・
それでも自分の信念を貫いて、自分の仕事と向き合ってきたのには
心臓の病気で手術を受け、術後に亡くなった父の存在があったからなのでしょう
自分の信念を貫くことで多くの人と軋轢を生んで、いろいろな壁にぶつかってきた天野先生ですが
それだけの信念を貫くことは並大抵ではないように思います
私もどちらかというとそのタイプの人間で、若い頃は自分の理想とかを追っていたように思います
今は、年のせいもあってか、外ではそのようなことはありませんが、
家の中においては一貫して子育て等は自分の信念を貫いてきました
男の子だからとか女の子だからとか、
一人の人間として生まれたのであれば同じようにしたいと思ったし
学校選びや勉強だって本人たちがやりたいこと、目指す未来像に近づくための選択肢があるし
いろいろな世界を見て視野を広げて、いろいろな考え方を柔軟に受け入れて欲しいと願ってきました
いろいろな可能性がある子供たちの未来を奪うような考え方は私には到底受け入れることができず
そのことで義実家と多くの軋轢を生んでしまったことも事実です
勿論、誰も間違ってなんかなくて、いろいろな考え方があるので否定するつもりもありませんが
私の考えとは全く違っていたということは確かです^^;
いい意味でも悪い意味でも長い時間かけてできてきた習慣や考え方を変えるというのは
簡単なことではなかったし、そのことでかなり辛い思いもしましたが後悔はしていません
勿論、そのことで相手を傷つけてしまったことに関しては申し訳なかったと思います
闘うことをやめるという選択もあったのかもしれませんが
その頃お世話になっていた心療内科の先生が、
いろいろ考えた上で違う?と思うのではあれば、溜め込まず言葉に出してもいいのでは?という言葉に押されて
長い時間闘い続けてきたように思います
なので、この本を読みながら、本当に大変だったんだろうなって思います
なぜなら、私のようなまわりとの軋轢だけでなく、多くの患者さんと向き合って勉強して
自分の技術を磨いてこられたわけですから、並大抵のことではありません
こんな医者ばかりだったら・・と思わないわけではないですが、
医師も人間だからそんな働き方してたら過労で死んでしまいますので心配になります
全てを投げ出して患者さんの為に・・・も大事ですが自分の体があっての仕事だと思うので・・・
天野先生にも自分の体の心配も少ししてもらいたいです
果たしてうちの子供はこんなドクターになれるのでしょうか^^;
それにしても医学部生というのは勉強漬けで大変なんだなって感じてます
あとがきにこんなことが書いてありました・・・サミュエル・ウルマンの青春の詩の一説です
この詩はマッカーサーと昭和天皇が一緒に写真を撮った時、壁に掛けられていた詩らしいです
青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言う
年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いがくる
続きの詩を探すと次のようになっていました
人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる
自分の気持ちや思いっていうのはとても大切なんだなって改めて感じさせられた一冊でした