ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

羞恥心

2004年03月12日 | ゆきちゃんの日記
お迎えに行った時に、
交流学級の担任のS木先生にお会いして、
おととい由紀子がクラスで巻き起こしてしまった
事件の話を伺いました。

 
それは、給食の時間の事です。 

給食の準備の最中に、
ズボンを前後ろ反対にはいている事に気がついた由紀子が

突然、みんなの前でズボンを脱いで
着替えをしようとしたというのです。 

先生が気がついて慌てて止めたのですが、
間違っている事を許せない由紀子はどうしても止まらず、

「別室で着替えをしよう」

という先生の声も耳には入らなかったようです。 

結局みんなの前でパンツ姿になって
着替えをしてしまった由紀子。 

その様子を見ていたクラスの子どもたちはみんなで笑いました。 

先生はその事について給食の後、
みんなを残して話をしてくださったそうです。 
 

由紀子がどうして急にズボンを着替え始めたのか・・・

それは、間違ったままでいる事が我慢できなくて、
着替えずにはいられなかったから・・・。 

人はしてはいけないとわかっていても、
ついついやってしまう事がある。
 
それを、笑ってはいけない。 

クラスの仲間ならば、
由紀子が恥ずかしい事をした時には笑うのではなく、
ちゃんと教えてやらなくてはいけない。 

れは、見下して教えるのではなく、
仲間として教え合わなければいけない。

『もしも、由紀子が学年集会の場でズボンを下ろして、
学校中のお友達に笑われた時にクラスの仲間として悔しくはないのか?』 

と、いう質問にみんなは悔しいと答えでくれたそうです。 

それならば、笑われるような事の無いように
守ってやらなくてはいけないと、
みんなに話をしてくださったそうです。 
 

私は話を聞きながら
先生がとても暖かい思いやりの指導をしてくださったことに
胸が熱くなりました。

先生のこの姿勢があるから
このクラスの子どもたちはとても優しいのだと
あらためて思いました。 


日ごろからクラスのお友達は
由紀子の事をとても大切にしてくれています。 

歌を上手に歌える事を自分の事のように
他のクラスで自慢をしてくれたり、 

どんな時も誰かが由紀子に目を配ってくれて、
一人ぼっちになる事はありません。

きっと、今日の先生の話を理解してくれて
今まで以上に由紀子を守ってくれると思います。 

いつも思うのですが、
由紀子の回りの子どもたちは
みんな優しく素敵な子どもたちばかりです。

それが
もしかして由紀子の存在が
みんなに影響を与えているとしたら嬉しいと思います。 

いつも守ってもらっている由紀子が
唯一みんなに恩返しをできるとしたら、
それはみんなの中の優しい気持ちを引き出して
大きく膨らませることしかないと思うからです。
 
 
さて、クラスのみんなは話しをしたら解ってくれますが、
問題は由紀子のこの羞恥心のない行動をどうするかです。 

自閉症は羞恥心が育ちにくい障害だといわれています。
 
だから、性教育に力を入れて
恥ずかしいと言うことを教え続けているのですが、
なかなか簡単には行きません。
 
(;-_-) =3 フゥ 

先日、この日記の中でも
性教育が身に着いてきたと喜んだばかりだったのに・・・・。 

今はとりあえずその場面、場面を
ひとつずつどうしたらいいのか教えて行くしかありません。 


S木先生も由紀子に

「給食の時間には着替えをしてはいけません。
どうしても着替えたい時には
誰もいない所に行って着替えをします。」

と、約束をさせてくださったそうです。 

私も由紀子ともう一度
人前で着替えをする時の方法を教えたいと思います。 
 
それと、もう一つ私の反省・・・。 

由紀子が以前から
ズボンの前後ろが解り難いことに気がついていながら、
手立てをしていなかったことです。
 
たった一個の目印の刺繍をしてやれば、
着替えの時に間違える事は無かったのに・・・。 

もう一度、由紀子の身の回りの
再確認もしなくてはいけないと思っています。


=END= 
コメント
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