私もホオポノポノには何度もお世話になっており、それは必ずポジティブな結果を生んで、特に女性に対しては絶大な効果を発揮する魔法のテンプレート(定型詩)だと思います。
しかし絶滅収容所の所長である王全国の肩には、この魔法のフレーズですら償えない「大罪」がのし掛かっており、その責任を取る人間が全国に1人もいない中で、それを一身に背負い優樹の男達と共に餓死します。
これは法王行善(シンシャン)と義兄弟の契りを結んだ為でもあり、そこには「生まれた時は違えども死す時は共に」と云った真摯な思いが込められています。
ここで話を日本全国の贖罪に振りますと、中国侵攻と世界大戦で日本は約2100万人の命を奪っており、日本国民もおよそ300万人が命を落としました。
その責任を一身に背負って自決した人物を私は知らず、本来ならば天皇がそれをすべきだったという意見にも理はあるかと思います。
いや、ここまで大きな罪に対しては、個人の死程度ではとうてい贖罪に値しないとする意見の方により理があり、生きて生涯を贖罪に捧げた人物は漫画「SEED (種)」などにも描かれています。
それは、砂漠化が進む華北高地の緑化に生涯を捧げた元日本兵のストーリーで、そこでは塩害の微生物技術による克服も描かれており、私は現地に足を運んでその進捗を目の当たりにしました。(これについては「塩害は克服できる」で詳しく述べました)
話を「全国(チェングオ)の贖罪」に戻しますが、ここでもう一度彼のネーミングの由来である陳全国が、現在も犯して続けている大罪を振り返ってみます。
このクールなコラムを書かれている遠藤誉さんは、50万人が餓死した長春包囲戦の生き残りで、その壮絶な体験記「チャーズ」は一読の価値があります。
彼女は中学生当時まで中国に抑留され、学校で日本人として差別を受けながらも、最優秀生徒に選ばれたほどの気骨ある人物です。
王全国も行善と出会えていなければ、陳全国と同じ大罪の道を歩み続けており、彼はそこから抜け出して吉祥の道を歩み、中国を代表して歴史的な贖罪を果たします。
因みに全国はスパイとして日本軍に潜入していた人物で、そうした工作は曹希聖の指揮下で行われました。
そのため彼は希聖(シーシェン)の薫陶を大いに受けており、この党史から抹消された人物の最期を行善から詳しく聴き、その後に続く決心をします。