「ナウシカ」の原作漫画は英訳され、17才で1年間アメリカに留学した時に向こうで買いました。
その時は3つの高校をクビになり、強制送還されるトコロを飛行機へ通じる接続口から脱出して、2ヶ月間も冬の北アメリカ(零下30度に達する)を放浪している時でした。
この旅については前に、三島由紀夫の「仮面の告白」をシカゴ大学の古本屋街で発掘して、シカゴの高架電車をループしながら読み浸って、日本語の美しさに目覚めたコトを書きました。
「ナウシカ」はニューヨークのブロードウェイで買い、どこの都市でも定宿としていた空港で読破しました。
以前に何度か日本語で読んだコトはありましたが、その世界観やナウシカの境涯からも、英語を主言語とした方がシックリと来るので(日本語はドルク語の位置付けになってる)、「ナウシカ ファン」ならばチャレンジしてみて下さい。
最初に述べた「毛長牛」の重要な役割とは、ドルク(東洋系)とナウシカの民族(スラブ系)が平和的な邂逅を果たす上で、ヤクが「平和の象徴」となったコトを指します。
ドルクは明らかにチベット系民族で、私が物語で登場させた「ケチャ」というヒロインの名前はココから取りました。
ヤクは1200kgにも成る大きなウシですが、その性格は羊と同じくらい大人しく、子供でも容易に紐付けするコトが出来てました。
因みにチベットでは牛舎が家の一階で、二階と三階にヒトが暮らします。
ウシはかなり体温の高い動物なので、家を暖めるストーブの役割も果たしております。
そうして同じ家で暮らすと、ヤクにも家族の様な愛着が湧いて、死ぬまで面倒を観る文化が定着しました。
これはインドの牛文化に近いですが、食糧事情の厳しい高原では亡くなったヤクを食べる文化も育ちました。
高原では木が貴重なので料理には用いず、燃やすのは専らヤクの糞です。
ヤクの肉は専ら干し肉にされ、火はバター茶を温めるのに用いられるのが主です。
最近はソーラークッカーも普及して、高原の直射日光はとても強いので直ぐにお湯を沸かせられます。
この日光の強さは発電への利用も期待され、「光の塔」がチベットにも建つコトを期待しております。
話をヤクの干し肉に戻しますと、これは硬いのですが実に味わい深く、高齢者でも長時間しゃぶって味わってました。
チベットでは、肉は硬ければ硬い程ウマいとされ、柔らかい脂肪肉は犬のエサにされてます。
また、日本では乳牛の肉は「乳臭い」と言われてペットフードにされてますが、熟成させればそれは却って深い味わいと成り、日本でもこれを普及させようとする流れは在ります。
私もウシは最後まで面倒を観て、その肉も大事に頂きたいと思う者です。
これは経済性が重視される酪農の現場では、まずもって有り得ない話なのですが、「動物福祉牧場」を名乗る上では欠かせないポイントかなと思っております。