真の動物福祉牧場を目指して

52. 羊 (Sheep)

羊はかつて、北海道で広く飼育されていて、「ジンギスカン」は郷土料理に成っていました。
因みに本場モンゴルの「ジンギスカン」は兜(かぶと)形の鍋で焼きますが、北海道では普通の鍋で煮て、味噌味が定番でした。

今の「ジンギスカン」はみんなオーストラリア産で、北海道で羊を育てる文化は経済性によって滅んでしまいました。
でも、懐古主義の強い牧場ではまだ自家用に羊を飼っており、羊は牛の食べ残し(牛は贅沢でけっこう残す)で充分育つので、ムダを無くすエコな動物です。

このエコな羊は、世界的に一番メジャーな食用肉だった永い歴史を持ち、人間のアミノ酸構成と羊のそれとがほぼ一致しているコトからも、ヒトとヒツジの共生関係の深さが伺われます。

ここで話をモンゴルに振りますと、私はそこで「羊をめぐる冒険」を試みたコトがあります。
このタイトルの村上春樹の小説は、政治的な「Sheep」(政府に隷属する人々)についてのモノですが、私の冒険は本物のヒツジを巡ってでした。

それは満天の星空の下で、「羊の群れの中に紛れ込んで共に一夜を過ごす」という冒険で、こんな馬鹿げたコトにロマンを感じる21才の若者でした。

草原を半日くらい歩き回って、羊の群れは見つけられましたが、日のある内は仲間には入れてくれませんでした。
そのうちに水が尽きて喉がカラカラになり、草原で夜を越すのは余りにも心細くなってしまい、結局町に戻ってビール(大瓶で30円)を3本も一気飲みし、フラフラになって冒険は幕を閉じました。

でもこの冒険はいつか果たしたいと思い、自分で牧場を持ったらヒツジも飼って、夜は目が見えずに固まって居るしかない群れの中で、一緒に眠りたいと思います。

ヒツジの毛は思いっ切りカールしていて、刈らなければ伸び続けてアフロヘアーみたいに巨大化します。
このモコモコに包まれるコトで、ヒトは寒い高原でも生きられたので、ヒツジはヒトにとって実に有り難い「妙なる命」です。

話は変わりますが、ピンクフロイドの「アニマルズ」というアルバムに「Sheep」という歌があり、現代人は概ね羊みたいだと歌われております。
他に「Dog」と「Pig(ブタ)」も歌われており、ヒトはこの三種に分類されるとしています。

「Dog」は「権力の犬」で、好戦的なヤクザなどもこの部類に入ります。
「Pig」は「ブルジョア」で、働かないで贅沢ばかりしている人種を差します。
そして「Sheep」はその他大勢で、おとなしく権威に従う民を表しています。

私はこのどれにも属したくはなく、「Pig」にも成りたくありません。
お金持ちに成るコトは悪くないと思われる方も多いかも知れませんが、そこにはどうしても「執着」や「驕り」が生じてしまい、自由に成れない気がします。

その甚だしい例として、私と同い年の金正恩が挙げられ、彼は最も哀れなブタに思えます。
それは「劇場国家 北朝鮮」をロシア人が描いた映画「太陽の下で」を観て強く感じ、あんなにブクブクに太ってしまっては(地位と権力で)身動き一つ満足に出来ないコトでしょう。

そんな「Pig」に支配されている「Dog」や「Sheep」も実に哀れで、北朝鮮は正に「アニマルズ」の国と言えるでしょう。
また、その親分格の「アニマルズ国家」も隣に存在し、ここでは「人間の国」を取り戻そうとして闘っている人達も多くおります。

その旗色は未だ鮮明には成っていませんが、科学とアート(宗教も含む)の力で、その革命を応援したいと思っております。



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