人類の歴史を通して観ると、全体主義の国家が上手く行った試しは無いと言えそうです。
穏やかな社会主義のキューバは一時上手く行っているかに観えましたが、結局は経済が破錠して亡命者を多数出しています。 これはベネズエラ、スリランカ、アフリカのサブサハラ諸国も同じで、こうした経済破錠国から民主主義国へ押し寄せる難民の数は史上最多となっています。
因みに現在、ロシアから9万人、中国から12万人の難民が発生しており、やはりどう観ても上手く行っているとは思えません。 しかし支配者層からすると、こうした自由を求める人々の逃亡はむしろ歓迎すべきコトなのかも知れず、そのぶん全体主義が純化してファシズムに向かい易くなります。
ファシズムの定義は、外国に対して侵略政策をとる全体主義で、軍国主義によって国民を一つにまとめ上げようとします。 昔の日本もファシズム国家だった時期がありますが、その失敗を反省して平和憲法を持つ民主主義国家に成長しました。 しかし、隣の北朝鮮や中国は失敗を認めるコトが体制的に不可能なので、ファシズムの道を突き進んでいます。
ファシズム国家の行く末を予言したオーウェルの「1984年」は、1949年に書かれたので35年後の未来を描いています。 それに倣ってわたしも35年後の中国を描いており、そこでは35年前に起きた天安門事件の再来を描いています。
もうすでに、天安門広場はおろか紫禁城や中南海まで、100万人もの市民等によって占拠されたと描きましたが、だいぶ永く物語が中断したので、一旦話を戻してそうした市民等が立ち上がった要因を挙げてみます。
まず真っ先に立ち上がったのは35年前と同じく大学生達だとし、彼等はずっと前から党による言論統制に挑戦し続けて来ました。 それは偏った情報しか得られないコトへの反発で、中国のインターネットは北朝鮮と同じく厳しく統制されてイントラネットと化しており、そんな偽物の狭いネット空間から何とか本物の自由な世界につながろうと格闘していました。
学生達は多くが、北朝鮮のようなファシズム国家よりも自由な韓国の方が遥かに善いコトを知っており、祖国が「北」の方向へ進んで行くのに反感を持ちます。 彼等はそんなファシズムの党を「三毛党」と呼んでケナシており、これは共産党を批判したら捕まってしまうからですが、彼等の批判精神はなかなかのモノで、それを抑え込むコトは党ごときには不可能と思えます。
三毛は中国で人気の漫画「三毛流亡記」のキャラクターで、貧しく愚かな知恵遅れの少年です。 あと「三毛党」の由来としては、共産党を支持するコメントをネットに挙げると三毛(5円程)貰えるシステムがあるコトと、毛沢東(マオ・ヅェドン)に三跪九叩しないと出世できない党だからです。
学生達はもうそんな党に支配されるコトにはウンザリしており、それは教師等も本心では同じで、保身のタメに党の側に付いてはいますが、中には学生側に付いて革命に参加する教師も現れます。