雲上楼閣 砂造宮殿

気ままに自分勝手なブログ。徒然に書いたり、暇潰してみたり、創作してみたり・・・

ヒメタルオモイ6

2011-09-24 22:07:02 | 宮 ヒメタルオモイ
それから、上皇となったシンが上殿を訪れるのは2ヶ月に1度か2度、昌徳宮に泊まって行く日もあれば、帰る時の方が多かった。
添えば仲の良い上皇夫婦だった。

共にある姿はまさに「理想の夫婦」で、周囲の側近や子どもたちは、二人がまた添う事を願っていた。
そして、平穏に流れる時間は唐突に終わりを告げた。

まさに青天の霹靂、昌徳宮にいた皇太后が倒れたのだ。

決して病弱では無いが、もともと華奢で線の細い皇太后は、入院を余儀無くされた。

シンは足繁く彼女を見舞った。
周囲は再び彼らが住居を共にすると予想したが、それが叶えられることは無かった。
皇后が皇太后を見舞った時、上皇がこのまま昌徳宮に入ってくれるよう願う旨を伝えると、皇太后は微笑んで軽く首を横に振った。
皇后はその儚げな微笑に胸が痛かったという。

皇太后が無事に退院し、昌徳宮に戻ると、シンは3日だけ滞在し、離宮に戻った。

周囲は密かに落胆していたが、誰もその事に関しては触れなかった。


ジュンに結婚の話が出始めた頃、今度はシンが体調を崩して床に伏せた。