亡き義父の、ある日
ピンポーン、と鳴ったけど今手が離せない。やっと玄関へ出て行くと、誰もいない!・・・
・・・と、玄関脇の義父の部屋の南側のサッシが開いて誰かがいる。
誰だろうと見ると、おまわりさんが、義父と話している。
家族のことを話している様子である。
地域の家族調査にこられたおまわりさんと世間話のかんじで話しだした義父!とどまることなく、話は昔のことへ・・・
温厚なおまわりさんは、あいづちを打ちながら話相手になってくれている。横から、「義父さん、おまわりさん仕事があるから・・・」と言うがフンフンと返事をするが、話は止まらない。
そばにいて、手もちぶさたなままにお茶をお出しして、まだ話は続いている。
15分か20分も話したところで、やっと話のくぎりがつき、おまわりさんもお茶を飲んでくださり、「防犯に気をつけてください」と帰っていかれた。
人と会話することが大好きな義父は、誰とでも話す前向きな性格を持っていた。
うちへ来てくれたやーやの友達にも話し出して、夕方になっても話がとどまらず、ストップをかけたことなど(その節はご迷惑をおかけしました)、今は懐かしい思い出になっています。
この、人と会話するということが、義父にとって長生きの秘訣になっていたのでは・・・と最近考えます。
七回忌を終えて、そぞろ義父のことを思い出し、綴っていけたらと思っているやーやです。
義父は鉢植えのこの花が好きでしたが、「これはなんという花や?」と問うのでシクラメンと答えるとあ~あ、これが
シクラーメンやなと受け、その後もずっとシクラーメンで通しました。やーやは聞くたびにツタンカーメンみたい・・・と笑いがこみあげてくるのでした。
いまでも、この花を見てシクラーメンとつぶやき義父を偲んでいます。