木が2本並んだロゴマークからして、
この会社が杉山龍丸氏が設立した
プラスティック素材の博多人形の
製作会社であったと思われます。
今川にすでに工場があったようです。
壊れにくい、汚れてもふき取れる。
そこにニーズがあると見たのでしょう。
同じ切り口で素焼きの生地にホルマリンなどの
化学物質を染み込ませる取り組みなどがあったことが
新聞記事などから読み取れます。
昭和30年代から40年代にかけての博多人形界は
商売側はこのように作品をクラフトと見切って
いた節が看取されますが、
作り手側、特に作家と呼ばれる側は
常にアートを志向していました。
そのかい離した部分は基本的に現在まで
引きずられたままのようです。
ある意味で杉山氏は実験的に
身をもってこの矛盾に切り込んでいきましたが、
結果的に成功には至りませんでした。