新大宮。
今宵の寝床で一休みしたあと、夕飯を食べに出る。
ラーメン屋に後ろ指をさされたけれど、アンティーク調の喫茶店へ入った。
「ハヤシとブレンド」
洋食はあまり好んでは食べないけれど、久しぶりのハヤシライスは腹に凍みた。
ブレンドコーヒーを飲みながら、インテリアを味わう。
呼び鈴があって、店内は薄暗くて、趣味の良い本が並ぶ。
少々難をつけるなら、マスターが思ったよりお年を召されていることくらい . . . 本文を読む
奈良は19歳のときに九州の帰路に寄った以来だ。
あのときは友人と合流して、東大寺の万燈楼を観た。
あの幻想は忘れられない旅景色のひとつだ。
春日大社へ向かう途中の奈良公園、鹿に出会う。
参道の途中で不意に現れる。
じいっと見つめられるとこちらが動けない。
こちらが動きだすとゆっくりついてくる。
鹿は神の使いである――あながち嘘ではないと思った。
しかし、何度か追いかけられているうちに気が付いた . . . 本文を読む
大和八木の駅前でせんとくんを見つけた。
不意に奈良に来たと実感する。
この先どこへ行くかは考えていなかったが、とりあえず腹が減り駅前を歩いた。
少し悩んで、たこ焼き屋さんのイートイン。
たこせんとたこ汁、たこ焼きと見事なたこのフルコース。
他の客の会話を聞いていると、そのイントネーションに遠くへ来たと感じてしまう。
九州でも北海道でもそうだった。
そのたびに物理的には測れない日本の広さを感じる . . . 本文を読む
久しぶりの名古屋駅。
日本海側は暴風雪ということで、やはり奈良へ行くことにした。
去年先送りにした卒業旅行の行き先のひとつだ。
新幹線乗り越して京都から入るのも味気ないので、せっかくだから名古屋から近鉄で入ることにした。
下調をしていない旅なので、
「奈良に行きたいんですよ。フリー切符みたいなのありますか」
と近鉄駅員に1から10まで教えてもらうことにした。
電車は三重県を南下、そして奈良県へ . . . 本文を読む
運良く3連休をもらったので、旅に出ることにした。
昨日が夜勤明けだから実質4連休みたいなものだけれど、寝不足の帰宅中に雪に降られてしまい、1日は睡眠と休養に充てることにした。
あまりの寒さも手伝って、もういっそのこと3日間、家で読み貯めている本をひたすらに読んでようかとも考えていた。
土壇場になって悩むのはあたしの悪い癖だけれど、
「たまには鉄道乗ってストレス発散してきなよ。ステロイド剤よりずっと . . . 本文を読む