『あさが来た』16週「道を照らす人」の長文ネタバレ感想まとめ、その2。
おおきに五代さん。
前半はこちら
→『あさが来た』16週その1.雁助さんもまた「大阪の大恩人」、加野屋の「恩返し」
関連リンク
・『あさが来た』15週、その2.開拓使官有物払い下げ事件、ひとつのかたち
・『あさが来た』15週、その1.トモちゃんシンちゃん、十人十色の生き方、雁助さんの揺るがない思い
・『あさが来た』14週、ふゆに降る雪、亀助さんのど根性、日本一短いプロポーズ
・【ファーストペンギン】『あさが来た』前半まとめ1、五代くんの名言迷言集【おディーンさん】
『あさが来た』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ。
他民放ドラマ、大河、時代劇、NHKスペシャルはこちら。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。
■比翼の鳥の片翼
「大丈夫だすか?」
「ようよう会えましたな」
新次郎は三坂さんからもう聞いてるからそれで「やっと会えた」と。
「やっと会えた」って、五代さんあさと大阪で初めて再会した時同じこと言っていました。(→『あさが来た』3週の感想まとめ、その1)
脳裏によぎるは、あれから過ぎた激動の日々。
新次郎は五代さんに造幣局の通り抜けで花見をしたときの思い出を話します。
「私はただ『局員だけで楽しむにはあまりにももったいない桜やなあ』て呟いただけです」
50字に満たないつぶやき。
その先100年以上残り、上野の桜にも負けない見事な大阪の宝物を残した。
当時の五代さんの影響力や人となりを改めて実感します。
「戦のある時代、人の上に立つ者には人に命令する力が必要やった」
五代さんが思い出すのは丁髷だったあの頃。
薩摩言葉で笑いあってた、英国から日本を見たあの頃。
出会ったあの頃。
「この姿のどこがかっこつけです?」
「私はもう…あささんには会いたくありません」
少し前、顔色悪くしながらも。
「もし私が死んだかて五代が作った大阪は残ります。我々はいつもそないな仕事をせなあきません」と『かっこつけ』ていた五代さん。
せめてあさには『かっこつけ』ていたい、その男心。
「相思相愛……比翼の鳥です!」
この中国語の台詞、とても印象的でした。
五代友厚は1862年水夫に変装して上海に赴いています。
当時は勝海舟らと共に長崎伝習所で学んでいた頃、志に溢れていたのでしょう。
その後にグラバーやモンブランら懇意にしていたというエピソードからも、中国語(広東語)に堪能であっても何ら不思議はありません。
脚本だったのか、役者さんがつけた演出だったのか、あるいはアドリブだったのかわかりませんが。
どれにしても五代友厚をディーンさんが演じているから出来ることなのでしょう。
ディーンさんご本人は言わずもがな、役者さんの十人十色を引き出しすスタッフさんたちにもパチパチ。
「約束してください。これからはあささんのことを内からだけやない、外からも支えると!どうか頼みます!」
五代さんがあさを手放した、あさを外から支える役割を新次郎に託した。
あさというペンギンを支えるふたつの翼は新次郎と五代さん。
片翼の命が尽きようとしているとき、もう一つの翼にその役割を託す。
これであさと新次郎は、五代さんの言う通り「比翼の鳥」になる。
それでも寂しい。
「あ、ほんとに五代さん死んじゃう」
と、心の中でツンと。
■新次郎、働くってよ。
「ハハッ、どないだすやろなあ」
きっとトモちゃんに最後の挨拶してきたのでしょう、シンちゃん。
いつもの新次郎の底抜けの朗らかさを抑えた笑顔が沁みるものです。
思えば新次郎は、慕っていた兄を若くして亡くしています。
また、幼馴染のサトシとの確執をずっと気にしていました。
紆余曲折を経ながらも、お互いにニックネームで呼び合う友達ができて、新次郎自身も嬉しかったはず。
新年からその仲睦まじい様子が描かれたから、なおさら別れも辛い。
でも一番辛いのはトモちゃんだって新次郎の物分かりのよさが辛い。
「五代様も同じこと言うてはりました。加野屋がますます大きなっていくには旦那様の力が必要やて」
ハッと目が覚めたような新次郎がよかった。
五代さんから託されているもの、守るべきもの、あるいは向き合うべき現実。
この近距離での土下座攻撃。
雁助「(大声で)新次郎さんが働くいうてはりまっせ!」
弥七「ほんまびっくりぽんや!」
新次郎「働かしまへんで!わては今までとおんなじ、ずっと座ってるだけやさかいな!」
中年男に「お願いだから働いてください!」と土下座三連発の後。
働く宣言にどよめき、歓喜の胴上げをされながらも「だが働かぬ」を貫く新次郎。
その明るさがありがたい、そんな15分の構成。
■永遠に追いつけない人
「五代さんはあさを『もっと育てたい』言うてはったし、あさは五代さんに『恩を返さな返さな』言うし…あんたたちこそまるで比翼の鳥だがな」
あさと目を合わして話さない新次郎。
寂しそうな辛そうな夕暮れ。
「永遠に追いつかれへんお人なんだす」
「そうか」
五代さんを「永遠に追いつかれへんお人」と話すあさに、新次郎のこの表情がまた。
照明さんいい仕事するなあ…
ずーっと先のものを見て、ずーっと前を歩いて、永遠に追いつくことができない。
あさにとって五代さんは太陽みたいな人だったのか。
それでもフレンドとして、太陽の作る影はいつもそばにいる。
その太陽が沈もうとしている夕暮れ。
■火傷の後は
雁助さんの火傷の手当てをするうめ。
雁助さんとうめさんもやはり比翼の鳥なんだろう。
亀助とふゆも、惣兵衛とはつも。
正吉さんとよのさんも、栄達さんと菊さんも、忠興パパと梨江ママも。
みんなたくさんの比翼の鳥。
そんなドラマなのかもしれません。
雁助さんうめさんに手を伸ばして……
ああひっこめて……
亀助さんはふゆに勢いでプロポーズして、勢いでハグまでいきましたが。
雁助さんはプロポーズと一旦撤回して、ハグも咄嗟のところで手を引っ込めて、って対比。
■答えられない「何でだす」
「明日…五代さんは東京に行きはります」
五代さんに口止めされてたんだろう三坂さん。
でも五代さんが会いたい人、五代さんに会いたい人を一番わかってるんだろう三坂さん。
かつての幼いあさに新次郎がそうしたように。
払い下げ事件のときといい、影の好プレー大賞差し上げたい。
「まさかそないに急に悪なりはるやて…」
「美和さん、教えとくなはれ…」
『内密に』と頼まれた事情を知っていて、目を伏せる美和さんと。
何が起きているのがわからず、大きく目を開くあさの表情の対比が秀逸だった。
「何でだす?何で戻ってきはれへんのだす?」
誰にも答えられない「何でだす」。
三坂さんはきっと加野屋にあさを探しにきて、
新次郎が「晴花亭にいる」と伝えて一緒についてきたんだと思う。
その道中に大阪商人を巻き込みながら、彼らはきっと珍しく言葉少なに、それでも早足で向かってたとか思うと涙目。
三坂さんが「五代さんから」と渡したものは
胸を張って空を見上げるファーストペンギン。
(あ、だめだ目から汁出てきた)
「やっぱりあのお人はカッコつけ過ぎだす。このまま行かしたらあかん」
ペンギンの絵を受け取って、力なく座り込むあさ。
咄嗟に支える新次郎。
「行こう」と、あさを支えて商法会議所へ。
状況は違うけれど、新選組のときに腰を抜かしたあさを思い出しました。
母親でも女社長でもない、まだ少女だったあのころ。
あさと美和さんの涙がとても綺麗でした。
■まどろみの中で
「こら夢やろか?」
「夢と思てもろてかましまへん」
炭鉱の小屋でうとうとしていたあさのところに、突然現れたのは五代さん。
ファーストペンギンの話を伝え、「夢?」というあさの手にはペンギンの描かれたハンカチがありました。
(→『あさが来た』9週その2。)
それから時間が経ち、病床の五代の元にやってきたのはあさ。
「夢?」という五代さんに、あさは教本に描かれたペンギンの絵を見せる。
9週のときにはわからなかったあの場面、「通り道だってのはわかるけど、なんでわざわざ?」と思っていたあのワンシーン。
こうやってつながっていくんだなあと。
東京で大久保さんが亡くなった前髪五代のときの悲しい目とも違う、
二人とも優しい目で向き合ってるのでしょう。
「そやのにうちは…まだ何もお返ししておりません」
「気にしないで」
今まで隠しておきたい本心をコントロールできないときに英語使ってきた五代さん。
「あなたのその気持ちは新次郎に向けたげて」って気持ちなのかな。
■思い出
「なんやペタペタ触った上にそのまま何も言わんと逃げてしまうなんて、それが日本男児のすることどすか?」
これは第1週の話。
このとき
「お武家さん相手にでもしっかりとした言葉遣いで叱咤できるあさの育ちの良さ」が印象に残ってました。
五代さんに対しては、「このロリコンは誰?」だったんだよなあ。
まさかこうなるとはなあ。
「日本男児であることを自覚したときに、なおさらそう思いました」
英国留学で実感した世界の広さ。
日本男児と言うアイデンティティが問われる時代の中で、思い出したのは大阪で出会った世間知らずな少女の言葉。
五代さんの紳士性って、英国紳士のそれと日本古来の武士のそれのハイブリッドだったんだなあって今更実感。
「明治の世なんて誰が作りはったんや!くそ食らえだす!」
英国で忘れられなかった少女は、新政府のお役人に暴言飛ばすとんでもない若奥様になっていた。
これはワンダフル回、第5週の話。
山王寺屋を中心に、御一新で混乱する庶民が描かれました。
同じ週のうちにあさはこの暴言を謝るのですが、そのときに五代さんは
「その罪滅ぼしのためにここにいるのだ」と英語でこっそり言っています。
間接的ながら大阪経済を混乱に陥らせたこと。
それに対して涙を流したり怒ったりしている人がいること。
そんなことに対しての詫びをずっと感じていたのでしょうか。
あさの涙の流れ方、頬の伝い方が自然で素敵。
拭う瞬間も、あさらしい泣き方。
一方、五代さん。
回想シーンと比べるとやっぱり息遣いあがってますね…。
苦しいんだろうなと察します。
■砂時計の砂が落ちるとき
「確かに歴史を変えてきたのは武士だったかもしれない。そやけどそれを影で支えてきたのは、いつの時代も商人だったんです」
ここまで『やらかい力』(1週)を『刀と信用』(3週)、『ピストルと大福餅』(7週)に繋げてきた。
16週にきて『武士と商人』。
すごいなこの構成。
「まだまだ死にません」
「まだまだやり残したことがある」
『まだまだ』を繰り返すバイタリティの行く末は、大久保さんのようにこの国に何かを残すこと。
大久保さんと「もっと日本の話をしもんそ」と話していたのが思い出される。(→『あさが来た』13週その2)
「最期まで、私は、この国の未来のために命を懸けたい!」
五代さんの言葉、それにかぶさる新次郎。
聞こえてないとは思うけど、その言葉を聞いているような新次郎がまたなあ……
五代さんが道を照らしたのはあさだけじゃなくて、新次郎に対してもそうだったんでしょう。
「子どもの教本にペンギンが載ってましたんや!」
「ほんまですか…!」
子供用の教科書にペンギンが載っていたこと。
『ささいなこと』だけど、五代さんが生きた確かな証。
出産を控えたあさに「後世に何を残せるかだけです」と語っていた五代さんでした。(→『あさが来た』11週その1)
人は皆いずれは死ぬってのは何かフラグかもしれない。
この言葉も『五代友厚』の生き方を強く反映しているのかもしれない。
今自分が死んでしまっても、教科書は残る。
教科書で学んだ子どもがまたその子どもに伝えて、その子どもがまた子どもへ伝えていく。
そうやってファーストペンギンの姿はずっと伝えられていく。
生きる命は尽きてしまうものだけれど、志は継がれていく。
生きた証を、志を確実に残すこと。
それこそが『教育』なのでしょう。
その姿勢が今後、女子教育に関わっていくあさの人生に生きてくるのかと。
ふたりの時が終わる。
砂時計演出をここまで効果的に使うなんて。
■ラストカット
「このあと五代は東京に移り住み、療養生活をはじめました」
五代さんラストカットは笑顔で。
当時の糖尿病は今よりもっと不治の病。
本当の終末期を東京で三坂さんと迎えたのでしょうか。
でも最後にふたりが笑っていたのがよかったです。
「何やってんだか」と思わせてくれる2人のやりとり、とても心が温まりました。
廊下で立っているだけの新次郎が印象的でした。
光の中に溶けていきそうな新次郎の立ち姿が挟まれたからこそ、五代さんとあさの最後の時間が際立ったなと。
玉木さんが絵になる、というよりもここまで描かれた新次郎像がここにピタッとはまるってことの方が大きい。
■彼女もまたファーストペンギン
冒頭で涙を静かに拭う美和さんも印象的だったが、こちらのひとり新聞で訃報を知る美和さんの姿も印象的でした。
彼女もまたファーストペンギン。(→『あさが来た』10週その2)
美和さんにとっても、五代さんは道を照らしてくれた大切な恩人。
15週で五代さんが北海道にいることを知っていたあたり、五代さんは美和さんのパトロンだったのかもしれません。
哀しいけど、美和さんはきっと照らされた道を行くんだろうな。
きっと、力強く胸を張って。
■明治18年9月のことでした。
「明治18年9月のことでした」
短いナレーション。
亡くした人の大きさを、その存在感の重さを、実感した。
「二度と追いつかれへんようになってしまいました」
「あさ」と声をかける新次郎、その優しい声だけ。
泣き出すあさに何も言わない。
新次郎のセリフは今回は極端に少ないけど、表情に魅せられた。
個人的にこのドラマで、一番印象変えられたのは玉木さんかもしれません。
■道を照らす人
あさにとって五代さんは、五代さんにとってあさは、お互いに『道を照らす人』。
今よりもっと混乱してて夜も暗かった道標が求められた時代。
「迷わないで」と灯をくれる存在。
きっと誰の心にもいる『道を照らす人』。
ともすれば13週で、福沢諭吉より牛鍋よりアイスクリンより何より。
ガス灯で明るくなった夜に感動していたあさの姿にも合点がいく。
■おおきに五代さん
おおきに五代さん。
おおきにファーストペンギンさん。
このインターナショナルな経歴のディーンさんを、五代友厚役に起用したBKスタッフもよく探してきたわな。
もちろんカッコよさや語学力もあるけども。
ディーンさんもまたファーストペンギン。
そのディーンさんが五代さんを演じたからこそ、ってのがある。
蛇足なのですが、大阪の人たち羨ましいって。
近代の大阪を作った人たちが、朝ドラで丁寧に親近感を持って描かれて、
「自分らの地元は、こんなに愛されて守られてそれで今があるんだ」
って思えるのかもしれない。
そんな郷土愛のようなものって、とても大切なものだと思う。
「みんなで一緒に作った大阪が残ればそれでいいんです」
大阪に限らず日本全国の町に歴史がある。
そこには五代さんのように命をかけて発展に尽くした人がいる。
そういう人たちの気持ちを捻じ曲げちゃいけない、守っていかなきゃならない、伝えていかなきゃいけないんだなって。
で、『経世済民の男』シリーズでまずは五代友厚だな。
「あさが来た」の五代さんは『道を照らす人』として親近感持って描かれたけど。
それはそれとして『明治維新のもうひとりの立役者・五代友厚』の人となりを別の角度から観たい。
今度はとんちき抜きでもいいので、留学時代あたりもじっくりと観たい(ナレーションは三坂さんで)
大阪の大恩人なのは確かだけど、日本の大恩人でもあるのだから。
大河でも経世済民でも何でも、エネッチケーさんおなしゃす!!
■ずっともっとお武家様
故人を偲ぶあさと美和さん。
「あのお方はうちらが思てたより、ずっとお武家様やったんやて思います」
五代さんはとんちきだったり紳士だったりしたものの、元薩摩藩士として描かれていたように思います。
8代目襲名披露のとき、ひとりだけあぐらだったり。
スクープ狙う記者の尾行を感じて振り返るカットもそう。
このとき、書簡を整理していた美和さんが「実は借金まみれだった」とあさに明かすのですが。
そのときの美和さんの言葉
「身ぃ削ってお国のために働いて…何やみんな死に場所探してはるみたいに思われてなあ」
「けど今頃2人でようやっとほっとして、今の日本に文句でもいいながらお酒飲んだはるんやないやろか」
が目撃者としての美和さんらしいものだと思いました。
一方、新次郎とも。
「今日の空も製藍工場の煙と造幣局の煙が並んで上がって、そらええ眺めやったで」
「大阪の空も、五代様のこと名残惜しい思てますのやろなあ」
このときあさが思い出すのはやはりこの「後世に何を残せるか」という言葉。(→11週)
あさはこの週に千代を出産します。
それに対して五代さんは
「子供を産み育てるという事は、ほかのどんな新しい産業興すよりもお国のためになることです」
と話していました。
実業家・五代友厚にとって、大阪経済は子どものような存在だったのかもしれません。
子を育てるほどの心意気で生き抜いたからこそ、『大阪経済の父』と呼ばれたのかもしれません。
■へぇ!へぇ!へぇ!
いつも月曜日に来ていた噂の「へぇさん」。
根掘り葉掘り聞いてみた雁助さん
「この加野屋で働きたいて思てはるみたいなんだすわ」
「どない見ても丁稚いうには無理のあるおっさんだすがな」
月曜から姿を見せていた謎の人物。へぇさん。(→16週その1)
雁助さんと榮三郎のやりとりを聞いているんですよね。
とりあえず話を聞いてみよう。
「うちで働きたいいうのはほんまだすやろか?」
「へぇ」
「何でだす?なんでうちなんだす?」
「へえ」
必殺何でだすが効かない!!
で、業を煮やしたあさちゃんスイッチオン。
「あかん!なんで『へぇ』しか言わはれへんのだす?」
掴みかかりそうになってるのがあさらしくていいね!
でもそうもいかないので
「それに両替屋はいつの世かて信用第一だす。身元もはっきりわかれへんようなお方雇える訳もございまへん!」
とあさが伝えると、
「へぇ!失礼しました!私は元大蔵省、会計検査院におりました」
最初から普通にしゃべっとけwww
長年政府で働きながら、民間の銀行の重要性を感じていた平十郎さん。
いろんな店舗を見て歩きながら、加野屋にだけ可能性を見出した。
ドイツ留学の経験もあり、金融への知識も豊富。
ここで雇わせてほしい、と。
お?これもまた一気に物語が動き出しそうだぞ??
「大蔵省言わはりましたなぁ!」
「ほんまにへぇさんだしたがな!」
新次郎が変なところにツボってる件。
■扱いづらさ違い
「一見あさによく似ているように見えますが…」
ほくろがありません。
あと髪飾りがはつ仕様のもの。
前の千代役ちゃんのときから思っていましたが、千代のはつ性。
鹿鳴館の絵にはしゃぐ千代ですが、同じ年頃のころ蛇を振り回して凧で空を飛ぼうとしていたあさは…
「へえ~これが鹿鳴館だすか」「まるで金魚みたいだすがな」
「しかも毎日勉強も働きもせんと踊ってはるやてなぁ。うちには考えられへん世界だす」
「お母ちゃんにこないな世界わかるはずありまへんさかい!」
おおう、これは……
はつっぽさ、というよりあさとはつを足して割ったような……
外見がまるで一緒の子あさと千代の違いは「どう扱いづらいか」くらいで……
鈴木梨央ちゃんに求められるものが、大女優レベル、いやそれを超えるものになっている。
(前作大河に後ろ回し蹴りを食らわす朝ドラだな、と思わず笑ったのはここだけの話で)
■安全型自転車
商法会議所にやってきたあさ。
真っ先に山屋さんに駆け寄って…
見せてもらったのは自転車でした。
それを見てあさが言った言葉は…
「いいや、いつかうちがきっと乗りこなしてみせまひょ」
自転車の思い出は五代さんからの手紙。(→2週)
ペロシペードという二輪車の乗りこなす女性の絵が描かれていました。
「じゃっどん、きっとあなたならいつか乗りこなせるでしょう」
五代さんからの手紙を思い出し、「いつか・きっと」乗りこなすとあさ。
「いつか・きっと」と言っていたささいな話を、することができたあさのことだから、きっと実現させるのでしょう。
■汎用性が高い画
「はぁ~しんど!」
「お父ちゃん頑張って」
「遊びたい遊びたい遊びたい遊びたい」
「旦那様!心の中で思てることが口から出てます!」
新次郎このやろう、今週あれだけかっこよかったのにww
でも新次郎は五代さんとの約束を忘れないんだと思います。
■はつさん再登板。
そんなコントをしていると、お客さん。
「お父ちゃん!」
「新次郎隠し子?!」「今度こそ土佐堀川に水落ち?!」と思いきや、眉山家の長男坊・藍之助でした。
はつゆずりの品の良さと惣兵衛ゆずりのドッキリ好きってのをあの数分で見せるとは。
顔もなんとなく宮崎さんの目に柄本さんの目尻をミックスさせたような風に見えてくるから、ものすごーくハマってみえます。
はつさん来たぁぁぁぁ!!!!!
五代さんが見送った翌日に、公式五代ロスしながら…
辻本相談員本格投入&はつ姉ちゃん召喚とか…
BKえげつなっ……!!(褒めてるよ
■来週の「あさが来た」は…
横綱対決。
おおきに五代さん。
前半はこちら
→『あさが来た』16週その1.雁助さんもまた「大阪の大恩人」、加野屋の「恩返し」
関連リンク
・『あさが来た』15週、その2.開拓使官有物払い下げ事件、ひとつのかたち
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・【ファーストペンギン】『あさが来た』前半まとめ1、五代くんの名言迷言集【おディーンさん】
『あさが来た』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ。
他民放ドラマ、大河、時代劇、NHKスペシャルはこちら。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。
■比翼の鳥の片翼
「大丈夫だすか?」
「ようよう会えましたな」
新次郎は三坂さんからもう聞いてるからそれで「やっと会えた」と。
「やっと会えた」って、五代さんあさと大阪で初めて再会した時同じこと言っていました。(→『あさが来た』3週の感想まとめ、その1)
脳裏によぎるは、あれから過ぎた激動の日々。
新次郎は五代さんに造幣局の通り抜けで花見をしたときの思い出を話します。
「私はただ『局員だけで楽しむにはあまりにももったいない桜やなあ』て呟いただけです」
50字に満たないつぶやき。
その先100年以上残り、上野の桜にも負けない見事な大阪の宝物を残した。
当時の五代さんの影響力や人となりを改めて実感します。
「戦のある時代、人の上に立つ者には人に命令する力が必要やった」
五代さんが思い出すのは丁髷だったあの頃。
薩摩言葉で笑いあってた、英国から日本を見たあの頃。
出会ったあの頃。
「この姿のどこがかっこつけです?」
「私はもう…あささんには会いたくありません」
少し前、顔色悪くしながらも。
「もし私が死んだかて五代が作った大阪は残ります。我々はいつもそないな仕事をせなあきません」と『かっこつけ』ていた五代さん。
せめてあさには『かっこつけ』ていたい、その男心。
「相思相愛……比翼の鳥です!」
この中国語の台詞、とても印象的でした。
五代友厚は1862年水夫に変装して上海に赴いています。
当時は勝海舟らと共に長崎伝習所で学んでいた頃、志に溢れていたのでしょう。
その後にグラバーやモンブランら懇意にしていたというエピソードからも、中国語(広東語)に堪能であっても何ら不思議はありません。
脚本だったのか、役者さんがつけた演出だったのか、あるいはアドリブだったのかわかりませんが。
どれにしても五代友厚をディーンさんが演じているから出来ることなのでしょう。
ディーンさんご本人は言わずもがな、役者さんの十人十色を引き出しすスタッフさんたちにもパチパチ。
「約束してください。これからはあささんのことを内からだけやない、外からも支えると!どうか頼みます!」
五代さんがあさを手放した、あさを外から支える役割を新次郎に託した。
あさというペンギンを支えるふたつの翼は新次郎と五代さん。
片翼の命が尽きようとしているとき、もう一つの翼にその役割を託す。
これであさと新次郎は、五代さんの言う通り「比翼の鳥」になる。
それでも寂しい。
「あ、ほんとに五代さん死んじゃう」
と、心の中でツンと。
■新次郎、働くってよ。
「ハハッ、どないだすやろなあ」
きっとトモちゃんに最後の挨拶してきたのでしょう、シンちゃん。
いつもの新次郎の底抜けの朗らかさを抑えた笑顔が沁みるものです。
思えば新次郎は、慕っていた兄を若くして亡くしています。
また、幼馴染のサトシとの確執をずっと気にしていました。
紆余曲折を経ながらも、お互いにニックネームで呼び合う友達ができて、新次郎自身も嬉しかったはず。
新年からその仲睦まじい様子が描かれたから、なおさら別れも辛い。
でも一番辛いのはトモちゃんだって新次郎の物分かりのよさが辛い。
「五代様も同じこと言うてはりました。加野屋がますます大きなっていくには旦那様の力が必要やて」
ハッと目が覚めたような新次郎がよかった。
五代さんから託されているもの、守るべきもの、あるいは向き合うべき現実。
この近距離での土下座攻撃。
雁助「(大声で)新次郎さんが働くいうてはりまっせ!」
弥七「ほんまびっくりぽんや!」
新次郎「働かしまへんで!わては今までとおんなじ、ずっと座ってるだけやさかいな!」
中年男に「お願いだから働いてください!」と土下座三連発の後。
働く宣言にどよめき、歓喜の胴上げをされながらも「だが働かぬ」を貫く新次郎。
その明るさがありがたい、そんな15分の構成。
■永遠に追いつけない人
「五代さんはあさを『もっと育てたい』言うてはったし、あさは五代さんに『恩を返さな返さな』言うし…あんたたちこそまるで比翼の鳥だがな」
あさと目を合わして話さない新次郎。
寂しそうな辛そうな夕暮れ。
「永遠に追いつかれへんお人なんだす」
「そうか」
五代さんを「永遠に追いつかれへんお人」と話すあさに、新次郎のこの表情がまた。
照明さんいい仕事するなあ…
ずーっと先のものを見て、ずーっと前を歩いて、永遠に追いつくことができない。
あさにとって五代さんは太陽みたいな人だったのか。
それでもフレンドとして、太陽の作る影はいつもそばにいる。
その太陽が沈もうとしている夕暮れ。
■火傷の後は
雁助さんの火傷の手当てをするうめ。
雁助さんとうめさんもやはり比翼の鳥なんだろう。
亀助とふゆも、惣兵衛とはつも。
正吉さんとよのさんも、栄達さんと菊さんも、忠興パパと梨江ママも。
みんなたくさんの比翼の鳥。
そんなドラマなのかもしれません。
雁助さんうめさんに手を伸ばして……
ああひっこめて……
亀助さんはふゆに勢いでプロポーズして、勢いでハグまでいきましたが。
雁助さんはプロポーズと一旦撤回して、ハグも咄嗟のところで手を引っ込めて、って対比。
■答えられない「何でだす」
「明日…五代さんは東京に行きはります」
五代さんに口止めされてたんだろう三坂さん。
でも五代さんが会いたい人、五代さんに会いたい人を一番わかってるんだろう三坂さん。
かつての幼いあさに新次郎がそうしたように。
払い下げ事件のときといい、影の好プレー大賞差し上げたい。
「まさかそないに急に悪なりはるやて…」
「美和さん、教えとくなはれ…」
『内密に』と頼まれた事情を知っていて、目を伏せる美和さんと。
何が起きているのがわからず、大きく目を開くあさの表情の対比が秀逸だった。
「何でだす?何で戻ってきはれへんのだす?」
誰にも答えられない「何でだす」。
三坂さんはきっと加野屋にあさを探しにきて、
新次郎が「晴花亭にいる」と伝えて一緒についてきたんだと思う。
その道中に大阪商人を巻き込みながら、彼らはきっと珍しく言葉少なに、それでも早足で向かってたとか思うと涙目。
三坂さんが「五代さんから」と渡したものは
胸を張って空を見上げるファーストペンギン。
(あ、だめだ目から汁出てきた)
「やっぱりあのお人はカッコつけ過ぎだす。このまま行かしたらあかん」
ペンギンの絵を受け取って、力なく座り込むあさ。
咄嗟に支える新次郎。
「行こう」と、あさを支えて商法会議所へ。
状況は違うけれど、新選組のときに腰を抜かしたあさを思い出しました。
母親でも女社長でもない、まだ少女だったあのころ。
あさと美和さんの涙がとても綺麗でした。
■まどろみの中で
「こら夢やろか?」
「夢と思てもろてかましまへん」
炭鉱の小屋でうとうとしていたあさのところに、突然現れたのは五代さん。
ファーストペンギンの話を伝え、「夢?」というあさの手にはペンギンの描かれたハンカチがありました。
(→『あさが来た』9週その2。)
それから時間が経ち、病床の五代の元にやってきたのはあさ。
「夢?」という五代さんに、あさは教本に描かれたペンギンの絵を見せる。
9週のときにはわからなかったあの場面、「通り道だってのはわかるけど、なんでわざわざ?」と思っていたあのワンシーン。
こうやってつながっていくんだなあと。
東京で大久保さんが亡くなった前髪五代のときの悲しい目とも違う、
二人とも優しい目で向き合ってるのでしょう。
「そやのにうちは…まだ何もお返ししておりません」
「気にしないで」
今まで隠しておきたい本心をコントロールできないときに英語使ってきた五代さん。
「あなたのその気持ちは新次郎に向けたげて」って気持ちなのかな。
■思い出
「なんやペタペタ触った上にそのまま何も言わんと逃げてしまうなんて、それが日本男児のすることどすか?」
これは第1週の話。
このとき
「お武家さん相手にでもしっかりとした言葉遣いで叱咤できるあさの育ちの良さ」が印象に残ってました。
五代さんに対しては、「このロリコンは誰?」だったんだよなあ。
まさかこうなるとはなあ。
「日本男児であることを自覚したときに、なおさらそう思いました」
英国留学で実感した世界の広さ。
日本男児と言うアイデンティティが問われる時代の中で、思い出したのは大阪で出会った世間知らずな少女の言葉。
五代さんの紳士性って、英国紳士のそれと日本古来の武士のそれのハイブリッドだったんだなあって今更実感。
「明治の世なんて誰が作りはったんや!くそ食らえだす!」
英国で忘れられなかった少女は、新政府のお役人に暴言飛ばすとんでもない若奥様になっていた。
これはワンダフル回、第5週の話。
山王寺屋を中心に、御一新で混乱する庶民が描かれました。
同じ週のうちにあさはこの暴言を謝るのですが、そのときに五代さんは
「その罪滅ぼしのためにここにいるのだ」と英語でこっそり言っています。
間接的ながら大阪経済を混乱に陥らせたこと。
それに対して涙を流したり怒ったりしている人がいること。
そんなことに対しての詫びをずっと感じていたのでしょうか。
あさの涙の流れ方、頬の伝い方が自然で素敵。
拭う瞬間も、あさらしい泣き方。
一方、五代さん。
回想シーンと比べるとやっぱり息遣いあがってますね…。
苦しいんだろうなと察します。
■砂時計の砂が落ちるとき
「確かに歴史を変えてきたのは武士だったかもしれない。そやけどそれを影で支えてきたのは、いつの時代も商人だったんです」
ここまで『やらかい力』(1週)を『刀と信用』(3週)、『ピストルと大福餅』(7週)に繋げてきた。
16週にきて『武士と商人』。
すごいなこの構成。
「まだまだ死にません」
「まだまだやり残したことがある」
『まだまだ』を繰り返すバイタリティの行く末は、大久保さんのようにこの国に何かを残すこと。
大久保さんと「もっと日本の話をしもんそ」と話していたのが思い出される。(→『あさが来た』13週その2)
「最期まで、私は、この国の未来のために命を懸けたい!」
五代さんの言葉、それにかぶさる新次郎。
聞こえてないとは思うけど、その言葉を聞いているような新次郎がまたなあ……
五代さんが道を照らしたのはあさだけじゃなくて、新次郎に対してもそうだったんでしょう。
「子どもの教本にペンギンが載ってましたんや!」
「ほんまですか…!」
子供用の教科書にペンギンが載っていたこと。
『ささいなこと』だけど、五代さんが生きた確かな証。
出産を控えたあさに「後世に何を残せるかだけです」と語っていた五代さんでした。(→『あさが来た』11週その1)
人は皆いずれは死ぬってのは何かフラグかもしれない。
この言葉も『五代友厚』の生き方を強く反映しているのかもしれない。
今自分が死んでしまっても、教科書は残る。
教科書で学んだ子どもがまたその子どもに伝えて、その子どもがまた子どもへ伝えていく。
そうやってファーストペンギンの姿はずっと伝えられていく。
生きる命は尽きてしまうものだけれど、志は継がれていく。
生きた証を、志を確実に残すこと。
それこそが『教育』なのでしょう。
その姿勢が今後、女子教育に関わっていくあさの人生に生きてくるのかと。
ふたりの時が終わる。
砂時計演出をここまで効果的に使うなんて。
■ラストカット
「このあと五代は東京に移り住み、療養生活をはじめました」
五代さんラストカットは笑顔で。
当時の糖尿病は今よりもっと不治の病。
本当の終末期を東京で三坂さんと迎えたのでしょうか。
でも最後にふたりが笑っていたのがよかったです。
「何やってんだか」と思わせてくれる2人のやりとり、とても心が温まりました。
廊下で立っているだけの新次郎が印象的でした。
光の中に溶けていきそうな新次郎の立ち姿が挟まれたからこそ、五代さんとあさの最後の時間が際立ったなと。
玉木さんが絵になる、というよりもここまで描かれた新次郎像がここにピタッとはまるってことの方が大きい。
■彼女もまたファーストペンギン
冒頭で涙を静かに拭う美和さんも印象的だったが、こちらのひとり新聞で訃報を知る美和さんの姿も印象的でした。
彼女もまたファーストペンギン。(→『あさが来た』10週その2)
美和さんにとっても、五代さんは道を照らしてくれた大切な恩人。
15週で五代さんが北海道にいることを知っていたあたり、五代さんは美和さんのパトロンだったのかもしれません。
哀しいけど、美和さんはきっと照らされた道を行くんだろうな。
きっと、力強く胸を張って。
■明治18年9月のことでした。
「明治18年9月のことでした」
短いナレーション。
亡くした人の大きさを、その存在感の重さを、実感した。
「二度と追いつかれへんようになってしまいました」
「あさ」と声をかける新次郎、その優しい声だけ。
泣き出すあさに何も言わない。
新次郎のセリフは今回は極端に少ないけど、表情に魅せられた。
個人的にこのドラマで、一番印象変えられたのは玉木さんかもしれません。
■道を照らす人
あさにとって五代さんは、五代さんにとってあさは、お互いに『道を照らす人』。
今よりもっと混乱してて夜も暗かった道標が求められた時代。
「迷わないで」と灯をくれる存在。
きっと誰の心にもいる『道を照らす人』。
ともすれば13週で、福沢諭吉より牛鍋よりアイスクリンより何より。
ガス灯で明るくなった夜に感動していたあさの姿にも合点がいく。
■おおきに五代さん
おおきに五代さん。
おおきにファーストペンギンさん。
このインターナショナルな経歴のディーンさんを、五代友厚役に起用したBKスタッフもよく探してきたわな。
もちろんカッコよさや語学力もあるけども。
ディーンさんもまたファーストペンギン。
そのディーンさんが五代さんを演じたからこそ、ってのがある。
蛇足なのですが、大阪の人たち羨ましいって。
近代の大阪を作った人たちが、朝ドラで丁寧に親近感を持って描かれて、
「自分らの地元は、こんなに愛されて守られてそれで今があるんだ」
って思えるのかもしれない。
そんな郷土愛のようなものって、とても大切なものだと思う。
「みんなで一緒に作った大阪が残ればそれでいいんです」
大阪に限らず日本全国の町に歴史がある。
そこには五代さんのように命をかけて発展に尽くした人がいる。
そういう人たちの気持ちを捻じ曲げちゃいけない、守っていかなきゃならない、伝えていかなきゃいけないんだなって。
で、『経世済民の男』シリーズでまずは五代友厚だな。
「あさが来た」の五代さんは『道を照らす人』として親近感持って描かれたけど。
それはそれとして『明治維新のもうひとりの立役者・五代友厚』の人となりを別の角度から観たい。
今度はとんちき抜きでもいいので、留学時代あたりもじっくりと観たい(ナレーションは三坂さんで)
大阪の大恩人なのは確かだけど、日本の大恩人でもあるのだから。
大河でも経世済民でも何でも、エネッチケーさんおなしゃす!!
JR東のSuicaペンギンちゃん、BKP具合があさちゃんに似てるとは前々から思っていたのですが、今日だけは五代さんに見えてきます。ええ、じわじわと(´-`)
— ゆずず (@yuzu0905) 2016, 1月 22
#あさが来た #おおきに五代さん #五代ロス pic.twitter.com/eB5YWhahvK
■ずっともっとお武家様
故人を偲ぶあさと美和さん。
「あのお方はうちらが思てたより、ずっとお武家様やったんやて思います」
五代さんはとんちきだったり紳士だったりしたものの、元薩摩藩士として描かれていたように思います。
8代目襲名披露のとき、ひとりだけあぐらだったり。
スクープ狙う記者の尾行を感じて振り返るカットもそう。
このとき、書簡を整理していた美和さんが「実は借金まみれだった」とあさに明かすのですが。
そのときの美和さんの言葉
「身ぃ削ってお国のために働いて…何やみんな死に場所探してはるみたいに思われてなあ」
「けど今頃2人でようやっとほっとして、今の日本に文句でもいいながらお酒飲んだはるんやないやろか」
が目撃者としての美和さんらしいものだと思いました。
一方、新次郎とも。
「今日の空も製藍工場の煙と造幣局の煙が並んで上がって、そらええ眺めやったで」
「大阪の空も、五代様のこと名残惜しい思てますのやろなあ」
このときあさが思い出すのはやはりこの「後世に何を残せるか」という言葉。(→11週)
あさはこの週に千代を出産します。
それに対して五代さんは
「子供を産み育てるという事は、ほかのどんな新しい産業興すよりもお国のためになることです」
と話していました。
実業家・五代友厚にとって、大阪経済は子どものような存在だったのかもしれません。
子を育てるほどの心意気で生き抜いたからこそ、『大阪経済の父』と呼ばれたのかもしれません。
■へぇ!へぇ!へぇ!
いつも月曜日に来ていた噂の「へぇさん」。
根掘り葉掘り聞いてみた雁助さん
「この加野屋で働きたいて思てはるみたいなんだすわ」
「どない見ても丁稚いうには無理のあるおっさんだすがな」
月曜から姿を見せていた謎の人物。へぇさん。(→16週その1)
雁助さんと榮三郎のやりとりを聞いているんですよね。
とりあえず話を聞いてみよう。
「うちで働きたいいうのはほんまだすやろか?」
「へぇ」
「何でだす?なんでうちなんだす?」
「へえ」
必殺何でだすが効かない!!
で、業を煮やしたあさちゃんスイッチオン。
「あかん!なんで『へぇ』しか言わはれへんのだす?」
掴みかかりそうになってるのがあさらしくていいね!
でもそうもいかないので
「それに両替屋はいつの世かて信用第一だす。身元もはっきりわかれへんようなお方雇える訳もございまへん!」
とあさが伝えると、
「へぇ!失礼しました!私は元大蔵省、会計検査院におりました」
最初から普通にしゃべっとけwww
長年政府で働きながら、民間の銀行の重要性を感じていた平十郎さん。
いろんな店舗を見て歩きながら、加野屋にだけ可能性を見出した。
ドイツ留学の経験もあり、金融への知識も豊富。
ここで雇わせてほしい、と。
お?これもまた一気に物語が動き出しそうだぞ??
「大蔵省言わはりましたなぁ!」
「ほんまにへぇさんだしたがな!」
新次郎が変なところにツボってる件。
■扱いづらさ違い
「一見あさによく似ているように見えますが…」
ほくろがありません。
あと髪飾りがはつ仕様のもの。
前の千代役ちゃんのときから思っていましたが、千代のはつ性。
鹿鳴館の絵にはしゃぐ千代ですが、同じ年頃のころ蛇を振り回して凧で空を飛ぼうとしていたあさは…
「へえ~これが鹿鳴館だすか」「まるで金魚みたいだすがな」
「しかも毎日勉強も働きもせんと踊ってはるやてなぁ。うちには考えられへん世界だす」
「お母ちゃんにこないな世界わかるはずありまへんさかい!」
おおう、これは……
はつっぽさ、というよりあさとはつを足して割ったような……
外見がまるで一緒の子あさと千代の違いは「どう扱いづらいか」くらいで……
鈴木梨央ちゃんに求められるものが、大女優レベル、いやそれを超えるものになっている。
(前作大河に後ろ回し蹴りを食らわす朝ドラだな、と思わず笑ったのはここだけの話で)
■安全型自転車
商法会議所にやってきたあさ。
真っ先に山屋さんに駆け寄って…
見せてもらったのは自転車でした。
それを見てあさが言った言葉は…
「いいや、いつかうちがきっと乗りこなしてみせまひょ」
自転車の思い出は五代さんからの手紙。(→2週)
ペロシペードという二輪車の乗りこなす女性の絵が描かれていました。
「じゃっどん、きっとあなたならいつか乗りこなせるでしょう」
五代さんからの手紙を思い出し、「いつか・きっと」乗りこなすとあさ。
「いつか・きっと」と言っていたささいな話を、することができたあさのことだから、きっと実現させるのでしょう。
■汎用性が高い画
「はぁ~しんど!」
「お父ちゃん頑張って」
「遊びたい遊びたい遊びたい遊びたい」
「旦那様!心の中で思てることが口から出てます!」
新次郎このやろう、今週あれだけかっこよかったのにww
でも新次郎は五代さんとの約束を忘れないんだと思います。
■はつさん再登板。
そんなコントをしていると、お客さん。
「お父ちゃん!」
「新次郎隠し子?!」「今度こそ土佐堀川に水落ち?!」と思いきや、眉山家の長男坊・藍之助でした。
はつゆずりの品の良さと惣兵衛ゆずりのドッキリ好きってのをあの数分で見せるとは。
顔もなんとなく宮崎さんの目に柄本さんの目尻をミックスさせたような風に見えてくるから、ものすごーくハマってみえます。
はつさん来たぁぁぁぁ!!!!!
五代さんが見送った翌日に、公式五代ロスしながら…
辻本相談員本格投入&はつ姉ちゃん召喚とか…
BKえげつなっ……!!(褒めてるよ
■来週の「あさが来た」は…
横綱対決。
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