Youth worker Support【未来を創る若者たちへ】

「はたらいて幸せになろう!」仕事は自分を成長させ、人を幸せにします。そんな仕事を楽しむための情報をお届けします。

シリーズ「魔法の添削」その2~語彙力・表現力の強化法~

2017-05-29 | 仕事

理解されることとは、好かれることではない。

自分の考え方や気持ちなど、目に見えない事柄を文章で伝える上で大前提となるのが「誰に伝えるのか」という事です。
読む相手が具体的に分かっている手紙や報告書などの場合は、その人の性格や癖などを推測し、どんな風に書けば読みやすいか、どんな言葉を使うべきかなど、「読み手の受け止め方」を考えながら書くのが普通です。
しかし、応募書類は具体的な人物像がはっきりせず、特定の個人に伝えるというよりも、会社という団体や集団に伝えるという意識になり易く、そこに”落とし穴”があるのです。
不特定多数の人に理解されようとする意識が、皆に好かれたいという非現実的な欲求を生み、結果的に表面的で感情のない文章にさせる、というケースになりがちです。
理解される事と、好かれる事が同化してしまうと、自分の言葉ではなく、相手が気に入るであろう言葉だけを探すようになり、結果的には自分を分かってもらえません。
その代表例が、企業理念などを題材にしてその企業を誉め称える表現法です。
企業は、貴方に誉めてもらいたくて応募書類を読む訳ではなく、貴方を知りたくて読むのです。
ではどうすれば良いかというと、より多くの見知らぬ人に、自分を理解してもらうための表現力と語彙力(ボキャブラリー)の強化法を実戦する事です。
強化法は様々あると思いますが、以下に3つの強化法を紹介します。
ここで紹介する手法は、日常の生活の中で少し意識を変えるだけで身に付くもので、決して難しいものではありません。また、就職活動の期間より、むしろ社会に出てからの方が役立つ機会は多いと思いますので、是非実践してみて下さい。

「読字」のすすめ(読書+α)

語彙力・表現力を身に付ける上で、最もやりやすいのは人の書いた文章を読む事です。
但し、作家や文法うんぬんの前に、素直に文章や言葉、フレーズに出来るだけ多く触れる事です。
新聞・本・雑誌を読むだけでも十分ですが、会社のキャッチフレーズ・商品の宣伝文句・説明書・標語・メニューの紹介文・料理のレシピ・先輩の履歴書・子どもが書いた手紙・ポスターなど、自分の周りに溢れている様々な文字を意識的に読む事が、語彙力や表現力向上の基礎行為となります。
「読書」ではなく「読字(どくじ)」と表現したのは、「なぜその文字なのか」「なぜ漢字ではなくカタカナなのか」など「なぜ」という観点で文字や文章を読む癖を付ける事が語彙力の幅を広げ、表現力の向上に繋がるからです。
そして、自分が気に入ったフレーズや言葉を、忘れる前に就活ノートなどにメモしておく事です。
また、漢字や言葉の意味を辞書で調べ、文字の成り立ちを研究するなどの行為も語彙力向上になります。
「自分の言葉」とは自分の中から湧いて出る気持ちや考えを素直に言葉にすることから生まれます。
様々な言葉(形容詞や単語、漢字など)に触れて自分にしか分からない微妙な気持ちや強い意志などを的確に表現できる、貴方だけの言葉を探して下さい。

会話のすすめ(例え話の練習)

「話し上手は、聞き上手」などと言いますが、会話力のある人は「例えが上手い人」でもあります。
例え話は、普段誰もが何気なく行っていますが、それを意識して聞いたり話したりする事だけでも、表現力は向上します。また、例え方のバリエーションの豊富さも会話力・表現力の向上と直結します。
さらに、目上の人との会話の時間を出来るだけ多く作る事も重要です。目上の人には当然敬語を使いますが、丁寧な説明の仕方や、敬意を払ったものの言い方を意識する事が、相手を思いながら話す事に繋がり、その場に適した表現力が身に付き、やがては文章力にも活かされます。
周囲の大人と出来るだけ多く、様々な事を話しましょう。
また、会話とまでは行かなくても、会社説明会に積極的に参加し、その会社の担当者に質問をする事もよい練習となります。それが大勢の中なら尚効果が増します。度胸が付くのと、大きな声が出せるようになるという効果がプラスされるからです。参加可能な就職フェアなどは基本的に全て参加する事をお勧めします。興味の湧かない業種の話を聞く事も大変重要な練習になります。

日記・手紙のすすめ

「実践に勝る練習なし。」と言う言葉の通り、実際に書いてみる事です。但し、目的意識を明確にしてから書く事が向上の近道です。例えば日記なら、「今日の自分の行動を出来るだけ細かく記録しよう。」「今日の気持ちの動きを言葉にしよう。」「今日食べた物を正確に記録しよう。」など、テーマをはっきりさせて書く事です。上級になれば文字数を制限して書くのも効果的です。(同じ内容で短文と長文など)
また、直筆で書くのが効果的ではありますが、集中力が持たない場合はパソコンを使って文章を書くのも効果は出ます、しかし、手紙など宛名を書く時はせめて直筆で丁寧に書く練習を意識的にする事です。
普段から日記を付けたり、頻繁に手紙を書いている人は、既に自分の文章スタイルを持っている人が多く、その文面で誰が書いたのかが分かるという人もいます。そのような人は、もっと違う角度から表現する事はできないか、など別の表現法を模索して、自分の世界をもっと広げる努力をしてみて下さい。


シリーズ「魔法の添削」その1~応募書類の基礎知識~

2017-05-27 | 仕事

今回から「魔法の添削」と題して、応募書類に関するお話をして行きます。

この時期から応募書類の話題を始めることにしたのは、既にエントリーシートや履歴書を悪戦苦闘しつつも何とか書き上げて提出しても、書類選考で落とされたという苦い経験をした人が多い時期だからです。

つまり、何の苦労も感じることなく書けて、選考を通過している人にはどうでもよい情報となりますので、これ以上読む必要はないと思います。
ここから先は、書類を書くのがどうも苦手だという人、またはこれから応募書類を書き始めるという人に絞っての情報となります。

これから述べる事は、単に書類選考を前提とした攻略法ではありません。
書類選考があろうとなかろうと、就職活動をする上で書類作成は避けて通れない行為であり、自分を他者に理解してもらうために書くのが応募書類です。
つまり、これから述べる事は「自分を文章や言葉で表現する力を伸ばすための攻略法」です。

基礎知識1

履歴書・エントリーシートの役割

履歴書やエントリーシートなどの応募書類は、貴方の事を何も知らない相手に、貴方を分かってもらうために作成します。それを読む企業の採用担当者は、まだ何も知らない貴方を想像、理解、判断するために読みます。貴方自身よりも先に相手に届き、貴方の分身となるのが、応募書類の大きな役割です。
また、応募書類は単に書類選考のために必要なものではなく、その後に予定されている面接での質問の参考になるという役割もあります。従って、応募書類を書くには、面接まで意識して伝えたい内容を精査し、言葉で伝えるのか、書いて伝えるのかを区別する事から始まります。

応募書類の種類

一口に応募書類と言っても、その種類や様式は様々あり、企業によって求めるものが違います。
エントリーシートの他、履歴書(学校発行、市販のもの)・面接シート・応募者登録シートなどがあります。また、企業によっては成績証明書や卒業見込証明書を要求したり、資格が必要な仕事の場合は資格証明書や資格取得見込証明書なども求められます。
応募書類は、企業が応募者に求める全書類の総称です。どの企業にどの書類が必要かをしっかり整理し、期日に間に合うよう準備しておきましょう。

添え状とは・・・(送り状・送付状とも言います)

添え状は、応募書類ではありませんが、応募書類を郵送する時には一番上に重ねて入れるのが常識です。
添え状とは、送った相手に対して貴方の代わりとなって「挨拶」をする役割を担う、重要な書類です。
添え状の書き方は、ハローワークや大学の就職課に具体例が紹介されているので、それを手本として自分のスタイルを決め、パソコンで作成すると良いでしょう。

エントリーシートには意図がある

応募書類の中でも、企業の特徴が現れるのがエントリーシート(以下ESと書きます)です。
ESには、企業側の意図が必ずあります。質問内容は勿論、様式や文字数制限、提出期限、さらに書かせるタイミングに至るまで、応募者から得たい情報を、出来るだけ分かりやすく整理でき、なお且つ適正な判断ができるよう工夫されています。また、企業側の意思が及ばない履歴書や、自由な表現を求める自己PR書でも、その内容から何を得ようとするのかを、採用担当者は予め明確に決めています。
読む方は目的を持って真剣に読みます。なので、書く方も真剣に書かなくては理解されません。
最も理想的なのは、企業側の意図を理解し、それに沿った回答をする事ですが、現実はそう簡単に行きません。しかし、分析や推測をする事はできます。企業研究や先輩に聞くなどの情報収集は勿論、会社説明会などに積極的に参加して、企業の担当者の話しを直接聞く事が重要です。

提出期限から推測できる企業側の意図

応募書類には必ず提出期限がありますが、その期間設定にも企業の意図が現れます。
単に提出期限が遅いからゆっくり書けるとか、期限が早いから書き難いというような、書く側の都合だけで捉えては危険です。また、「早く提出する程良い。」というのも短絡的です。一番に届こうが最後になろうが、採用担当者にとっては、早さよりもその内容の方が重要です。(但し期限を過ぎる事は論外です)
期間設定は会社の都合ですが、単に日程上の問題だけではなく、「これくらいの期間でないとしっかりした回答は得られない。」「短い期間だが、この程度なら答えてくれるだろう。」など、欲しい情報に見合う期間や、応募者への期待値などを考慮して決めます。早く出す事だけにこだわり、内容が不十分なままでは、結局相手には何も届かない事になります。
対策としては、提出期限内に相手の手元に確実に届ける為には、遅くても何月何日何時までに発送すればよいかという期限を予め逆算しておく事です。そして、例えば2日かかる見込みであれば、その1日前つまり3日前には発送するよう心掛けましょう。

ケース1:説明会などで、応募希望者にその場で書かせて直ぐに提出を求める場合(または1週間以内に提出)

意図「就職意識の高さ、動機の強さを伺う」
しっかり書けている人=意識・意欲・準備力が高いと評価される
表層的にしか書けていない人=意識・意欲が低く、準備が不十分と見られる(とりあえず来ましたという感じ)

ケース2:配布後2週間以上の期限を設定している場合(WEBエントリーも同じ)

意図「研究意欲や準備力、さらに志望度の高さを伺う」
しっかり具体的に書けている人=よく調べて準備力があり志望度が高い人
そうでない人(パッとしない内容)=準備力も志望度も低い・ついでの応募?
※「準備力」とは、今後起こりうる事を予測し、事前に計画性を持って適切な準備ができる能力の事で、仕事においては重要な要素と言えます。

応募書類を書くには、ある程度の準備が必要です。その二本柱は「自己分析」と「企業研究」ですが、一般的には早い段階でそれらに取り組んでいる人は、就職に対する意欲が強いと判断されます。
しかし、単に早くすれば良いというものではなく、そこに「主体性」があるかが最も重要なので、まずは自分に真摯に向き合う覚悟が要ります。
周囲の雰囲気に呑まれて、何となく活動していると感じる人は、直ちに良き相談者を探してください。

文字数制限と文字の大きさ

文字数制限は、単に企業側の都合だけではなく、その人の「伝達力」も判断されるものと捉えましょう。
また、応募書類の中には、履歴書の様に枠のみが指定されていて、文字数制限のないものもあります。
いずれにしても、限られた条件で的確に伝達する能力を判断されると捉えた方が良いでしょう。

文字数制限から垣間見える能力 ※文字数は句読点も含みます(あくまでも目安です)

30以下:短いフレーズや言葉で物事の核心を表現できる「発信力」
300程度:発信力+伝えたい情報を的確かつ簡潔に伝える「まとめ力」
600程度:発信力+まとめ力+伝えたい情報に信憑性を与える「ストーリー力」
600以上:発信力+まとめ力+ストーリー力+価値観・情景・背景など世界観を感じささる「演出力」

一般論として、短文は結論→説明→総括の順に書くと良いと言われますが、長文は起承転結が基本です。
但し、小論文や企画書、プレゼン資料などは、それぞれのノウハウを研究して下さい。

point

まず確認すべきは、自分の文章力と癖です。書くのが苦手な人ほど早く練習に入りましょう。
ここでいう癖とは、自分が長文の方が得意か短文の方が書きやすいか、または文章より箇条書きが好きかなどを、自らが分析・確認しておく事です。(授業中に使っているノートにそのヒントが隠れています)
長文が好きな人は、要点をまとめ、短い言葉で言い換える(書き換える)練習をすると良いでしょう。
短文や箇条書きの方が好きな人は、登場人物や状況説明を意識して書く練習をすると良いでしょう。
文章が苦手な人は、無理しても本や新聞を読む事や、日記を書く習慣をつける事をお勧めします。
応募書類無くして就職はあり得ません。書く事を敬遠し遠ざけようとする人は論外です。

文字数制限がなく、枠だけが指定されている場合
(文字の大きさと文字数の割り出し方)

1:まずは、あまり考えず、いつもの調子で何か思い当たる文章を書いてみます。
2:書いた書類(紙)を、自分の手で持ち、一番離した状態でしっかり読めるかチェックします。
この時点でよく見えなくなる文字がある場合は、貴方の書いた文字は小さすぎです。(書き直し)
3:自己チェックが終わったら、身近な人に見せて大きさをチェックしてもらいます。
重要な事は、単に見えるか否かではなく、詳細に見てもらい貴方の「癖」を探してもらう事です。
句読点だけがやたら大きいとか、「し」や「い」だけやたら細いとか、具体的な指摘をしてもらう事。
4:自他のチェックが終わったら、それが貴方だけの文字数計算の基礎となる大きさです。
適切な大きさが決まれば、一行分の文字数と、記載可能な行数から最大文字数を計算します。
5:文字数が決まれば、パソコンで作文すると文字数の確認や、書き直しが簡単に出来ます。

文字制限があり、枠が指定されている場合
(枠に合わせた文字の大きさを決める)

※通常は、指定された文字数が十分に入るであろう枠の大きさになっています。
1:まずは、指定の文字数となるよう升状の罫線を引きます。※後で消すので薄く
2:複数の枠がある場合は面倒でも全部引いて、その中で一番小さな文字となる枠の文字を選びます。
枠や文字数によって、字の大きさが大きく変わると、書類全体の見栄えが悪くなります。
3:字以数に指定がある場合は、最低でもその8割は書きましょう。また、指定数を超えては駄目です。

文字にも表情がある

「字は体を表す。」と言うように、手書きの文字は書いた人の人柄を想像させる力を持っています。
相手を思いやっているか、やる気があるか、几帳面か、落ち着きがあるかなど、書いた文字には自分では気付かない自分が表現されているものです。また、応募書類は読む人が分かって書く手紙とは違い、誰が読むか、何人が目にするか、全く分からずに書くのが普通です。従って、「気持ちが入りにくい書類」となりがちです。特に手書きの場合は書類全体を見た時の印象が、読む時の理解度に影響を与える事もあるので、思いを込めて書く事が必須条件です。

手書きではない書類の場合(印刷文字やWEB応募の場合)

手書き程ではなくとも、人の書いた文章はその文面から人柄や性格などが想像できます。
身近な例として、メールでのやり取りを思い浮かべて下さい。普段の自分の書き方や表現力を、メールの履歴を辿りながら分析するのも、立派な自己分析です。例えば、用件だけをズバリ書くだけの非常に短い文章を書いている、または絵文字などを駆使して読んでいる人を楽しませようとしている、さらには要件よりも他の情報が満載で結局何を伝えたいかが分からなくなっているなど、人にはそれぞれ癖があるものです。自分の癖を把握し、どのような表現法が自分らしいのかを考える事が重要です。

point

応募書類を書く時は、「落ち着いて、気持ちを込めて、丁寧に。」が基本です。
具体的には、下書きをする事です。下書きは文字の位置や誤字などを予めチェックするためだけではなく、文字を書く事に集中できる状態にするという重要な役目があります。
「一字入魂」とまでは行かなくとも、せめて「一文入魂」「一紙入魂」の精神が必要です。
また、綺麗で華麗な文字よりも、貴方の一番丁寧な文字を書いて下さい。

www.kanaeruken.com


シリーズ「知って得する就活法」その10〜仕事より社風〜

2017-05-20 | 仕事

「社風が合わないので辞めました」

「会社の雰囲気が肌に合わないので辞めました」

「社員間のしきたりや暗黙の了解が多すぎて、ついて行けません」

これは、入社1年以内に離職した方々の声の一部です。

4月も中盤を過ぎ、新入社員研修を終えた新人社員も、それぞれの現場で仕事に就いてる中、既にこの様な思いを抱いている人は必ずいます。
しかし、多くの人は時間が解決するので、一時的な迷いのように捉えている様です。

実は、入社したての若手社員に、最初に訪れるのが「社風の壁」です。
これから仕事を覚えて、一つ一つ自分のモノにして行く前に、必ず立ちはだかるのがこの壁です。
その乗り越え方はまた紹介するとして、今回は就活生のために、その社風を意識した活動をして欲しいという意味で、テーマを「仕事より社風」としました。

では、どのように社風を意識し、情報収集するのかというと、まずは先輩に聞くというのが一番早いと思いますが、出来れば多くの社会人に会うことの出来るイベントに積極的に参加することをお勧めします。
合同会社説明会のような就活イベントもその一つではありますが、各企業の人とじっくり話すことは難しいかも知れません。
それよりも、NPO団体などの地域活動団体が主催するイベントや、ボランティアの中にも社会人との接点を持てる機会はたくさんあります。
そういう場所で出会う社会人の多くは、自身の仕事以外の時間を使って活動しているので、様々な業界や職種の人たちともつながっています。
しかも、仕事から離れている時間に話を聞くことができるので、割と本音を言ってくれます。
そういう機会に、その人の職場の社風や風習などを聞き出すのが得策です。
肝心なのは、その人がどのように社風に馴染んだのか、そもそも意識などしていない人なのか、社風そのもを作って来たのかなど、社風との付き合い方を聞き出す事です。
そして、会社訪問や選考時にも、担当する社員の方から、その会社の雰囲気を感じ取る事もできます。

社風の壁は意外に高いと、私はあえて言っておきます。
しかしそれは、自分に合った社風の会社を選ぶようにという訳ではありません。
むしろ、その逆です。

そもそも、洋服を選ぶように自分に合う社風の会社など、そうそう出会えるものではありません。ましてや、やる前に既に自分に向いている仕事などありません。
大切なのは、自分からその社風、その仕事に合わせてゆく事です。
だからこそ、多くの社会人に出会い、様々な社風があることを知って欲しいと思っています。


シリーズ「知って得する就活法」その9〜落ちても大丈夫〜

2017-05-20 | 仕事

今回のテーマは「落ちても大丈夫」です。
はっきり言って、精神論です。

何だか不吉な言葉ですが、就活は選考に落ちてこそ得るものがある活動だからです。

そもそも、大部分の就活生が応募する全ての企業に受かることなどないと知っているはずなのに、なぜか落ちた事を恥やしくじりの様に捉える人が多い様です。
確かに、学内には毎年全てに受かる人が数人いますが、そういう人を見て悔やんでいるなら、なおさら要注意です。

落ちることも就活の醍醐味だと、私は思います。
たとえそれが第1志望であっても、この会社にはご縁がなかったと思えるくらいに、真剣に挑み悔いのない就活をして欲しいと願っています。
勿論、悔しさや情けなさを口にしたり、自分を責めることは山程あるでしょう。
しかし、そういう経験こそ、社会に出てから役に立ちます。

社会に出ると、鋼鉄の様な硬いメンタルを持つ人間は意外に役に立ちません。
一度ポキンと折れてしまうと、修復に時間もお金も人の手も掛かります。
それよりも、スポンジのようなメンタルを持つ人間の方がよっぽど強いと私は知っています。

水を吸い込む様に何事も吸収し、絞られたら水を出す様に、求めに応じて自身の能力を発揮し、時には食器の汚れを落とすが如く、人の愚痴も受け止め、人を輝かせるために自身を生かす。
さらには、大きな存在感はないものの、無ければ困まる。
そういう人間の方が世の中を強く楽しく渡って行けると私は思うのです。

スポンジの様にという例えがピンと来ないなら、柔軟で許容力のある人という感じです。
そういう人は、上手く行かない事を何度も何度も経験しながら、それでも前を向いて笑顔の絶えない人です。

だから、就活は落ちても大丈夫なんです。
それだけ許容力が付いたと思えばいいんです。

内定の数より、落ちた数の方が後で効いてくるんです。
その方が「分かってくれる先輩」になるんですよ。
恐れずに真剣に挑戦して下さい。


シリーズ「知って得する就活法」その8 〜焦りの罠に注意せよ〜

2017-05-20 | 仕事

 知って得する就活法、今回のテーマは「焦りの罠に注意せよ」です。
 なんだか物騒な話だとお思いでしょうが、新年度がスタートし、卒業年度の学生はいよいよ就活モードがマックスに達するこの時期にこそ、一番注意すべきなのが、焦りです。

 私たちは、何事も「素早くスマートに、問題なく事を運びたい」という願望を、無意識に持っています。
 ましてや、それが初めての経験で先が見えないという不安も重なると、より一層「早め早め」という気持ちになるのは想像し易いと思います。
 就活も同じで、スケジュール帳にビッシリ予定を入れ込む人が多いのも、そういう意識が働いていると私は思っています。
 確かに、計画的に効率よく事を運ぶ能力は大変重要なので、それを身に付けることが出来る就活という経験は、ある意味ではトレーニングの側面もあると言えます。
 しかし、行き過ぎると目的と手段が逆転することも知っておきましょう。

 私は、自分を活かせると思う仕事を手に入れる事が就活の「目的」で、その為に自己分析をしたり、添削を受けたり、多くの会社を訪問したり、面接の練習をしたりと、ありとあらゆる準備や下調べという「手段」を講じます。
 それが、気が付けば手段の方を優先していて、準備や下調べこそが就活の目的の様になってしまう人が大勢います。
 これこそ、「焦りの罠」です。
 一旦、焦りの罠に陥ってしまうと、本命企業のES提出期限が迫っているのに、第5希望の面接に行ったり、本命企業の面接の前日に、昨日見つけた企業の説明会の予定を入れてみたりと、本命にかける時間さえ削ってしまい、結局準備不足で不調に終わるというケースも少なくないのです。しかも困ったことに、そういう経験をしながらもしっかり内定を取る同級生がいるので、罠にはまっている事に余計に気付き難いことも事実です。

 私も、前職ではそういう学生に何人も遭遇しては、スケジュール帳の整理から一緒に考え直して本命への集中度を高める支援をして来ましたが、この焦りの罠は意外に抜け出せないので、既に予定でギッシリの人は要注意です。
 出来るだけ早く、大学の就職課やハローワークに行き、然るべき相談を受けて欲しいと思います。
 しかし、そういう窓口に行っても「もっと応募しなくちゃ駄目よ!」などと言う人にも要注意です。
 就活を、単に数の勝負などと考える人も多い様ですが、それでは有意義な就活にならないと私は思います。
 就活は、それぞれ自分に合ったやり方やペースがあります。それを理解し汲み取ってくれる相談者に出会うことも、有意義な就活の重要な要素なので、いろんな支援者に相談に行くのもお勧めです。
 焦りの罠にはまらず、周囲に振り回されず、自分の進むべき道をしっかり見出して欲しいと思います。