あなたから一番遠いブログ

自分が生きている世界に違和感を感じている。誰にも言えない本音を、世界の片隅になすりつけるように書きつけよう。

天皇の男女同権がそんなに恐いのか?

2025年02月01日 07時55分04秒 | ショートコメント

日本政府が国連女性差別撤廃委を任意拠出金の使途から除外 皇室典範の改正勧告への対抗措置
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b82ec4fea880045ad8632e3296ca239de12fe42

 正直おとなげない。
 そんなにこの勧告が恐いのか。

 まあ政治家は本当に恐いんだろうな。
 「コア」な支持層が。

→参照

なぜ「戦前原理主義者」は女性天皇を嫌うのか
https://era.change.jp/wp/?p=494


ツイッター(現X)決別宣言

2025年01月29日 23時56分25秒 | Weblog

 米国でトランプ大統領が再任した。
 その最大のブレーンであるイーロン・マスク氏は、米民主党からは影の大統領だと指摘されている。

 承知の通り、マスク氏は2022年にツイッターを買収して「X」に改名し、その後ツイッター(現X)は大きく変容した。米連邦議会乱入事件の首謀者とされたトランプ氏の永久凍結されていたアカウントを復活させたり、偽情報や人権侵害対策のための人員を削減したりした。
 そして今年(2025年)に入ってからは、政府効率化省のトップとして米国政府予算の大幅な削減を断行しようとしている。そこで削減されるものの中には人権に関わる重要な費目が含まれているようだ。
 報道では米国はすでに国際人道援助を停止し、紛争地域では即座に人命が失われる危機に直面しているという。
 米国内においても同じように各種プロジェクトへの資金拠出が停止されそうになったが、直前に裁判所が差し止めたとも伝えられている。その中には貧困層への支援や、多様性社会を拡大・維持させる機能と人員などが含まれていた可能性がある。

 翻って我が国では、1月27日に報告書素案が提示されたと言われる兵庫県・斎藤知事を調査する百条委員会で、メンバーを務めていた議員がネットリンチとも呼べるような激しい誹謗・中傷・脅迫を受け、議員辞職に追い込まれたばかりか、ついに自ら命を絶つという悲惨な状況が生まれた。
 他方、全国規模ではSNSを通じた詐欺や犯罪勧誘などの事案が憂慮される現状となっている。

 こうした状況下で、ネット情報のファクトチェックの強化は必須であるにも関わらず、マスク氏の現Xの運営方針は「対戦型SNS」という名目でいたずらに対立を煽り、一方で投稿の収益化を喧伝することよって、偽情報や憎悪情報を蔓延させている。

 ぼくは、マスク氏によるツイッター買収のころから、同氏の対応について疑問を感じ、以降、次第にツイッター(現X)の利用を控えるようになってきたが、今般のマスク氏のトランプ政権での重要ポストへの起用、およびその前後における同氏の言動について、さらに大きな憂慮を感じざるを得なくなった。
 ここに至って、もはや現Xを支持することは出来ず、イーロン・マスク氏の運営方針ならびに、彼の政治家としての言動に強い抗議を示すために、ツイッター(現X)の利用を明示的に停止することとした。

 現Xのアカウントは当面残しておくが、現Xの運営方針が変更されるなどの改善が見られない限り、今後も一切使用はしないので、ご理解いただきたい。
 ついては、今後の発信は当のサイトなどで行うつもりなので、気になる方はチェックしていただければ幸いです。

あなたから一番遠いブログ(当ブログ)
https://blog.goo.ne.jp/zetsubo

Another Option エッセイ・カテゴリー
https://era.change.jp/wp/?cat=4

 

 なお最後に、誤解の無いように付け加えるが、ぼくはマスク氏の言う検閲の排除と、表現の自由は、それ自体は絶対に守られるべきと考えている。その一点においてはマスク氏に賛同する。
 しかし、その前提として、発言、発信に対して発言者、発信者、拡散者が適切な責任を負うべきであり、プラットフォーム側は当然そのための仕組みを構築し運用しなくてはならないと考える。
 また、情報の受容者に「見ない権利」、「触れない権利」が確保されねばならず、これについてはネットにかかわらず、一般的にあらゆる情報や行為は、一定の条件によって「棲み分け」が行われることを原則とするべきだと思う。
 インターネット上のプラットフォームは、この原則を徹底する義務を負っている。
 こうした措置を講じた上でこそ、表現の絶対的自由が真の自由としてなり立つのだ。

 表現の自由を人民が自ら獲得し、それを絶対に手放さずにすむように、発信者、発言者、拡散者、プラットフォームは永遠に努力し続けねばならない。ゴールはない。常に自分と自分達、社会と常識を疑い、批判し合い、議論し、更新し、また疑うことの繰り返しでしか、これは実現しない。
 その前提にあるのは平等で、かつ妥協を恐れず一致点を探り続けるという民主主義思想の一般原則の遵守であり、その不断の強化であり、その普及とそれにともなう民度の錬成だろう。

 困難な道だが、それを進むしか道は無いと信じる。


Nさんへの手紙(12)~なぜハマスはイスラエルへの越境攻撃を強行したのか

2023年10月13日 10時16分30秒 | Weblog

Nさん

 なぜ今回ハマスが無謀で残虐な行為に出たのかという話ですね。

 2023年10月10に、パレスチナ・ガザ地区を実効支配するハマスは、突然イスラエルとの境界を越えて大規模な戦闘作戦を決行しました。作戦名は「アルアクサの洪水」と言うそうです。
 大量のミサイルをイスラエル領内に撃ち込むとともに、1000人以上の戦闘員がバイクやハングライダーで境界壁を越えて侵入し、老人、子どもを含む数百人の非戦闘員を殺害、100人以上の人質を拉致した模様です。
 これに対してイスラエルも反撃。ガザ地区へミサイル攻撃を続け、また電気、水、食料、燃料等のあらゆる物流を遮断して完全に孤立させています。イスラエルでは挙国一致の臨時内閣が組閣され、数日以内に地上軍をガザに突入させるだろうと言われています。
 すでに両勢力あわせて数千人の犠牲者が出る、大惨事となっています。

 Nさんには言うまでもありませんが、パレスチナ問題には二千年以上の長い歴史があり、第二次世界大戦末期からの現代史においても極めて複雑で悲劇的な歴史的経緯が積み上がっています。ここでそこから説明するのは無理ですが、いずれにせよ、今回の戦争は起こるべくして起こった戦争だと言うしかありません。

 ぼくが思うに今回の事態の直接的原因のひとつは、イスラエル国内政治の混乱でしょう。
 長年イスラエルの首相として実権を握ってきたネタニヤフにはもはやイスラエルを率いるだけの力はありません。国民から信頼されていません。そこで彼が取った戦術は超極右勢力と手を組むことでした。その結果イスラエル史上最も右翼的な内閣が誕生し、これによりパレスチナ人やガザ地区への締め付けや攻撃が激化、今年は何度も衝突が起きてきました。
 これに対して、ガザ地区の住民の中にも実効支配するハマスへの不満が溜まり、ハマス批判のデモも起きました。ハマスとしては何らかの対応を取らざるを得ない状況にありました。

 もちろん、今回の作戦は、数年の時間を掛けて綿密に準備された作戦でしょうし、その背後にはイランの革命防衛軍が存在していると思われます。
 その意味では、米トランプ政権が中東の政治的、軍事的バランスを壊してしまったという背景もあると思います。トランプはエルサレムをイスラエルの首都として認定し、イスラエルとUAE、バーレーン、モロッコ、スーダンとの国交正常化を仲介し、一方でイランとの核合意を破棄しました。
 この結果、イランやパレスチナは加速度的に追いつめられる事態となり、その後のバイデン政権も、こうした政策を取り消すどころかトランプの中東政策を引継ぎ、今やイスラエルとサウジアラビアの国交正常化も近いと言われるまでになってしまいました。
 つまりこれまで中東のイスラム諸国では、少なくともパレスチナ支持で一定の合意が形成されていたものが、ここに来てそれが壊れようとしているのです。
 ハマスはそこに大きな不安を抱き、もはや誰も自分を味方してくれないという絶望感に陥り、玉砕戦略に出てしまったのかもしれません。

 三つ目に言えることは、ロシアのウクライナ侵攻の影響です。
 世界の目はウクライナに集中し、その他の紛争地、侵略行為に対する関心が薄れてしまいました。ミャンマーや香港で闘っている人々にとって、それは打撃であり、パレスチナ人、ハマスにとっても同様であったろうと思います。
 そして米国や西側諸国はロシアの暴虐については非難し、こぞってウクライナへ大きな支援をしているのに、パレスチナ問題では、全く逆に侵略者であるイスラエルを支援し、被害者であるパレスチナ側をテロリストとして非難、否定しているという矛盾、ダブルスタンダードがはっきりしました。
 こうした中で、パレスチナ、ハマスはもはや自力で戦い、血路を開く以外の方向性を失ってしまったのです。

 ぼくは今回のハマスの非道な行為を支持するつもりはありません。
 しかし、それと同時にこの悲劇の責任はハマスだけにあるのではなく、パレスチナを侵略し今なお追いつめ続けるイスラエルや、そのイスラエルを全面的に支援する米国をはじめとした西側の諸大国、パレスチナ問題を利用したり逆に目をつぶったりしているイランやサウジアラビアをはじめとした中東の諸大国、さらには国連安保理事会常任理事国としてあるまじき侵略戦争を起こして世界情勢を不安定化させたロシア、それを実質的に支えている中国など、世界中の国々の政府と政治家の責任であると考えます。

 大国の身勝手な論理、自己中心的、自己保身的なあり方こそが、この事態を生んだのだと言うべきです。
 ぼくには何の力もありませんが、それを糾弾し続けます。
 もう力ある者の横暴はたくさんです。

 


ガーシー議員とNHK党への疑問

2023年02月25日 11時24分18秒 | Weblog

 ガーシーという国会議員がいるそうだ。
 「そうだ」と言うのは、ぼくは彼のことを断片的にしか知らないからだ。知っている人は良く知っているのだろうが。
 国外にいるため議員に当選してから一度も国会に登院せず、本会議での陳謝をするようにという処分が下った。まあ軽い処分だが、もし陳謝しなければ次は除名という話もある。ぼくにはそれが適切なのかどうかわからない。どういう政治家なのか知らないのだから。

 ただ彼は名誉毀損で刑事告訴されているという。日本に帰ってくると逮捕される恐れがあるから帰れないという。ただし国会議員には不逮捕特権がある。今は国会開会中だから帰ってきてもすぐに逮捕されるわけでは無い。

 彼の態度や処分を巡っていろいろな意見が飛び交っている。多くはガーシー議員に否定的だ。
 それでも一部に彼を擁護したり、処分に疑問を呈したりしている人もいる。それは健全なことだと思う。しかしそうした意見の中にはどうもしっくりこない、違和感を感じるものもある。

 まず、国会に登院しない議員は他にもいる、もしくは出る可能性があるという議論だ。確かにしばしば病気を理由に欠席する議員はいる。また身体障がい者も登院が難しいというケースもあり得るだろう。
 だがガーシー議員の国会欠席は病人や障がい者と同じなのだろうか。病気や障がいは不可抗力だ。物理的な問題なのだ。一方でガーシー議員は自分の意志で帰国せず登院もしない。ガーシー議員の不登院に正当性があるとしても、これは別のカテゴリーの問題で同列には語れないと思う。
 もちろん現実には「仮病」で雲隠れする議員も多い。これは許されることでは無い。これもまた別の問題として何らかの対応が必要だとは思うが。
 国会に出てきても居眠りしている議員がいるとガーシー議員は言うが、出て来ないより出てきて醜態をさらす議員の方がずっとマシだ。少なくとも国民はそれをその議員の政治姿勢を評価する判断材料にすることが出来る。

 不逮捕特権への考え方にも大きなズレがある。
 国会議員の不逮捕特権は政治弾圧に対する保護措置として存在する。時の権力を批判する議員を口封じのために行政府が逮捕したりできないように、この権利がある。
 ガーシー議員は立候補の理由として、この不逮捕特権を得ることが目的であるかのように言っている。つまり彼の主張は自分が政治弾圧されているということになる。
 果たしてYouTuberとしてのガーシー氏の「暴露」は政治活動であるのか。政治活動であるなら、それはどのような政治的利益を国民に与えてくれているのか。それを彼はちゃんと説明できるのか。
 不逮捕特権は政治弾圧に対抗するものであるから、当然一般刑事事件には適用されないと考えるのが妥当であり、過去にも国会が議員の逮捕を許諾した例はある。
 一部に、どうしてもガーシー議員を登院させたいのなら国会が逮捕許諾しないと確約すれば良いという意見もあるが、これは転倒した議論だ。国会は別にガーシー議員に登院して欲しいとお願いしているのではない、登院するのが義務だと迫っているのだ。国会がガーシー議員に頭を下げる筋合いは全く無い。

 少数派の国会議員を排除するなという意見もある。
 それは確かにそのとおりだが、ガーシー議員は少数派なのだろうか、というより、そもそもどういう政治活動を行っているのだろうか。
 少数派が国会議員になる意味は、議員活動を通じて少数意見を述べ、論戦し、多数派意見に抗していくことにある。初めから議会に参加しないと表明している議員とは一体何なのだろうか。彼が議員になる理由はどこにあるのだろうか。議会に行かないなら、今わざわざ議員になる必要は無いのではないか。
 議員にならない政治活動家は山ほどいる。本当に必要な政治行動が議員活動であるとは限らない。デモや集会、署名活動、言論活動など、やるべきこと、やれることはたくさんある。
 ガーシー議員はすでにYouTuberとして有名であり、自由に意見を述べ、論戦し、多くの人に広く伝えることが出来ているのだから、国会議員にならなければ自分の意見が世の中に届かないという立場では無い。
 国会に出られないのなら、なぜ国会議員であろうとするのか、明確な説明をする必要がある。

 少なくとも、信念を持って政治活動をやっていると言うのなら、法律的な壁はあるかもしれないが国会議員としての歳費は返上するくらいのことは言うべきだろう。
 また彼を比例区の候補として擁立したNHK党の立花党首も、初めから彼に登院しなくて良いと言っていたそうだから、ガーシー議員の分の政党交付金は受け取らないと言うべきだ。
 そうでなければ、ただカネが欲しいから選挙をやっていると思われても仕方ない。それは民主主義政治の否定であり、有権者を冒涜した許されざる行為である。


(ちなみに、NHK党が地方議会に多くの候補を擁立するのは政党交付金を得るためだという告発もある。)
”「立花党首から言われたことに開いた口が塞がらなくなった」NHK党のアイドル議員が離党した理由 ”
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b049a4c6b44f90b27325de7722cb6c875c2e693?page=2


 立花党首はガーシー議員が除名されたら、繰り上げで別の幹部を議員にするのだそうだが、その議員もまた登院させないと言っている。まったく理解に苦しむ。ガーシー議員には、それが正当かどうかはともかく、逮捕される可能性があるという理由があるから不登院は分からないでもないが、何でもない議員を登院させないとはどういうことか。
 国民は理由無く働かない国会議員に歳費を払わなくてはならないのか。ふざけた話だと思う。

 なんであれ、ガーシー議員とNHK党は、こうした疑問に対し明確な説明するべきで、それが国会議員、国政政党の責務だと思う。


「外国人が無人島を買う」問題の本当の問題とは

2023年02月17日 11時15分32秒 | Weblog

 今、中国の実業家らしき女性が沖縄の無人島を買ったというSNS投稿を巡って、マスコミ報道が過熱している。
 問題となっているのは沖縄の米軍基地から数十キロメートルのところにある無人島で、安全保障上問題があるのではないかと言われている。政府は昨年、一部から疑問が呈される中で重要土地等調査規制法を施行したが、その制度では規制外なのだという。

 ただ、細かく報道を見ていると、どうもその島は「いわくつき」の島だそうで、かつてから土地が細かく分割されて900以上の地権者がおり、しかもその所有者は数年毎に入れ替わるという、かなり複雑な状況にあるのだそうだ。
 どうやらかつての原野商法的な売られ方をしたようで、土地を買った人達の多くが現地を見ておらず、図面上で整然と区分けされた土地が、あたかも整地された区分のように思える錯覚を利用して売りさばかれたのではないかという。
 実際に中国女性が購入したのは島の土地の半分くらいの面積なのだが、その中には他の地権者の小さな土地が無数に点在している。実際に何か開発などをするとなれば、この他の人の土地を買っていく必要が出てくる。
 女性によればリゾート開発をするとか、自分が住むとかいう話らしいが、水道などのインフラも通っていないようで、SNSで高い価値のある投資だと語っているが、事実はむしろ騙されて使いようのない土地を買わされたという方が正しいような気がする。
 なお、船を着けられるたぶん唯一の埠頭(?)を含む島の海に面するかなりの部分は村有地となっている。

 そういう意味では、今回の問題は別段軍事的脅威などは無さそうに見えるが、ただ一般論として、同じようなケースが安全保障上の問題になるかどうかは今後も議論が続くだろう。

 この議論には三つの観点が必要だと思う。
 一つ目は、政府や自民党、右派の言うような日米安保や外国からの侵略の脅威などという問題意識は、問題を矮小化させるだけだと言うことだ。
 思い出して欲しい。過去に広大な土地を購入し、軍事拠点として整備し、日本中を震撼させたのは誰だったか? 中国スパイではない。日本のオウム真理教だ。
 我々生活者にとっての安全保障とは、米国のためのものでも、政治家の集票のためのアジテーションでもなく、現実に日々生活している人々にとっての生活の安全のことである。もちろん防衛問題を排除するつもりはないが、我々が直接さらされてきた脅威とは、そうした大上段から振りかぶった外国軍による侵略脅威論の中にではなく、むしろ人権、人命を軽視するオウムや統一教会などのカルト、原発事故を起こすような企業や経済構造、長期保守政権の中にこそあったというのが現実であり、歴史的事実である。

 二つ目は、今回の件も含めて、外国人による土地購入だけが突出して軍事的脅威になるわけではないという点だ。
 実は今回の件でむしろ気になるのは、件の中国人女性が個人として直接島を買ったのではなく、中国系とも言われる東京の企業名義での購入だったことだ。というのは、この企業、登記先に実態が無い。実際にそこにあるのは郵便物等の転送会社らしい。
 これは外国企業のみの問題では無いが、こうした実態不明の企業が普通に経済活動をすることが出来てしまうことも大きな脅威である。
 そしてそれは土地購入に限らない。一昨年騒がれたDappi問題を思い返そう。どこからともわからない(というか事実としては自民党のようだが)多額の資金を使って、ネット上で野党を排撃する世論工作が行われた。情報社会において、情報工作は直接的軍事以上の脅威にもなり得る。
 言っておくが、もちろんこうしたことは逆に特定の目的を持った外国勢力によって行われないとも限らない。現に統一教会は正体を隠して盛んにやっている。
 現実には裏貿易やスパイ活動なども企業、個人に関わらず行われているのであって、むしろ公然と日本の法律に従って土地を購入することは、軍事的脅威としてはあまり大きな問題では無いとも言えるではないだろうか。

 三つ目に、上記の二点とも関連することだが、我々の日常生活において最も脅威なのは、軍事面より環境面ではないかということだ。
 外国人が水源地を購入しているということが、安全保障上の問題として指摘されているが、それは当然国内企業であっても同じ事が言える。
 外国人は何をするか分からないが、日本人なら大丈夫だろうなどと考えるのは全くナンセンスだ。日本人が日本国内で利権目当てにどれほどの環境破壊を行い、人々の命や健康や生活に被害を与えてきただろうか。しかも知らずにやっているのではなく、分かった上で不法投棄や違法埋め立て、森林伐採などの環境破壊・汚染を行い、水俣病のように因果関係を知りながらそれを隠蔽するなどという事例が、それこそ山のようにある。
 しかも、そうした問題のほとんどは、原状回復などの責任を取らず、ひどい場合には裁判にもかけられずに済まされているのだ。
 無人島を買った中国人はまだ何をやったわけでもない。だが、実際に開発に着手して、それが頓挫し、自然を破壊したまま逃げ出すなどというケースは、別に外国人で無くても過去にたくさんある。
 そんなことが起きれば、本当に取り返しがつかなくなる。

 繰り返すが、今回の無人島購入問題は、確かに多くの問題を示している。しかし、それをマスコミや右派が主張するような問題に単純化したら、それはもっと大きな問題なのではないだろうか。
 本当は何を見るべきか、何をどう判断すべきか、それを過去の歴史と現代の見識をもって考えることが、我々にとってのリアルな安全保障の第一歩であると思う。