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日本人

2005-11-07 14:22:59 | essay
日本人は日本人論が好きだという話をよく聞くが、自意識が強いかというとそうでもないと思う。民族や国民としての自意識は、どこでも結構似たようなものだと思う。単に自信の無さがメンタリティと相性が良いので話題になりやすかったりベストセラーになったりするんじゃないかと。そういったことを論ずるのが好きな訳ではないと思う。
それはともかく、高橋源一郎が大江健三郎について書いた短文を読んで思った。ああ、日本人の特性は「ナイーヴ」なんだと。
女子高生を金で買うオヤジも、高名な学者も、大酒呑みの塗装工も、セコセコしたデイトレーダも、正直俺には理解出来ないセックスボランティアも、まぁまぁ真面目な警察官も、変態ビデオに出演して直腸を破裂させられる女も、素朴な若者も、頑固で道徳を重んじる老人も、みんな総じて「ナイーヴ」なんだ。
その精神性は、高橋の言う「戦後民主主義へのナイーヴな信頼」や根拠無き絶妙のバランス感覚として表れるのだ。
で、これは良いとも悪いとも言えない、それこそ特性なのだが、ナイーヴというのはやはり幼児性、幼稚さと繋がる部分も大きい。
幼稚な判断で失敗したと思ったら、途端に冷徹になったり、厭世主義を気取ってみたりと忙しい。
こう考えてみると、日本人というのはやはり貴重な存在だ。