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国民の狂気

2008-04-08 18:27:00 | essay
ビキニ環礁で今も眠る戦艦長門の水中写真。涙が出てくる。

HIJMS Nagato - Bikini Atoll 2005 - a photoset on Flickr
http://www.flickr.com/photos/rjdiver/sets/72057594051154899/

長門(Nagato)は竣工当時世界最大の41cm主砲と高速な機動力を持つ戦艦であり、連合艦隊旗艦として山本五十六大将(当時)が座乗していた。
今でこそ戦艦といえば大和が有名だが、戦中は大和は存在自体が極秘であり、帝国海軍の象徴的存在は長門であった。
因みに現在の海上自衛隊には戦艦のように巨大な戦闘艦は存在しない。いずれも駆逐艦か軽巡洋艦クラスの船体である。

長門はクロスロード作戦(Operation Crossroads)で沈没した。と、言っても戦闘で撃沈された訳ではなく、この作戦はアメリカの核実験。作戦第2段階のBAKERにおいて、破壊力や放射能の影響を調査するために周辺海域に老朽艦やドイツや日本から接収された艦を浮かべて、水深27メートルで核爆弾を爆発させた。

この核実験の様子がGoogle Videoなどにある。

Underwater Nuke
http://video.google.com/videoplay?docid=3514062689590885805

特集:核兵器の脅威 2005年8月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/feature/0508/f_5_zoom5.shtml


作戦に参加した将兵や周辺住民は大きな危険に晒された。

寒い。

まさに狂気の沙汰であるが、これらの核実験は膨大な予算と時間と人材をつぎ込んだ超巨大プロジェクトなのだ。
つまり国民の代表者たる議員で構成された議会が承認し、国民に選ばれた大統領が堂々と実行した作戦なのだ。

敗戦後の日本では、何かというと政治家や官僚の責任ばかり追及するが、国民の自覚が最も大切であり、最も欠如している部分なのだと思う。

元ネタ
「クロスロード作戦」の水中での核爆発実験ムービー - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080408_operation_crossroads/