特定非営利活動法人 被災者応援 愛知ボランティアセンター 公式ブログ

2011年3月17日設立。孤児遺児応援活動、被災地ボランティア活動等、現在進行形で被災者応援活動を行っています。

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被災者の方からのお手紙

2012年10月20日 00時33分12秒 | スタッフのつぶやき

こんばんは。
事務局次長の宮垣です。
今日は少しだけ昔話を、お届けさせて下さい。

今から約一年前、ある被災者の方からご連絡を頂きました。
その方とは、ボラセンが昨年の6月~10月頃まで行っていた、ピンポイント応援物資プロジェクトを通して知り合いました。
このプロジェクトは、被災者の方から直接ボラセンにご連絡を頂き、ボラセンが集めた応援物資の中からご希望の物資をピンポイントでお贈りするという活動で、自分たちで被災地に物資を運び、新品を、直接お渡しすることで信頼関係を築いていく中で生まれた活動でした。
その方からのご依頼は、以下のようなものでした。

「自分たちはママさんバレーをやっていたのだが、震災で何もかも流されてしまった。
チームメイトも、津波で数名亡くなった。
震災直後は何もできなかったが、少しずつでもできることをと、ママさんバレーを再開したいと思った。
しかし、道具も何もかも失ってしまった。
ユニフォームやシューズ、ボールなどが、もしあれば頂きたい。」

しかし、応援物資は9月頃にはほとんどお贈りしてしまっていましたし、バレーの道具等は集めていませんでした。
ですから、この方のご希望にはほとんどお応えすることができないかと思われました。

しかし、それではあまりにも寂しい。
なんとかボラセンらしく、復興への第一歩を踏み出そうとしている被災者の方を応援したい。
そこでボラセンスタッフの一人から、以下のような提案がありました。

「ブラザー工業のミシン部門の知り合いが、自分たちの持っている技術で被災者の方々を応援したいと言っているので、彼らにユニフォームにチーム名を刺繍してもらうというのはどうか。」

そこからユニフォームの製作が始まりました。
黒の無地のTシャツに、ママさんバレーのチーム名とボラセンのロゴを、刺繍で入れるというデザインはきまったのですが、作業を進めていくとこれが予想以上に難しいことがわかりました。
そもそも忙しい日々の業務の後のわずかな時間しか作業時間がなかった上、予算の関係上用意したTシャツの強度が弱かったため、刺繍を入れることが想定よりもずっと困難になってしまったのです。
それでも、ブラザー工業の有志のボランティアの方々は、忙しい中一生懸命作って下さいました。
そして約半年の製作期間を経て、被災者の方にTシャツをお送りする運びとなりました。
完成したTシャツがこちらです。



心の込もった、まさに愛情満点のTシャツができあがりました。
しかし想定よりずっと時間がかかってしまったため、被災者の方にはご迷惑をおかけしてしまったと、内心申し訳ない気持ちもありました。

そんなモヤモヤした気持ちでいたところ、被災者の方からお礼のお手紙を頂くことができました。
この方からブログへの掲載許可を頂きましたので、ここにご紹介させて頂きます。

『愛知ボランティアセンターの皆様、お元気ですか?
その節は本当に心のこもったユニフォームを作って頂き、ありがとうございました。
サルビア全員感謝しております。
おかげ様で震災以来初めての試合に出場することが出来ました。(6/24)
以前は70チームも登録していた石巻市家庭バレーボール協会でしたが、37チームの参加と少なくはなりましたが、久々に会うチームといい汗を流すことができました。
「自分達が出来ることをやる」が、復興への第一歩だと信じて、25年間続けてきたサルビアを亡くなった3人の分も守り続けていこうと思っています。
今回頂いたユニフォームで勢揃いしました。
残念ながら試合中は写真を撮ることはできませんでしたが、背中のししゅうがかわいいと、他のチームの人達にほめられたバックもパチリ!
ちなみに私は⑦番をつけています。
このゼッケンも手作りで用意しました。
私達はほとんどのメンバーが借り上げアパートにいます。
仮設には物資が届いていますが、アパートの人達は、ほとんど物資が届きませんでした。
私が愛知ボランティアセンターのことを知り、何度か物資を頂き、甘えついで、と言いましょうか、Tシャツをお願いしたつもりが、りっぱなユニフォームになって…、本当に感激しました。
何のお礼もできませんが、元気にバレーを続けていくのが恩返しだと思って、メンバー全員、ケガをしないように週2回練習に励みます。
私たちの地区はまだガレキが残っていますが、集団移転できる日を待ちながら、バラバラにはなっていますが心までは離れないように、助け合いながら…がんばっていきます。
そして地場産品だった大曲浜の皇室献上海苔が出来たら、ぜひ味見して下さい、送ります…。

ありがとうございました。

バレーボール愛好会 サルビア』

確かに時間はかかりました。
しかしそれは、決してサボっていたわけではありません。
震災から1年7ヶ月が過ぎ、多くの方は震災直後のようにトップギアでボランティア活動に力を入れ続けることは体力的にも精神的にも難しく、がんばって活動して来ている人の中にも、確実に疲労は蓄積されている現実があります。
緩やかに日常に戻りつつ、それでも応援の想いを途切れさせない。
そのバランスを取ることは、言葉にするよりずっと繊細な行為なのではないかと思うのです。
継続的な応援の必要性、このこと自体を疑う人はいないと思います。
その実現のためには、ギアを一段落として、自分たちの出来る範囲でゆっくりでも、しかし確実に想いを形にしていくことが大事なのではないかと思います。
そして丁寧に形にされた想いは、じんわりと被災者の方々の心を暖かくするお手伝いが、多少なりともできるのではないかと思うのです。
この方からのお手紙は、多くは語らず、でも必ずしも思い通りにはいかなかった今回のユニフォーム製作の活動を、優しく包み込んで肯定して下さったように思います。

大切な友人には、お誕生日、クリスマス、結婚式など、折に触れていろいろサプライズなどで喜ばしてあげたくなる気持ち、どんな方にも大なり小なりあるのではないかと思います。
もちろんこちらの勝手な思い込みではいけませんが、しっかりお話を聞いた上で必要なものをお贈りしようと思うとき、被災者の方々がお困りだから急がなきゃも大切ですが、それ以上に大切な友人を心から喜ばせたい、という気持ちを大事にしなければいけないと思います。
そのためにも、積み上げて来た信頼関係が「被災者と応援者」という関係を「名古屋と東北の大切な友人」という関係に変える、そこを活動の一つの目標地点としなければいけないと思うのです。

ボラセンがこれまで関わってきた方々、今現在も進行形で伺っている十八成浜の方々と、末永い友人関係がこれからも築いていけるように、気持ち新たに活動を継続していきたいと思いました。

今回お手紙を頂き、私自身とても励まされました。
いろいろ苦労があっても、こうやって優しく言葉をかけて頂けると、やっぱりやってよかった、嬉しいと素直に思えます。
どちらが応援しているのか、されているのかわかりませんね。
しかし、こういう小さな喜びの蓄積が、活動のモチベーションを支えてくれるのは、間違いありません。

相澤様
この度は心の込もった暖かいお手紙、本当にありがとうございました。
この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。
私たちはこれからも、私たちにできる限りの応援を、誠意を持って、精一杯やらせて頂きたいと思います。

愛知ボランティアセンター
事務局次長 宮垣雄樹

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