THE SKI

SKIモーグルが好きです。夏のWJと冬は若杉高原おおやスキー場で滑ります。スキーは休業中です。NFL、競馬、読書、菜園。

ホテルローヤル  桜木紫乃 著

2016年07月28日 | 読書
ホテルローヤル  桜木紫乃 著


これは面白かった。直木賞受賞作

実は桜木紫乃 氏という作家の作品を私はあまり知らない。

でも面白かった。

短編です。

「シャッターチャンス」「本日開店」「えっち屋」「バブルバス」

「せんせぇ」「星を見ていた」「ギフト」

いずれも中年、老年が主人公で、昔輝かしいホテルだった ホテルローヤル

そこでのどこか悲哀の漂う話。

7作品、まあ連動した内容ではあるのだが

「シャッターチャンス」廃墟となったホテルローヤルに忍び込んでヌード写真を

撮ろうという話。セックスをすることに行き詰まりを感じている恋人どうし、

投稿写真で夢見ようとする男、ラストは家族へのあいさつ結婚への道が見えますが

どこかこの投稿写真が影をなげかけます。

「本日開店」これは檀家さんに奉仕する。お坊さんの妻。

お布施の代わりに女性としての奉仕を言われる。奥さん。

なんか現実的にありそうな話で、悲哀が漂います。

「えっち屋」ホテルを引き払うオーナー(女性)とえっちグッズを売り歩く

まじめな営業マンの話。最後、女性が営業マンを誘うが、営業マンは・・・

「バブルバス」中年の夫婦のひとときのホテルの休憩。日常とホテルの

非日常がホテルのお風呂の泡で象徴しています。

「せんせえ」家族崩壊と家出少女、と先生の逃避行

「星を見ていた」これはちょっと異色。働く老婦人にやくざな息子

で逮捕されるラスト。なんか悲しい話です。

「ギフト」最後ホテルの元々のオーナーの話。家族と離婚して恋人と

ホテルをオープンさせる。多額の借金までして、賭けに出る。そして

家族は離婚。恋人とのこれからも不安だらけで終わります。

どの話も日常のありきたりな場面と、夢見るホテルという場所で

人の幻想を描かせる。しかしどこか悲哀な話となる。

最初が廃墟、そしてラストがオープンの起業の話。

ただどの話も、自然的な描写が素晴らしい。いい本でした。


夏の庭 湯本香樹実 著

2016年07月24日 | 読書
「夏の庭」 湯本香樹実 著

 夏に読むにはちょうどいい本です。

木山、山下、河辺の小学六年生のひと夏の話です。

老人一人と、この3人とのひと夏の思い出といいましょうか?

老人がいろいろなことを3人へ教えていきます。戦争のこと

庭そうじ、すいか・・・夏の思い出とともに老人は死んでしまいます。

子供たちに初めて人とは、死とは・・・つきつけていきます。

人の死とは・・・クライマックス以外はロバートBパーカーの「初秋」を

思い出します。それぞれの家族、父がいない河辺、山下は魚屋。

木山は忙しい父であまり父と会話がない。

その代わりを一時老人が変わっているって感じ。

父の教え・・・「初秋」を思い出させますね。まああそこまで自立って

ことをメインにやっていませんが。最終的にばらばらになっていく

3人。ひと夏の庭での思い出でしょうか。映画にもなったらしいですね。この小説

もろもろ読んでいます

2016年07月24日 | 読書
もろもろ読んでいるので、一応感想を少し・・・

「ツ、イ、ラ、ク」姫野カオルコ 著

 ころれは次の「ナラタージュ」島本理生 著とかぶります。

どちらも教師と生徒の恋?

どうも私はこの手の話が苦手なのですが、なぜ読んだか・・・リボンの記述に騙された

というのが結果です。若き日の絶唱とも言える、恋愛文学。これに騙された。?

ツイラクは恋とは「墜ちるもの」ってところに騙された。

うーんどちらも全く私とは関係ない話のようなので、共感は全く得られませんでしたが

ただ、姫野さんはこの後の「喪失記」も読んだのですが、性描写が女性の性、

関西弁でいう「えぐい」描き方です。

女性の性描写を描かせたら、男性より女性のほうが、えぐいのかなって感じます。

女性の奥底に潜む性欲を描きますね。

ということで「喪失期」姫野カオルコ 著

ちょっと時代が古いのかな?理津子は処女です。33歳。その過去と現在の気持ちを

回想録と現実とをさまよいながら描いています。これもリボンがあったら書かれて

いるのでしょうが「私は男に飢えている」って独白があります。

これはもしリボンに書かれていたら、思わずスケベな私は手に取ってしまう本ですね。

ただ内容はそこまで男に飢えている主人公は最後に少し出てくるだけです。

大西と理津子は最後体を重ねるのかとおもいきや。そうならず

終わります。ラストのシーンを読んでいると。ほれ恋だの、愛だのは・・・複雑で

難しいのだと思いますが、性欲というものはそんなに難しいものではなく

単純なのだと思いました。その恋だの、愛だのに理津子は迷いを生じるのでしょう。

ナラタージュは少し恋愛小説ぽかったのですが、「喪失期」「ツ、イ、ラ、ク」は

女性というものを濃く描いていました。

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