すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【プレミアリーグ 19/20 第2節】早くも開幕のヤマ場がきた ~マンチェスターC 2-2 トッテナム

2019-08-19 07:52:56 | イングランド・プレミアリーグ
両者一歩も譲らず

 第2節にして早くも優勝決定戦のような切迫した展開になった。マンチェスター・シティは1試合を通じてハイプレスをかけ続け、トッテナム・ホットスパーのビルドアップを制限する策に出た。

 シティの5レーン戦術と、ライン間でボールを受ける動きにトッテナムが幻惑されやや後手を引いたが、どちらが勝ってもおかしくない引き締まったいい試合だった。

 シティのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンはGKがエデルソン。最終ラインは右からカイル・ウォーカー、オタメンディ、ラポルト、ジンチェンコ。アンカーにはロドリ。インサイドMFは右がデ・ブライネ、左がギュンドアン。3トップは右からベルナルド・シウバ、アグエロ、スターリングだ。

 一方、トッテナムのフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKがロリス。ディフェンスラインは右からカイル・ウォーカー・ピータース、 アルデルヴァイレルト、ダヴィンソン・サンチェス、ローズ。セントラルMFはウィンクスとエンドンベレ。2列目が右からシソコ、ラメラ、エリクセン。ワントップはハリー・ケインだ。

敵のウラをかく巧妙なフィニッシュ

 試合の立ち上がりから、シティが激しくハイプレスをかけてトッテナムのビルドアップを壊そうとする。

 逆にシティのビルドアップに対しては、トッテナムは守備時に4-4-1-1へ変化しミドルプレスでパスコースを制限する対応をする。トップ下のラメラが、シティのアンカーのロドリを見ている。

 シティの1点目は前半20分だった。シティは左サイドから最終ラインに落ちてきたボールを今度は右サイドに展開した。まずCBオタメンディが右WGのベルナルド・シウバにパス。シウバは寄せてきたデ・ブライネにボールを落とし、デ・ブライネがダイレクトでアーリークロスを入れる。

 これに対し逆サイドに走り込んだスターリングが、どフリーのヘッドでファーサイドに叩き込んだ。スターリングは前節のハットトリックに続き早くも4ゴール目だ。彼はボールのある(シティの)右サイドを見ている敵DFの背後から、死角を突いてうまくライン裏に走り込む動きをした。好調だ。

 一方、トッテナムも負けじとその3分後に追いつく。セントラルMFのエンドンベレがトップ下のラメラに縦パスを入れ、ラメラは軽く運ぶドリブルをしてからゴール中央、ボックスのすぐ外から左スミにきれいなシュートを決めた。

 このときは前にいたエリクセンが、マーカーを引っ張ってラメラのためのスペースを作った。このエリクセンの動きが、ラメラにフリーでシュートを打たせる事前の仕込みになった。

 両チームのこれら1点目を見ると「シュートってこんな簡単に入るのか?」と感じさせるが……それだけ完全に敵のウラをかいた巧妙なフィニッシュだったということだ。

シティの5レーン戦術が威力を発揮する

 この後も両チームは点を取り合う。まずシティだ。前半35分。右サイドでベルナルド・シウバからパスを受けて裏抜けしたデ・ブライネが、敵GKと最終ラインの間を狙って絵に描いたような強くて速いグラウンダーのクロスを入れる。アグエロはダイレクトでただゴールに流し込むだけだった。2-1だ。

 シティは大外から右SBのカイル・ウォーカーが、その内側のハーフスペースからはデ・ブライネが圧をかける。(トッテナムから見て)これら左サイドを突くダブルの動きに、トッテナムは左SBのローズとCBサンチェスのコンビネーションに迷いがあり、しきりにデ・ブライネにニアゾーンを狙われる。シティの5レーン戦術が奏功していた。

 これに対しトッテナムは後半11分、左コーナーキックから途中出場したばかりのルーカス・モウラがヘッドで押し込んで2-2とする。

 その後、途中出場したジェズスのゴールが、今シーズンからプレミアリーグに導入されたVAR判定でハンドを取られ取り消される一幕も。結果、シティは決勝ゴールを召し上げられた。これにて2-2の引き分け、痛み分けだ。

 とはいえジェズスは前節もVARでゴールを取り消されており(このときはオフサイド)、きわどいところを狙うシティにVARの導入は凶と出ているかも? もっとも圧倒的な王者シティには、それくらいのハンデがあったほうがリーグがおもしろくなるかもしれないが。

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