すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【J1 第8節】名古屋の鮮やかなカウンターが川崎を切り裂く 〜川崎 1-2 名古屋

2023-04-19 07:19:25 | Jリーグ
縦に速い名古屋の攻め

 J1第8節で、川崎フロンターレ対名古屋グランパスのゲームが等々力陸上競技場で行われた。試合は名古屋が鋭いカウンターで2点を先行する展開。川崎もボールをよく動かして1点返したが、反撃もそこまでだった。これで名古屋は勝ち点17とし、勝ち点2差で首位ヴィッセル神戸を追う2位となった。

 名古屋の十八番は、縦に速い攻めだ。キックオフから縦へ、縦へ、とボールを差し込んでいく。ロングボールが主役の攻撃だ。そこにグラウンダーのパスも織り混ぜて行く。

 一方、川崎は対照的に、グラウンダーのショートパスを繋いで行く。典型的なポゼッションサッカーだ。

 すると前半9分。名古屋はロープレスからCMFの米本拓司がパスカットし、前縦にいたシャドーの永井謙佑の目前のスペースへ速いスルーパスを入れる。

 永井は並走していたFWキャスパー・ユンカーにワンタッチではたき、ユンカーはワントラップしてから左足でゴール左へ流し込んだ。川崎の守備者4人は完全に振り切られていた。文字通り、縦に速いカウンターだった。

 川崎は密集地帯で盛んにゆったりショートパスを繋ぐが、ボールを引っかけられて奪われる。もっと速いボールスピードが必要ではないか? 川崎はショートパスを繋ぐ際にボールが止まりそうな緩いパスを入れている。もっと機敏なボールスピードが欲しい。

 続く前半16分には、川崎のファウルからの速いリスタートのボールが中央の永井に渡る。

 右サイドのスペースを縦に爆走したMF森下龍矢がその永井からボールを受け、カットインして右足を振り抜くが、ボールはゴールの枠の上を超えてしまう。素早いポジティブ・トランジションからの速いカウンターだった。

 やはり名古屋は縦に速いカウンターが持ち味だ。その意味では川崎は、ネガティブ・トランジションに気をつける必要がある。

 そして名古屋は前半47分にも、マテウスがFKからゴールを決めて2点リードする。

 名古屋のフォーメーションは3-4-2-1だ。スタメンはGKがランゲラック。3バックは右から野上結貴、中谷進之介、藤井陽也。中盤は右から内田宅哉、稲垣祥、米本拓司、森下龍矢。2シャドーはマテウス・カストロと永井謙佑。ワントップはキャスパー・ユンカーだ。

川崎はゆったりポゼッションするが……

 川崎はゆったりしたポゼッションが特徴だが、緩急も必要だ。速いカウンターが有効な局面では、切り替えを早くして俊敏に攻めたい。その意味では対照的な名古屋の攻めが鋭く感じる。

 川崎の左SB山根視来は1列上がり中に絞って偽SB化し、ハーフスペースを上下動している。インナーラップが得意な選手だが、その意味では自分の武器を生かしている。守備時でも、かなり高いゾーンまでカバーする。

 川崎はニアゾーンを活用した攻めなど工夫しているが、なかなか結実しない。

 そんな後半11分だった。センターレーンで川崎のFW家長昭博が縦パスを入れると、受けたMF橘田健人がフリック。ボールはMF脇坂泰斗からFW宮代大聖へと渡り、宮代がゴール左に流し込んだ。1-2だ。

 このあと川崎はボールをよく動かして攻めるが、ボールを受け渡してプレイしているゾーンがいかにも狭い。もっと大きな展開も絡めて攻めればどうなのだろう?

 そしてタイムアップ。試合は名古屋の勝利に終わった。

 この日の川崎のポゼッション率は67%と名古屋を大きく上回ったが、「いかに有効なボールの動かし方をしているか?」という意味では効率的だった名古屋に軍配が上がった。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする