CTBT という世界的な監視網をご存じでしょうか。
包括的核実験禁止条約(Comprehensive Nuclear Test-Ban-Treaty;CTBT)とは、宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間における核兵器の実験的爆発及び他の核爆発を禁止し、かつ条約の遵守を検証するために国際機関(CTBT機関)を設置し、核実験を探知・検証するために必要な検証手段(国際監視制度(International Monitoring System; IMS)、現地査察(On-Site Inspection;OSI)、協議及び説明(Consultation and Clarification;C&C)、信頼の醸成についての措置(Confidence Building Measures;CBM))を設けた核軍縮・核不拡散条約です。同条約は1996年9月、国連総会において採択されました。 核兵器と原発はまったく同じものですから、当然フクシマ災害でもこのCTBTはその死の灰を検知しています。
同サイト CTBTに関する技術動向から
核実験監視用放射性核種観測網による大気中の人工放射性核種の測定米沢仲四郎, 山本洋一
が著者です。
副題に「放射能・放射線を正しく理解する」と書かれていますが、このレポートは必読です。いくつかをその他の資料と照らし合わせてみてみます。
福島第一原子力発電所から放出された放射性プルーム(放射性雲)が,3月15日午後1時と3時に高崎に到達したことが分かる。
福島原発からの放射性物質の移流拡散(3月10日~3月25日) たしかに群馬県の高崎を非常に濃いプルームが襲っていることがわかります。距離とこの時の風速を考えるとこのプルームは、およそ20時間程度前にフクシマから放出されたものでしょう。その時に何があったかと言えば、ご存じ3月14日に起きたフクシマ3号機の核爆発(即発臨界)。すなわち、この3号機の爆発が多大な放射能をまき散らしたことは明らかですが、いまだに政府、東電はこの爆発による放射能放出はほとんどなかったと認めておりません。
爆発直後に原子力空母が海域から逃げ出しているにもかかわらずです。
3号機の核爆発と思われる動画
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そして、このプルームは世界中を襲います。
福島で放出された放射性核種は偏西風によって運ばれ,主に北半球各地に設置された放射性核種観測所で検出された。ここでは,時間の比較を容易にするため,協定世界時(UTC)で表す。まず,米国(Sacramento,CA)の3 月15 日21 時39 分~3 月16 日21 時39 分とロシア(PetropavlovskKamchatskiy)の3 月14 日23時32 分~3 月16 日0 時59 分で捕集された試料から,131I, 134,137Cs, 132Te など5 種類の監視対象核種が検出された。ロシア(PetropavlovskKamchatskiy)では,3月13 日23 時40 分~14 日23 時30 分に捕集された試料からも微量の131I が検出されたが,濃度が低く他の核種が検出されていないので,福島からのものかどうかは不明である。その後,米国,カナダ,ロシアの観測所で,そして3 月23 日以降の試料からはヨーロッパの観測所でも次々に検出され,地球をほぼ1 周して沖縄の観測所でも24~25 日の試料から検出された(図6)。粒子状の放射性核種は運用中の北半球の全観測所と,さらに南半球のパプアニューギニアとフィジーでも検出され,運用中の63 か所の観測所のうち38 か所の観測所で検出された。事故発生後3 か月が経過し,海外の大部分の観測所での検出はほぼ収まったが,高崎観測所では本稿を脱稿した6 月21 日現在でも検出は続いている。福島第一原子力発電所の放射性核種を検出した38 観測所の放射性核種濃度の比較を図7 に示す。図は,検出された代表的核種の132Te, 131I 及び134Cs の濃度と全核種濃度について,検出開始から5 月31 日までの積算値の比較である。図は分かりやすくするため,全核種濃度順に各観測所のデータを並べてプロットした。高崎観測所で検出された人工放射性核種濃度は,他の観測所のものより約千倍以上も高く,続いて北米とカナダの観測所のものが高いことが分かる。赤道付近や南半球の一部でも検出されたが,その濃度はかなり低い このデータは各国政府中枢は当然しっていることであり北半球はおろか南半球まで、フクシマに飲み込まれてしまった傍証です。
そして、私自身は次の文章に驚きました。
我が国における大気中の粒子状放射性核種の測定は,1957 年から気象庁の気象研究所で行われてきた12)が,ここでの測定値は単位面積(m2)あたりの降下物粒子中の放射性核種濃度(Bq/m2)として測定されているため,IMS の粒子状放射性核種濃度と直接比較することができない。しかし,1965 年から放射線医学研究所による測定値13)とチェルノブイリ事故時(1986 年5 月)のAoyama らの測定値14)は,IMS の粒子状放射能測定とほぼ同じ方法で測定されたもので直接比較することができる。137Cs について,高崎観測所における最高濃度と1966 年3 月大気核実験時における千葉市での最高濃度,そして1986 年5 月チェルノブイリ事故時におけるつくば市の最高濃度を比較した結果,今回の高崎の137Cs 濃度は,1966 年の大気核実験時の3500 倍,そしてチェルノブイリ事故時の84 倍高い。東京の「放射能」は一万倍のデマで書いたように、御用新聞、御用週刊誌は大気核実験の時よりも降下量は少ない少ないと言い続けています(未だに訂正したという話しは聞きません)ところが、この論文では、チェルノブイリの事故の時よりも84倍も高い(大気核実験の時よりも、はるかに多い死の灰がチェルノブイリでは拡散されたことに今更ながら驚かされますが)のです。
放射性キセノン
福島第一原子力発電所から放出された放射性キセノンガスは,北半球を東周りに拡散し,運用中の北半球のすべての観測所と南半球のオーストラリア(Darwin, NT)の観測所の合計18 の希ガス観測所で検出された。北半球の観測所の放射性キセノン濃度は,放出当初は地域によって濃度差が見られたが,その後ほぼ均一になり,それぞれの核種の半減期に従って減少した。このことと南半球の観測所での検出が赤道付近にのみ限られていたという結果は,北半球と南半球の大気の流れが分離されているとする大気大循環とよく一致している。
4 おわりに
福島の東京電力福島第一発電所から放出された放射性核種は,北半球にあるCTBT の全ての観測所と,南半球の一部の観測所で測定され,地球規模での放射能汚染状況が明らかになった。CTBT の放射性核種観測網は,核実験を監視するために設置されたものであるが,原子力施設の事故にも有効であることが今回の事故によって明らかになった。 ちょっと書きすぎではないかと心配してしまいますが、この方達大丈夫でしょうか。ここまで真実を書いていいのやら・・
フクシマの事故は
・チェルノブイリよりもはるかに多量の死の灰が拡散した
・
フクシマの最汚染地帯は、チェルノブイリよりもはるかにヒドイ・人口密度もはるかに高い
この状況であるのに、未だに政府は放射能による影響を過小評価し、東京はノーテンキに2020年オリンピックに血道を上げています。こんなオリンピック招致なんかクソ食らえですが、うまい風刺がありましたので、ここで紹介させていただきます。
daphnezeyo daphnezeyo ダフニゼヨ さん
作成 あのチェルノブイリでみんなが不安に思い始めたのが事故から3年目頃だったと言われています。日本はチェルノブイリよりもβ線核種が多いため、健康被害の出方はチェルノブイリよりもはるかに早い。オリンピック、経済再生、原発再稼働 どころではありません!