ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

心理臨床・イメージ・箱庭療法-じーじのカウンセリング日記

2024年05月06日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2019年5月の日記です

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 BSの放送大学の「心理臨床とイメージ」を見る。

 今日は箱庭療法の講義。

 講師は小野けい子先生。 

 放送大学大学院で勉強していた時にたいへんお世話になった先生だ。

 臨床心理学、心理療法、箱庭療法、絵画療法など、とても詳しく、ていねいに、わかりやすく教えていただいた。

 そして、今日のゲストがなんと山中康裕さん。

 遊戯療法学会の会長で、このブログにも何度も登場している先生。

 じーじの尊敬する心理療法家だ。

 山中さんはスイスの箱庭療法家のカルフさんから箱庭療法を習い、その後、河合隼雄さんなどと一緒に、箱庭療法を世界的なものに発展させた人でもある。

 このお二人が箱庭療法のお話をするということで、とても豪華な講義である。

 久しぶりに学生になったような気分で真面目に勉強をする。

 実は今月中旬に東京で遊戯療法学会があって、じーじは山中先生のワークショップを予約していて、そこでもカルフさんとの思い出話をお聞きできる予定で、今から楽しみにしている。

 今日はちょうどその予告編のような感じであった。

 カルフさんと箱庭療法、そして、山中さんと河合隼雄さん、どんな貴重なお話が聞けるか、ワクワクしている。

 じーじも勉強に頑張れそうな5月だ。    (2019.5 記)

 

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立原正秋『冬の旅』1973・新潮文庫-凛とした孤高の青年を描く

2024年05月06日 | 小説を読む

 2019年5月のブログです

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 立原正秋さんの『冬の旅』(1973・新潮文庫)を久しぶりに読みました。

 おそらく30代の終わりくらいに再読をして以来、約30年ぶりくらいの再読です。

 とてもいい小説で、記憶力の悪いじーじにしてはめずらしくあらすじを覚えていて、再読が久しぶりになってしまいました。

 本当にいい小説なので、あらすじだけでなく、文章もじっくりと味わうことができるのですが、すごいご無沙汰でもったいないことをしてしまいました。

 今回は、文章を丁寧に味わいながら、ゆっくり、ゆっくりと読みました。

 やはりすごい小説です。

 文章がたびたび胸に迫ってきて、こころを平静に保つのが難しくなることもありました。

 じーじが持っている文庫本は1973年に購入したもの。

 大学1年の時です。

 おそらく高校時代に「冬の旅」のテレビドラマを観て、印象に残っていて、原作を読んだのだと思いますが、当時、ものすごく感動をしたのを覚えています(原作は読売新聞夕刊に1968年から1969年まで連載されたようです)。

 そのころ、じーじは中学校の社会科の先生になりたかったのですが、この小説を読んで、中学校で不良生徒の相手をしたいな、と強く思ったものです。

 結局、いろいろあって、家裁調査官になり、非行少年の相手をすることになったのですが、なぜかわかりませんが、じーじは昔から非行少年に親和感があり、この小説を読んで、その感覚がいっそう強まったように思います。

 官僚や社会的に偉いとされる人より、貧乏や不幸な生い立ちの中で格闘している彼らに共感をしてしまいます。

 自分が貧乏で苦労をしたということがあるのかもしれませんし、自分の中の反体制派の感覚やアウトローの感覚が彼らに親しみを覚えるのかもしれません。

 しかし、ずるい人間を許せないという点では、この小説の主人公と一緒です。

 ずるくない非行少年には優しいですが、ずるい非行少年やずるいおとなは許せません。

 厳しくいえば、結局はおとなになりきれないということなのかもしれませんが…、でも、そういう人生でいいや、と思っています。

 一所懸命に生きつつも、うまくいかない人たち、非行少年もそうでしょうし、病気の人たちもそうでしょう。

 そういう人たちを理解できるおとなでいたいな、とつくづく思います。     (2019.5 記)

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 2023年12月の追記です

 立原さんの『随筆・秘すれば花』(1971・新潮社)を読んでいると、この小説の主人公が少年院で知り合って親友となった安という青年が出てきますが、この安が連載中の小説の中で交通事故で亡くなった時に、立原さんの行きつけの飲み屋から追い出されたといいいます。

 安のような善良な男を殺した小説家に酒はのませられない、と言われたらしいのですが、そんなフアンがいる小説が今までにあったでしょうか。

 立原さんは、連載が終わったので、一升壜をさげてあやまりに行くつもりだ、と書かれていますが、そういう立原さんも素敵です。  (2023.12 記)

 

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